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【徹底解説】 メタバースにまつわるエトセトラ ~メタバースの純真(最重要事項)と、これがXRの生きる道~

XR起業家でホログラム配信スタートアップHolotch(ホロッチ)のCEO 小池です。

メタバース

今では完全にバズワードですね!!

正に猫も杓子もメタバース言い出していて、少し前の自称AIスタートアップな雰囲気がプンプンしてきました(笑)

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(※Forbsにて"This week in XR"を連載しているCharlie Finkさんが現状を風刺した図です。元記事:You Say Potato, I Say Metaverse)

J-Pop的なノリでいくと

近ごろ〜私達は〜  いい感じ〜 
悪いわね〜  ありがとね〜 
これからも〜  よろしくね〜 (By Puffy)

ってな感じだと思います😎😎・・・たぶん😂😂

今回はそんなメタバースをXR起業家の目線で、普段XR(=VR/AR/MRなどの総称)に関わりが無い方々向けに分かりやすく書いていこうと思います。

久しぶりのブログですが、今回は"キャラメル気分で、はじけるリズムで"書いて行きますので、リラックスしてお付き合い頂ければ幸いです。(※内容はあくまでも個人的な意見ですので悪しからず(^^;)

VR,ARのプリンシプル

メタバースの話題の前にVR,ARに関する僕の頭の中をご共有させて下さい。

スマホの次はVR,ARと良く言われていますが、このトレンドの個人的なイメージは、

誤) ガラケー → スマホ

の時の様な機種変更(ガラケー市場がゼロになる)の流れではなく、

≒)パソコン or スマホ or タブレット

の様に、用途に応じて最適なデバイスを選択する感覚に近いと思っています。

なので、僕自身10年後もスマホやパソコンを使い続けているのかなと。

何故か?

コンピュータ(電子計算機)は、データ(情報)を処理するための機械です。

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(アメリカの黎明期のコンピュータのイメージ:Electronic Numerical Integrator and Compute)

処理能力の向上&小型化が進む事で、コンピュータがより広く使われるようになり、次第にパソコン(パーソナル コンピュータ=パーソナル化)と呼ばれコンピュータが一般家庭にも普及しました。

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そんなパソコンがポケットに入っている(モバイル化した)ものがスマホだと思っています。

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VR,AR機器のポイントは、今までの高速化、小型化の流れであるパーソナル化→モバイル化とは"別軸"のコンピュータのウェアラブル化にあると個人的には捉えています。(もちろんの技術の延長戦ではあるのですが、UXのパラダイムシフトが起きるウェアラブル化は、起業家としては"別軸の進化"として捉えています。)

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ウェアラブル化とは即ち、コンピュータとデータを身に纏う事なので、

SFっぽく言うと"義体化"とか"電脳化"の始まり(?)に近いのかな〜と😎😎

コンピュータとデータを"持ち運ぶ"から"身に纏う"に変化する!!
これが今回(VR/AR)のUXのパラダイムシフトです🔥

そして、ここでの重要なポイントは5Gxクラウドとエッジコンピューティングによる"常時接続"と"リアルタイム解析"です。ウェアラブル端末で、人間がインターネットに常時接続した状態で生活を送ることになるのです!!

VR,ARビジネスのプリンシプル

僕がXRで起業を志したのは2014年でしたが、当時からVR,ARのド初期の金脈に、

①ハード

②OS,アプリストア

③メタバース(別名:VRクラウド、VR SNS、ソーシャルVR)

④ARクラウド(別名:デジタルツイン) 

などがあると言われていて、例えばARクラウドはGoogle検索よりも価値があると持て囃されていたりします。(※実際にイケてたARクラウド関係スタートアップは既に相当数M&Aされています。)

理由は単純で、今のインターネットって、誰かがアップしたサーバー上にあるデータ(過去)しか検索出来ないんですよ。それがARクラウドと"常時接続(5G)"と"リアルタイム解析(エッジとクラウド)"によって、まだ誰もアップしていないリアルタイムなデータ(現在)が検索可能になるんです!!

そんな中、突然のマークザッカーバーグによる"メタバース企業になる"宣言です☠️🍖👒⛵️🌊🌍🏴‍☠️  (参照:The Verge)

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それを受けて、ツイッター社のCEOジャックドーシーが下記のツイートをしました。

1992年 インターネットはSnow Crash(メタバース)になるってよ!
2021年 フェイスブックはSnow Crash(メタバース)になるってよ!

割とこのツイートが核心を突いているのかな〜と思っていて、結局はメタバースって、インターネットなんですよ!そのインターネットの世界(利用価値)が30年前に比べて広がっているのかな〜と。

メタバースとは?

メタバースをVR版のセカンドライフだ!!とか、映画レディープレーヤーワン(2018)の世界観だ!!といった例え話がメディアで表現されたり、アバターだ〜!!とか、バーチャルワールドだ〜!!クリエーターエコノミーだ〜!!NFTだ〜!!・・・などと様々なポジショントーク満載な議論がなされていますが、普段VR/ARに関わりが無い方々は、これらの説明は"全部忘れてOK"です😇😇

どっちかと言うと、それはバーチャル"リアリティー"じゃなくて、バーチャル"ファンタジー"だろ!って揶揄されてる感じのところです😆😆

あれらはメタバースにインスピレーションを受けた物であり、仮想空間はあくまでも体験をする為の構成要素="手段"であって、ビジネスとしての本質的な価値="目的"ではありません。木を見て森を見ずな感じなので、個人的にはスルーをお勧めします(笑)

では、メタバースとは何か?

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はい。

メタバースとはインターネットです。

皆さんにとってのインターネットって何ですか?

Youtubeですか? Yahoo!ニュースですか? LINEですか? インスタですか? TikTokですか? etc,

インターネットのビジネス史において、
一番インターネットだった物って何だと思いますか?

インターネットでビジネスをするにあたって、
一番の理想の形って何だと思いますか?

スミマセン😅

焦らしすぎました🙇‍♂️🙇‍♂️


世界中が狙っているメタバースの純真は、

皆さんが"一番最初に開くアプリ"です。そして、そこに世界中からユーザーを1番多く集客し、常時接続(他サービスも囲い込んで常時アプリに滞在)させることです。

これが、メタバースのワンピース(ひとつなぎの大秘宝)です。

もう少し分かりやすく言うと、

パソコン時代のYahoo!Japan、MSN(ポータルサイト)です。

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スマホ時代アリババテンセントLINE(スーパーアプリ)Amazon Primeなどです。

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ブラウザを立ち上げて一番最初に開くWEBサイトだったり、ロック解除して一番最初にタップするアプリが恐らく皆さんにとってのインターネットの扉で、そこを起点にして生活が始まり、またそれらが生活の支点でもあるのかなと。

そして、これらのVR/AR版が"メタバース"なのかなと。

この一番最初に開くアプリの"価値"を知っているから、Facebookは何としてもメタバースになりたいんですよ!

ウェブ (ポータルサイト) → スマホ (スーパーアプリ) → XR (メタバース)

こんな様なイメージで個人的にはメタバースを捉えています。

まさに、Metaverse is eating the world です!!

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(↓元ネタ(?), 画像引用↓)

VR/ARで一番最初に開くアプリ(ワンピース)、ここを獲れなければメタバース(海賊王)にはなれないんですよ🏴‍☠️🌍💰😎👑

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そこから、本当の意味での経済圏を拡張していけるんだと思います!!

最近のトレンドとして支配的なプラットフォームが嫌われる(?)ので、この辺りの経済圏はオープン(サードパーティーをまとめる所)から始まって、後々に囲い込みが始まってクローズド(支配的)になっていくんだと思います(笑)

分散型でオープンな経済圏だとしても、結局"入り口は一つ"なんだと思っています。

誤解のない様にしておくと、アバターやバーチャルワールドは、VR/ARにとって重要なのは疑いの余地もありません。が、ごくごく一部の要素技術です。例えば、それらを開発する為のツールにUnity(ゲーム開発エンジン)がありますが、今のUnityではメタバースなんて、とてもではないですが作れません。今後急速に進化していくと思いますが、まだまだ現状そのレベルだという事です。

なので、XR起業家としては、Yahoo!やアリババなどがどの事業からサービスを開始し経済圏を発展させていったのか?を考察し、どう2020年代のVR/ARに落とし込めるか?の視点の方が大事だと思っています。(プロダクトとしてのメタバースと、ビジネスとしてのメタバースの違いですかね?でも、この違いは本当に大事なんです!!)

余談① 通信キャリアと"5G x メタバース"

メタバースを狙っている企業はテクノロジー企業だけではありません。

世界中の通信キャリアメタバースを虎視眈々と狙っています。

Telcos Seek Killer App to Recoup Billions Spent on 5G(Bloomberg)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-08-10/telcos-seek-killer-app-to-recoup-billions-spent-on-5g-networks 
>10年前、通信キャリアは4G回線(LTE)設置に向けの時に多額の投資をしたが、恩恵を享受したのはGAFAなどのテクノロジー企業であり、通信キャリアは多額の利益を失った。そしてより多額の投資を今後5Gにする予定である。

日本では土管屋さんと表現されることもありますが、なかなかストレートな表現ですね(^^;

これを日本市場に当てはめると、かなり分かりやすいかと思います。

ウェブ (ポータルサイト) → スマホ (スーパーアプリ)

のところで、実は日本では

ガラケー(iモード、EZweb、Y!) →  スマホ (スーパーアプリ)

がありました、このインパクトは通信キャリアにとって非常に大きかった訳です。

ガラケー時代のパケット通信は、そもそも"imode"って物理ボタンが存在していましたし、"iモード対応HTML"で記述する必要があるくらいに支配的な環境(マーケット)だったものが、たった10年でその錬金術を失ってしまったのです。

そりゃ〜、もうこのXR (メタバース)のモメンタムに参加したい意気込むのは当然の流れだと思いますし、その動きはアメリカ・中国・韓国をはじめ、各国の通信キャリアでも注目度が高いといったイメージです。

【5G x メタバース】ホログラム配信のHolotch、フランスの通信事業会社Orange社がスタートアップを支援する"Orange Fab Asia"に採択!!

ちなみに、Holotchも色々と動いております😎😎

Web版デモ:

デモ動画:

ホログラム会議デモ:

SDGsの文脈で"Move Bits, Not Atoms"(原子ではなくビットを動かせ!!*)は、原子=人間が直接移動するのではなく、ビット=データを動かす方が遥かに効率が良いと言う格言ですが、ホログラム会議を利用し目の前に等身大の話し相手を表示する事により、デジタルでリアルな対面を再現することが可能になれば、リモートと対面が同等の体験値に近づくのではと考えています。

19世紀に起きた自動車の発明と同じくらい、ホログラムが21世紀の人類に与える影響は大きいと考えています(^^)

メタバースへの道

"散々偉そうな事言っといて、小池、お前何様だよ?"って声も聞こえてきそうですが、一応僕はこのメタバース(海賊王)を目指して2014年から色々と活動して来た人間です。当時はメタバースと言う呼び方はそこまでメインストリームでは無かったですが、Holotchはメタバースへの偉大なる航路(グランドライン)をホログラム配信という切り口でスタートアップの旅路に出たスタートアップ(海賊船)です。

Metaverse with Holograms😎

実際、既存投資家にメタバースという単語を使ってプレゼンした人もいますし、ホログラムの説明だけで投資決定して頂いた方もいるくらい、"今までは理解されにくい分野"だったので、社内メンバーと親しい起業家仲間くらいにしか伝えていませんでしたが、ようやく風呂敷を広げても一般的に理解して頂けそうなトレンドが来たのかなと思ってワクワクしていますか😆😆

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VR/ARで一番最初に開くアプリ(ワンピース)のありかに関しては、様々な仮説を持っているのですが、既にかなりの長文になっているので、今回はここまでに致します🙇‍♂️

テクノロジーのお話が大好きなので、最新のホログラム業界のお話なども絡めて、また改めてブログ書ければな〜と思っています🙌

Holotchは資金調達中です。ご興味のある投資家の方々、是非カジュアルにお話させて下さい!! 
Holotchのホログラム配信技術や、メタバースにご興味のある方々、是非 info@holotch.com にご連絡下さい!!

余談② Magicverseの衝撃

完全に忘れ去られた存在だと思いますが、XR業界にはMagic Leapというスタートアップがありまして、そのMagic Leapが発表したMagicverse(マジックバース)構想が、実はめちゃくちゃ刺激的で、最高に天才的でした!!

Magicverseは本当に一瞬の輝きだったので、調べてもロクな記事がないのですが、この図を読み解いていくと様々な発見があります!!

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MagicLeap以前は、業界的にVRクラウドARクラウドは別々の物であると区別、認識されていたのですが、"もう全部まとめてウチがやってやるよ!"ってスタンスだったMagic Leapから発表されたメタバースもデジタルツインも、全部ひっくるて作っちゃうというMagicverse構想は、マジで衝撃的でしたし、きっとこれが正しい次世代インターネットなんだろうなと思いました!

p.s.  VR,ARはもう古いというお話

すごいタイトルですが、煽っている訳ではありません(笑)

VR/AR Associationという世界の50都市以上に支部が存在するグローバルな業界団体が、先日、主催するVR/AR Global Summit という展示会をimmerse Global Summit (iGS)リブランディングすると発表しました。

理由としては、もはやVR,AR業界はVR,AR技術だけに留まらず、5Gを含め様々な通信技術、各種ハードウェア、AI、ゲーム、ブロックチェーン技術、デジタルマーケティングなどなど、かなり幅広い分野と相互関係にあり、それらを網羅する為にVR/ARの括りではなく、immerse(没入する)というジャンルでイベントを再定義し、業界を発展させて行こうという狙いがあるみたいです。

これには僕も結構賛成で、個人的にそれがVRなのかARなのかは本当にどうでもいい話だと思っていますし、VRやりたい!ARやりたい!メタバースやりたい!なんてニーズなんて"無い"と思っているので、VR/ARありきな議論よりも、あらゆる選択肢の中から、結果的に面白いから!仲間はずれになっちゃうから!便利だから!っていうサービスが出てくるのが大事だな〜と思っていて、それがメタバースなんだろ〜な〜と。

もぎたての果実の〜 い〜ところ〜
そういう事に〜してお〜けば
これから〜先も〜 い〜かんじ
それで〜は〜 さよ〜な〜ら〜 (By Puffy)

(先にタイトルとオチを書いちゃって、"もぎたての果実"から"悪魔の実"ネタでも入れようと思ってワンピースを多用したのですが、結局悪魔の実には触れずに終りました〜😭😭)

2021.10.29 Hiroki Koike