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縛らない縛り

みつばちに法律はない。
「蜜集めをさぼった者は罰金30万円または3年の禁固刑に処す」のようなルール情報はないのだ。

生物が動くには原因・目的があり、ある種ロジカルなプログラム的だ。そのプログラム情報は遺伝子の中に組み込まれている。みつばちの場合、「蜜うんまーい!」という形で。蜜をとりに行くと、蜜を味わえるという報酬があるので勝手に自発的に取りに行く仕組みだ。

一方、人間はどうか?

人間には法律がある。
「働けるカラダがあって、自宅がなく、働かずにうろついていたら、罰金または拘留」というルール情報が現軽犯罪法1条4号にあるのだ。遺伝子情報には勤労の義務など書かれているわけもなく、人間が作った不自然な虚構の設定だ。

法律は、罰を与えることで人を強引にコントロールしようとする残忍で非道な設定だ。「人助けしたらご褒美をあげよう!」なんて文言はない。法律なんて守っても一円の徳にもならない、守らなかったら罰金。

罰だけで子供を育てる親がいたらどうよ?
飴と鞭で言ったら、鞭だけで育てる感じじゃないか。
この罰だけシステムでよく国が回ってきたなと思う。目には目をのハンムラビ法典から変わってないじゃん。

罰だけでは人はみつばちのように自発的になるわけはない。
かと言って、人間やチンパンジーはまったく情報を与えられなければ性交の仕方すら知り得ないので、みつばちのように遺伝子の情報も当てにできない。

だから、自発的に動けるような設定が望まれるのだ!

会社の褒賞システムはどうか?
会社にとって大きな貢献になる仕事をしたら報酬を得る設定のことだ。これで人は、自発的になるだろうか?その場にいれば最低限の報酬は与えられるが、大きな貢献しても何も与えられなかったら、ほとんど誰も努力はしなくなる。飴と鞭の飴。飴がなければしないので、自発的ではない。

ちゃんと自発的に動く設定はないのだろうか

実はある。資本主義という、現代で最もパワフルな設定だ!
資本主義は「売上を再投資すれば売上がさらに増え、雇用も増え世界が幸福になる」というイデオロギーだ。資本主義を貫く経営者たちは、自発的に再投資を続ける。誰にも褒められずに、だ。みつばちが蜜を集め続けるがごとく。

資本主義には、さらなる自然さもある。
みつばちの蜜集めという自発的な秩序には、マクロ的な視点で見れば「受粉」という自然にとって重要な役割がある。小さな秩序が大きな秩序をつくっている構造になっているのだ。
資本主義の場合、再投資という自発的な秩序が、マクロ的に見たら経済の信用の総和を増やすという重要な役割を担っている。

このようにあ資本主義には人間の作った設定にも関わらず自然な屈強さがある。人権を守りさえすれば資本主義は現状では最強、パワフルワンダフル!
んが、資本主義をべた褒めしたいわけじゃない。

「自発的な小さい秩序で大きな秩序を作る」という自然な構造の設定を人間は作ることはできる、ということが言いたいのだ!

罰で縛らないでも、幸福が増える設定という縛りに従い自らを動かし、それが全体に貢献することができる。法律はそれができない。

変化が目まぐるしく次々に新しい設定が必要な今こそ、そんな縛らない縛りを考える時なのではないだろうか?


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