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患者さんの満足度を高める! 1:29:300の法則

上の比率、皆さんは何の数字だと思いますか?
過去にこんな経験はないでしょうか。

<一歩間違えたら重大な事故になっていたかもしれない>という事例。


上の法則は労働現場における注意喚起を促す法則で

別名「ハインリッヒの法則」とも呼ばれ、

多くの場所で「ヒヤリハット」という言葉が使われます。

ハッ!と気が付いた時にヒヤリとした経験。


労働現場に留まらず、私生活でも車の運転中や家の中、生活の中で起こる事も十分考えられます。

では、この「1:29:300の法則」とは何を意味しているのか?


1929年、アメリカの損害本舗会社に勤める男性が5000件以上もの事例から導き出した内容が

1件の重大な事故・災害(=重傷者が出る程)が発生した場合
29件の軽微な事故・災害(=軽傷者が出る程)が既に発生しており
300件のヒヤリ・ハット(=怪我人は出ないものの、ヒヤリとした出来事)が既に発生している。


と言うもの。
この法則、医療現場においても他人事とは思えない程当てはまるのではないでしょうか。


例えば、
・内服薬の調合を別の種類で行いそうになった
・診察中、処置代から動物が落ちそうになった
 など。

これらはヒヤリハットに含まれる出来事ですが、

この積み重ねがいずれ重大な事故になりかねない・・ということです。


しかし、1度起きたヒヤリハットをその場で共有しても、時間の経過とともに注意喚起が薄れてしまう事も実例として多くあります。


気の緩みがうっかりミスへ繋がり、この積み重ねが取り返しのつかない結果を招きかねないのです。

動物病院では獣医師または看護師それぞれ行う業務と共通の業務があります。
その中でヒヤリハット事例に対し病院全体でどのように向き合っていくのかが重要です。

ここで、実際に動物病院でも取り入れられている対策方法をご紹介します。


◎ヒヤリハット対策の方法例

① 動物や飼い主さんにご迷惑をおかけした事柄を記録する
② 傾向を分析し、スタッフ間で共有する
③ 改善策を話し合い、行動に移す
④ ①~③を定期的に繰り返す

飼い主さんや動物に対し、信頼を損ねる行為があれば、ぜひそれを記録してください。

その内容は、例えば診察券を返し忘れた、カルテが出ておらず長時間お待たせしてしまった、レジの誤差があった、という事務的なものから、調剤のミス、診察中や処置、入院中など、日常に起こったこと全てです。

ご迷惑をおかけした時点で、すでにヒヤリハットを上回る事例なのですが、しかしながらこの1つ1つの内容が、今は大事になっていないだけで、いずれ命に関わる、クレームになる最悪の事態を招くことに繋がるかもしれません。

また、記録することで、すでに重大な事が起きていたとしても、完璧な対策が取れていないまま日常を過ごしていた、ということに気付くことも例としてあります。

日頃から病院で起こりがちな出来事を調査し、そこから傾向を知り、院内で共有し、話し合い、対策をとる、ことで、

その繰り返しが、飼い主さんや動物にとって安心、信頼を得られる動物病院づくりへと繋がるはずです。

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