さだまさしさんの新曲について。音楽のエッセイ⑧

『キーウから遠く離れて』
さだまさしさんの新曲だそうです。
この詞の中に
「君は誰に命令されているの?」
という一節でも入っていたら
さだまさしさんを見直すところですけれど。
それは歌詞にはないですし
彼は書かないでしょう。
歌詞は⇓のリンクにあります。


キーウから遠く離れて

戦争反対と歌ってもその具体的背景を曖昧なままにしてただ「生命の重さを歌おう命は大事」と歌っているさだまさしさんの新曲。
『いのちの理由』という曲では、
「私が生まれてきた訳は 愛しいあなたを護るため」という一節があります。
では、だれが何が君の大事な人の安全を脅かしているのか、ということも曖昧。
みんなが、感動してその曖昧さが容認され共有されていって、

聞く人の中でその曖昧さが「補われて」いくのが恐ろしい。

その曖昧さのまま、いつか断定する一語一節がさだまさしさんの新曲に書かれた時、それは軍歌になるのかも知れません。
>わたしが撃たれても
>その後にわたしが続くでしょう
>そしてその場所には
>きっと花が咲くでしょう
・・・私が枯れても(死んでも)また、別の花が咲き続ける・・・これに似た表現が『防人の歌』とかにもありました。

これって、「咲いた花なら、散るのは覚悟」という

あの有名な軍歌のすぐ右隣に位置しているのではないでしょうか?

人間は死ねばそれきり。
春になると
同じ人間=わたし、が
地面からはえてくることはありません。






さだまさしさんのことは過去にも書いています。



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