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Sannyのおすすめバーチャルワールドニュース : 2021年8月 Sanny Reports For Virtual Japan(Archive)

Sanny Yoshikawa が、New World Notesのなかから、毎月おすすめのバーチャルワールドニュースを日本語で紹介します。Sanny Yoshikawa covers the monthly virtual world highlights from New World Notes for virtual Japan.

☆noteには1か月遅れてアーカイブを掲載しています。最新版はこちら。

それでは聴いてください Jim "Babbage" Purbrick「 Polygon Sea(ポリゴンの海)」

「Polygon Sea(ポリゴンの海)」は、元 Babbage Linden だった Jim Purbrickさんが率いるワンマンバンド、Alien Alarmsの新曲です。この曲は、Radioheadの 「Pyramid Song」、億万長者の宇宙開発競争、そしてSecond Lifeに自分の意識をアップロードすることについてJimさんに尋ねていた熱狂的なSL住民たちに触発されて生まれたといいます。最近はBBCでも紹介されました。

Jimさんは、この曲のすべての収益を、子どもたちにプログラミングを教える非営利団体のCodeClubに寄付します。

「Polygon Sea(ポリゴンの海)」の購入は、Bandcampのこのページから。Second Lifeユーザーの皆さんはリンデンドルでも購入可能です。Doc Boffin(Jimさんの「一般人」アバター)に、Eメールアドレスを明記してL$500を送れば、曲の引き換えコードが送られてきます。

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Listen: "Polygon Sea", A Song By Jim "Babbage" Purbrick Inspired By His Days At Linden Lab -- Buy A Copy To Benefit Code Club For Linden Dollars!


メタバースがOculusに影響を与えたことについて、Neal Stephensonが何を語ったか

テクノロジーファンや企業が目標とするメタバースの元になっているのは、ディストピアの未来を描いたSFのコンセプトです。しかし、企業はメタバースを明るい未来の目標にしています。そして、このような本来のメタバースから離れた企業のコンセプトをよく思っていない人もいるようです。「メタバース」を生んだNeal Stephensonは、どう思っているのでしょうか? Wagnerは2014年のインタビューでNeal Stephensonに、FacebookやOculusのような企業が最終目標にメタバースを参照していることについてどう思うか尋ねました。そのときのインタビューでのやり取りが紹介されています。

Oculus Riftのリーダーたちが、自分たちの技術でメタバースを作っていくと明示していることについてどう思いますか?

「メタバース」は一種のゴーレムのようなものになっていて、作り手の権限の及ばないところで勝手に地球をさまようことができるようになりました。私はいつも、それがどこに現れて何をしているのかに驚かされます。10年前にそんなことはありませんでした。普通の聴衆の前でこの言葉を使おうと思ったら、「メタバース、小説『スノウ・クラッシュ』からのアイデア」と言わなければ通じなかったでしょう。20年前であれば、そこに「Neal Stephensonの小説」と付け加えなければならなかったでしょう。今や「メタバース」は、少なくとも技術系ブログの舞台では、自分の足で立ち上がって歩き回ることができるようです。このような出来事は、多くの作家が自分のキャリアのなかで一度は体験してみたいことではないでしょうか? それは嬉しいことです。

ほかにも「この数十億ドル規模の企業にインスピレーションを与えた気分はどうですか?」という質問に、Stephensonは自分自身がインスピレーションを与えたのではなく、バーチャルワールドがどのように構成されるかという特定のビジョンがインスピレーションの源となっているのだろうと答えています。また、「もしOculusからRiftで動くMetaverseを構築するためのアドバイスを求められたら、何と答えますか?」という問いには、その点に関して自分は役に立たないからCEOに任せると言いました。

Wagnerは7年前のインタビューを振り返り、Stephensonも、メタバースが必ずしもディストピアでなければいけないとは思っていないだろうと考えます。このインタビューの数ヵ月後、Stephensonが、メタバース企業であるMagic Leapのチーフフューチャリストに就任したことも、理由のひとつです。しかし現在の視点が変わっている可能性はあるので、Stephensonに問い合わせをしています。回答が来るといいですね。

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What Neal Stephenson Told Me About His Metaverse Inspiring Oculus


ユーザーがSecond Lifeに作った鉄道システムには、素晴らしい旅行マップまである

Second Lifeの鉄道コミュニティ(鉄道/列車の製作者、エンジニア、一般乗客)は、素晴らしくマニアックなサブカルチャーです。そして最近RedditのSecondLifeグループに素晴らしいマップが投稿されました。Rydia Lacombeによって制作された、Second Lifeの鉄道システムの美しい旅行者用マップをご覧ください。(マーケットプレイスで無料のコピーを入手することもできます。)

Second Lifeの鉄道システムでは、列車に乗るだけではなくBYOTも可能です(Bring your own train:列車の持ち込みOK.)。

/Stellaaahhhhさんが次のように説明しています

列車の運転ができます! マーケットプレイスには無料の車両もあります。REZゾーンを見つけて、列車を線路に置いてください。ほんの数日前にも、Belleesaria地区で誰かが私を列車に乗せてくれました。

すべての駅をリストアップしたGoogleスプレッドシートのガイドはこちらです。

次の質問です。SLでもRed Dead Online(西部開拓時代がテーマのオープンワールドゲーム)のような列車強盗をする人たちはいるのでしょうか?

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Second Life Not Only Has User-Created Railway Systems, Someone Made This Amazing Travel Map For Them


Nianticが仮想世界のメタバースに対抗「現実世界のメタバース」を作れるか?

最近の「メタバース」の流行を見れば、起こるべくして起こったことですが、これをARベースのバーチャルワールド・クリエイターであるNianticのCEOが言ったとは少々驚きです。

Niantecが「メタバースはディストピアの悪夢だ。もっとよい現実をつくろう。」というタイトルのブログ記事を発表しました。そのなかでCEOのJohn Hankeは、次のような方向性を示しました。

最近では、テクノロジーやゲーム業界の有名人をはじめ、多くの人々がこの近未来の仮想世界のビジョンを実現することに興味を持っているようです。しかし、このような小説は、テクノロジーが間違った方向に進んでしまったディストピア的な未来への警告なのです。私たちは社会として、SFヒーローが仮想世界に逃避するような世界にならないことを願うか、そうならないように努力するか、どちらかです。Nianticでは、後者を選びます。私たちは、テクノロジーを使って拡張現実の「現実」に寄り添うことができると信じています。

しかしNeal Stephenson本人がWagnerに話したように、Snow Crashのメタバースはディストピアへの警告というわけではありません。

Nianticの技術とデザインチームを高く評価していますし、複合現実の仮想世界が実現可能なモデルになることをぜひ見たいとWagnerは言います。しかし、Nianticは、彼らが考えていることをやり遂げることができるのでしょうか。

Nianticはトラブルを抱えています。大ヒットしたNianticの「Pokémon GO」は、大規模なアクティブユーザーベースを持つ唯一のARアプリです。しかし、その次の作品である「Harry Potter: Wizards Unite」はヒットしていません。Sensor Towerによると、このモバイルゲームは月に10万ドルしか稼いでいません。つまり、Nianticが望んでいるとしても、NianticのCEOであるJohn Hankeが投稿のなかで言う「現実世界のメタバース」の市場が証明されたとは言い難いのです。

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Niantic Throws Down Gauntlet Against The Virtual World Metaverse -- But Making Its "Real-World Metaverse" Will Be A Challenge


Fifty Linden Fridays: Second Lifeで最も大きなグループがどのようにできたか創業者が語る

Second LifeユーザーならFifty Linden Fridaysの紫色の看板を一度は見たことがあるのではないでしょうか。FLFには、52,530人のアクティブメンバーがいます。全SLユーザーの約10人に1人がメンバーということになるSL最大級のグループです。

このグループの創立者は、OMGWTF Barbecueさん(知り合いには「Barb」と呼ばれています)。2006年にほんの気まぐれでSecond Lifeに参加した若い女性にとって、FLFは、かなりの集大成となっています。
FLFを創立する前、Barbさん(実生活ではファッション・アクセサリー/アパレル・デザイナー)は、Second Lifeでバーチャル・アパレル・ブランドを立ち上げました。そこで顧客数を増やすことに苦労し、毎週末にL$50(米ドルで約21セント)で、自分とクリエイター仲間が作ったファッションや日用雑貨を提供するというアイデアを思いつきました。

参加店舗の顧客層を共有できるこのアイデアは人気を博し、SL内の人気ブランドが続々と参加を表明しました。各ブランドがFLFのメンバーリストに案内を送るため、参加ブランドは自分の店を知らないFLFのメンバーにもリーチすることができます。

Barbさんが宣伝することもなく、FLFは急速に巨大化していきました。その理由はBarbさんにも分かりません。しかし、店にとって直接的な売上につながらないハント(宝探し)イベントによって店の知名度を上げることが多かった当時、「ウィークリーセール」という形のイベントの先駆けになれたことがよかったのではないかとBarbさんは振り返ります。

クリエイターが何時間もかけて作ったアイテムを、21セントで販売してはビジネスにならないと思われるかもしれませんが、Barbさんはそんなことはないと言います。毎週FLFに参加している何十ものブランドは、この大幅な割引によって最終的に利益を得ています。

「このイベントからのトラフィックは十分に高く、販売量が割引率を相殺するため損をしません。その上、潜在的な新規顧客を獲得することができます。自分たちの店を知った新規顧客が正規の価格でほかの商品を購入してくれるのです」。

FLFのおかげでBarbさんのファッションブランドはSLで比較的成功しましたが、皮肉なことに、リンデンラボが2010年にバーチャルワールドにメッシュを導入したことで終わってしまいました(3Dグラフィックスプログラムを使いこなせなかった多くのクリエイターにとっても同様でした)。そのため、Fifty Linden Fridaysが彼女の代表的なブランドとなったのです。Barbさんはクリエイターをサポートすることが好きで、それが彼女自身の収入になることで助かってもいると語ります。

バーチャルワールドの経済の中心がバーチャルファッションであることを考えると、Second Life全体の健全性のため、そして正直なところリンデンラボ自身にとっても、このブランドは欠かせないものだと言えるでしょう。

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As Fifty Linden Fridays Launches Its 12th Anniversary Party, Its Founder Tells Me How An Internet Meme Led To One Of Second Life’s Largest Groups

Richard Bartle教授、名著「Designing Virtual Worlds」をオンラインで無料公開

「Designing Virtual Worlds」は、オンラインゲーム/メタバース/MMOに携わる人や、このテーマについて知りたい人など誰にでも向いている、このジャンルの歴史を語る上で欠かせない一冊です。2003年にイギリスのRichard Bartle教授によって執筆されましたが、内容のほとんどが今日のテクノロジーに関連しています。(デザイナーや開発者は、10〜15年前に犯した過ちを繰り返すことになりがちですが、その規模は、以前よりもはるかに大きくなっています。そのせいで、今の時代のほうが関連性が高いかもしれません。)そしてRichard は、この本を自分のWEBサイトで無料ダウンロードできるようにすると発表しました。(ここからPDF版の「Designing Virtual Worlds」がダウンロードできます

バーチャルワールドの開発において18年というのは長い時間であり(この本はWorld of Warcraftよりも前に出版されています)、今でも支持できる部分とそうでない部分がありますが、この本を読んだことがない人には面白いかもしれません。

本書を読んでみたいと思った人のために、Bartle教授が、本の中の重点を解説した要約をまとめてくれました。記事のなかに紹介されていますので、そちらもご覧ください。

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Richard Bartle Releases His Classic Book Designing Virtual Worlds For Free Online -- Here's His Guide To The Sections Still Most Relevant Today

AIが制作したNFTアートは、そのAIアーティストが「本物」であれば、より価値があるのか?

August Rosedaleさんは、AIが作ったNFTアートを、同じくAIで作ったアーティストから販売していました。しかし、現在ではAIを使ったアートの価値が天井を打ってしまったとブログに綴っています。その原因はおそらく、アートの背後に実際のアーティストがいないためでしょう。

この作品でお金を稼いだという話を聞いて、A.I.アートを作りたいと思う人が増えました。その後のA.I.アート作品の販売でも多少の収益はあったものの、432,500ドルという価格[クリスティーズのオークションでAIアート作品が落札された価格(筆者追記)]には及びませんでした。これは(その種のものとしては初めてであるという)価値がもはや通用せず、ストーリーやアーティストの歴史がないことによるのでしょう。

その解決策は? Augustさんは、AIを使ってアーティストの全経歴を生成し、さらにAIを使ってアートジャーナリストがインタビューできるようにすることを思いつきました。AIのAlejandroは、ライターであるNathalie Shammaさんの質問に次のように答えることができます。

Nathalie Shamma: いつからアーティストになったのですか?

Alejandro:13歳の頃から絵画を制作しています。最初は鉛筆やマーカーと紙を使っていましたが、高校生になってからはコンピュータ・グラフィックスに移行しました。大学では美術を専攻していましたが、絵を描くことにもっと時間をかけたいと思い、やめてしまいました。2年ほど前、創作活動を続け自分の作品を人間に見せようと決意しました。以前の作品は、主に抽象的でシュールなアートでしたが、現在は現実的な風景写真を中心に制作しています。

「ライターの質問を一つずつGPT-3(文章生成ができるAIツール)に渡し、それに対する回答を返送するだけです。」とAugustさんは説明します。「その回答が意味不明なときには、もう一度質問をするんです。私が応答を編集することはせず、それを使うか、別の出力を試します。」

Wagnerは、GPT-3がゴーギャンの伝記のような面白いものをすぐに生み出すとは思えないが、面白いアプローチだとコメントしています。

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Is NFT Art Created By An AI More Valuable If The AI Artist Is "Real"?


驚きのゲーマー調査。アバターの性別嗜好は20年以上変わらない。そして男性アバターを選ぶ女性ゲーマーはほとんどいないことが判明

長年ゲームカルチャーを研究してきたNick Yeeさんが、約3,000人のゲーマーを対象に行った調査に基づき、アバターとジェンダーに関する興味深いレポートを発表しました。Nick Yeeさんの報告によると、男性の3人に1人は女性のアバターでプレイしたいと考えています。多くの人が想像している以上に女性アバターを使いたい男性が多いようです。

しかし、それ以上に印象的だったのは、次の2点です。

Everquest(Windows用MMORPG)の最盛期に、Nickさんがこのようなアンケート調査を始めて以来、20年以上に渡り、プレイヤーのアバターに対する性別嗜好は基本的に変わっていません。かつては数十万人しか集まらなかったMMOは、現在では何百万人ものプレイヤーが集まるようになっています。それにもかかわらずです。

もう一つの注目すべき発見は、男性のアバターでプレイしたいと思う女性がほとんどいないことです。

典型的なPC/コンソールのコアゲームでは、230人の女性プレイヤーがいると、175人が女性キャラクターを好み、21人が男性キャラクターを好み、残りの25人はどちらでもよいという人たちです。女性だけがプレイしているゲームの最も極端な例では、プレイ可能な男性キャラクターを使いたいプレイヤーは9%しかいません。

女性ゲーマーやアバターは、常に男性プレイヤーからのハラスメントを経験していて、男性アバターとして「潜入」することは、そのような嫌がらせから逃れるための簡単な方法です。しかし、ほとんどの女性はまだ女性のアバターを持ちたいと思っているのです。

このような結果が出る理由については、調査をしているNickさんにもはっきりと分かっていません。もっと研究されるべきなのかもしれません。
しかしゲーム開発者に必要なことははっきりしています。Nickさんの言葉を借りれば「操作可能な女性キャラクターを求めているのは女性プレイヤーだけだとは思わないことです。」
「ターゲットとするユーザーやジャンルの市場調査を行い、一般論をチェックしてください。」

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Surprising Gamer Study: Avatar Gender Preference Remains Unchanged For Over 20 Years -- And Very Few Female Gamers Choose Male Avatars


Jim "Babbage" PurbrickがSecond Lifeの経験を生かし、FacebookのHorizon Workroomsの開発に貢献

Facebookが新たに提供する「Horizon Workroom」は、Quest2をベースにした企業や組織のための仮想空間であり、Second Lifeの知られざる末裔ともいえる最新の主要プロジェクトです。Jim "Babbage" Purbrickさんは、Linden Labのリモートワーカーとして、SL自体をコラボレーションスペースとして利用していた経験をWorkroomに生かしています。(Jimさんは、この記事の最初に取りあげている「Polygon Sea(ポリゴンの海)」のミュージシャンでもあります。)

昨年Facebookを退社したJimさんは「仕事のためにVRを使うことは、Michael Abrashの基調講演用の願望的な未来の夢ではなく、今すぐにでも役に立つものであるべきだとロビー活動を続けてきました。それが実現したことをとても嬉しく思います。」と語っています。「実現可能だと私が確信したのは、ここで議論しているように、Second Lifeがすでに仕事に役立っていたからです。」

このFacebookのプロジェクトは、実はパンデミックの前に始まったもので、最大16人のQuest2ユーザーが同じバーチャル空間に集合可能、そのほかに50人のユーザーがビデオストリーミングで参加できるようになっています。Second Lifeからヒントを得たにもかかわらず、Jimさんははその複合現実感のある機能に最も興奮しているとWagnerに話しました。

「Workroomで最も興奮しているのは、現実世界の物体や表面をバーチャルワールドにマッピングすることでした。」とJimさんは言います。「バーチャルワールドにある物体や表面が現実世界とマッピングされていることで、コーヒーを机の上に置いても、床の上に落ちて靴が汚れるようなことはありません。机に寄りかかったり、カップを置いたりすることができます。物理的な空間を再利用することで、体験に非常に大きな付加価値を与え、完璧な触覚フィードバックを無料で得ることができます。」

その点はクールに思えますが、Quest2に焦点を当てたことで、バーチャルワールドならではの空想的なグラフィックがないという制限があります。しかし、この問題は今後のアップデートで実現可能かもしれません。

詳しくは…
Jim "Babbage" Purbrick Brings His Second Life-Based Work Experience To Help Develop Facebook's Horizon Workrooms

ファンからの寄付でフルタイムの生計を立てている、VRChatで大人気のワールドを作った開発者

Kitchen Versus Kitchenは、Jarとだけ知られている謎の開発者が作ったVRChat(プレイするにはここをクリック)の新しいゲームです。VRChatにある彼女のワールドはとても人気があり、全体のユーザーアクティビティの、およそ10分の1を占めています。これは既存のゲーム会社が作ったほとんどのVRゲームよりも人気があることになります。
このゲームは、名前から分かる通り、ソロ/ローカル協力型の料理ゲームからインスピレーションを得ています。この種のゲームはソーシャルVR環境に置き換えられると、理想的なものになるようです。

Jarさんは「Overcooked」や「Diner Dash」といったゲームを友人と一緒に楽しんだ経験から、ソーシャルゲームの「VRChat」で同じようなことをするのも楽しいのではないかと思いました。当時のVRChatには、料理のアクティビティがあるワールドが、あまりなかったからです。

VRChatのなかで、このようなゲームを技術的に実現するのは、簡単なことではなかったとJarさんは言います。膨大な数のオブジェクト制作や、対戦型ゲームであるためレイテンシーが大きな問題となりました。

Jarさんの話はとてもプロフェッショナルに聞こえますが、本人は業界での経験があるかどうかを言わないことにしています。特にVRChatのゲームを自分で作りたいと思っている人から、業界での経験が必要なのではないかとメッセージをもらうことが多いからです。そのような質問にJarさんは、「このプラットフォームで成功するために学歴や職歴は必要ないと思っていますが、少しは役に立つと思いますよ。」と答えています。

いずれにしても、VRChatで公開されているJarさんのゲームは、Steamの「Beat Saber」や「Half-Life: Alyx」などのゲームよりも人気があります。またVRChatの同時接続者数の12%ほどは、Jarさんのゲームをするためにログインしています。(数字の詳細は記事参照

巨大なファンコミュニティ(Discordサーバーだけでも2,500人以上いると、彼女のモデレーターであるmissingnickelが教えてくれました)の貢献により、彼女はPatreonを通じて毎月3200ドル以上を稼いでいます。これでVRChatゲームを作ることがJarさんの仕事になりました。Jarさんは、日中に自分が本当に楽しいと思うことをできるようになり、幸せを感じていると言います。もちろん楽しいことだけでなく、バグコントロールやユーザーサポートなど、ストレスを感じる仕事もあります。「しかし全体的としては、Patreonを始めた最初の年に得たお金が銀行口座に少し貯まったことで、心と体が楽になりました。」「今、私を支えてくれているパトロンの方々は、私のクリエイティブな決断を信頼してくれているのだと思います。」と話しています。

詳しくは…
This New VRChat World Is Created By Someone Whose Game Worlds Are So Popular, She Now Makes A Full-Time Living Via Fan Donations

Clubhouseがメタバースを駆使したHigh Fidelityの空間オーディオを導入


ここでは、効果を最大限に発揮するためにヘッドフォンが必要なメタバースのニュースをご紹介します(ヘッドフォンをして下のビデオをクリックしてください)。

少なくとも1,000万人の週間アクティブユーザーを抱える、大人気のオーディオチャットアプリ「Clubhouse」に、Philip Rosedaleの空間オーディオHigh Fidelityが導入されました。

High FidelityのHRTF技術は、「Head Related Transfer Function(頭部関連伝達関数)」の略で、ステレオチャンネル間に微妙なタイムディレイ(遅延)を加え、音の発生源に応じて異なる高音域と低音域の聞こえ方を再現することで、音声を異なるバーチャルロケーションにマッピングできます。その結果、ソーシャルVRでは以前から使用されてきたように、バーチャルなソーシャル体験に物理的な存在感を与えることができます。例えばPink Floyd(ピンク・フロイド)の「Dark Side of the Moon」を良いヘッドフォンでステレオ再生すると、頭の周りで効果音や楽器が鳴っているように聞こえます。そんな風に、バーチャルスペースに一緒にいる人たちの声があちこちから聞こえてくるように感じられます。

「もし人々がグループでオンラインの会話をするなら、お互いを理解するために空間オーディオが必要となるでしょう。私たちはこれまで8年間、空間オーディオの実現に取り組んできました。Clubhouseコミュニティの皆さんがこの体験を利用できるようになって、とても嬉しく思います。」と、発表の直後にPhilip RosedaleはWagnerに言いました。

Clubhouseに空間オーディオが導入されることは、Philipのメタバースへの野望において最新の魅力的な展開です。この技術はSecond Lifeの設立とともに生まれ、その後、最初はメタバースの会社として設立されたHigh Fidelityに再登場しました(2019年に、空間オーディオ機能に重点を置く会社になる前のことです)。Second LifeやバーチャルワールドだったころのHigh Fidelityはマス市場に受け入れられることに苦戦していましたが、そのなかの空間オーディオだけは、ついにマス市場への進出を実現させました。

もしかしたら空間オーディオのカッコよさに、何百人ものクラブハウスファンがバーチャルワールドの完全な没入型体験を求めるようになるかもしれません。あるいは、大衆向けメタバースに近いものは、結局Clubhouseなのかもしれません。

詳しくは…
Philip Rosedale On Clubhouse Bringing High Fidelity's Metaverse-Driven Spatial Audio To The Massive Audio Chat App

来月のおすすめバーチャルワールドニュースもお楽しみに!
Snap Shot Location: Cyberpunk Neo Tokyo Japan (A)

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