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暇つぶしで生む恋

彼に、
「何人と付き合ったことがある?」
と聞かれてしまった。

とうとう来たな、この時が。
逆に何人だと思う?と聞き返すと、

「えー、3人?」
無垢な目をして答えられた。

可愛い。
それの○倍だよ、なんて口が裂けても言えない。
そんぐらいだよと濁して話を終えた。



私が付き合った人数は、愛を育んだ数では無い。
実際に、長く続いて且つ好きだった人は2人しかいない。
酷いことを言うようだが大半は『暇つぶしで生む恋』だった。
暇だから寂しいから。
心と予定の隙間を埋めるために、とりあえず。
自分なんかを好きだと言ってくれているんだし。
で付き合ってしまっていた。
不誠実な最低クソ女でした。
本当にお相手には申し訳なく思う。

この人じゃなきゃ駄目と思える人に出会ったことが無い。
自分に代替が利くように、人にも期待できない。
どうせ私から離れていくんでしょう?って。
離れられる前に離してしまう。



でも今は、上手く言えないけど、お互いに代わりはいない気がする。
相手から離れてしまう分には仕方ないけど、私から手放すことは無いと思う。

知的な彼なのに、鼻毛が出ていたり耳掃除できていなかったりする。
そんな人として抜けている部分が好き。
素直で頼り上手、どんな人の輪の中にでも溶け込めるところが尊敬できる。
話してることが専門的すぎて意味分からないけど、一生懸命仕事のこと説明してくれるのが微笑ましい。
暇が無くても距離が離れていても会いたいと思う。
情熱的ではないけれど、彼に会うと温かくて優しい気持ちになる。

今回は片手間の恋なんかじゃない。
貴方との未来を私は見たいと思っている。
貴方はどうか知らないけど。

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