VRゲーム市場は今どうなったのか?3つのプラットフォームの展望を考える
VIVE、Oculus、PSVRなどのVR機器が発売され、VR元年と言われた2016年から6年が経過しました。2022年現在、主流となっているのは以下の3つのプラットフォームです。
Quest(Meta)
PC(Steam)
PSVR(SIE)
それぞれのプラットフォームの規模や、ゲームの発売状況などを踏まえて、VRゲームの今と展望について考えます。
VRを体験したいけど、VRゲームのプラットフォームがどうなっているかわからない!という人にも役立つと嬉しいです。
圧倒的なシェアを誇るQuest
プラットフォームでは最後発ながら、最大の市場に成長したのがMeta社のQuestです。PCやゲーム機を必要としないスタンドアローンの手軽さと、圧倒的な安さを武器に、Quest2は1,700万台以上を売り上げています。
圧倒的なシェアを背景に、3つのプラットフォームのなかでは最もゲームが売れやすいため、開発の軸足をQuestに移す企業が増えました。現在のVRゲームはQuestを含むマルチタイトルが主流になっています。
シェアが一番大きく、ハード、ソフトともに安定していて、比較的に安価なQuestは、はじめてVRを体験する人に適したプラットフォームです。HMDがPCとも接続ができるため将来の拡張性もグッド!です。
一方でスタンドアローンであるQuestは、他のVR機器と比べると性能が低く、美麗で豪華なVRゲームを体験することは難しいです。そのような体験を求める人の受け皿となっているのがPCです。
高性能でソフトが豊富なPC
PCはVRゲームを長らく牽引してきたプラットフォームです。そのため「Half-Life Alyx」のようなAAAゲームから、小規模開発のインディー作品まで、もっともゲームが豊富です。
高性能なハードを背景に、美麗で豪華なVRゲームを体験することもできます。また「VRChat」のようなメタバースも盛んであり、とても魅力のあるプラットフォームとなっています。
一方で先に掲載した人気ゲームのセールスからも見える通り、Questと比べると市場が小さいです。そのため、新しく出るゲームは小規模開発のゲームが中心で、大手メーカーのゲームはそうそう発売されません。
PCにはたくさんのゲームがあります。ただし、この先も新しい大作ゲームを遊んでいきたいと思っても、あまり期待できないのが実情です。
いったん終わったPSVR
PSVRは2016年に発売されてから2019年くらいまで活気があったプラットフォームです。他のプラットフォームと比べると、大手メーカーのゲームが多く発売されていて、オリジナルのゲームに強みがあります。
2020年のPS4からPS5への世代交代に伴い、残念ながらPSVRへのゲーム供給は数がグッと減ってしまいました。現在は、PS4とともに事実上いったん終了した旧世代機に位置づけられるものになっています。
2020年に公表されたPSVRの販売台数は500万台でした。VR機器としてはかなり売れたハードであり、多くのファンも生み出しました。しかし、大きな市場を作り上げるにはいたりませんでした。
このまま終わってしまえば、プレステの黒歴史として語り継がれてしまったかもしれません。しかし、来年2月にPSVR2が発売されることで新たな展開を迎えることになりました。諦めずにありがとうSIE社!
VRがもっと普及しますように
Questのプラットフォームが大きな市場を作って以後、VR機器の普及台数はかつてない規模になりました。おかげで、VRゲーム市場は大成功!・・・となってはいなさそうです。
市場が小さいPCVRではもちろんのこと、圧倒的なシェアを誇るQuestでさえも、潤沢にゲームが発売される状況にはなっていないからです。VRゲームが持続可能な市場として発展するためには、もっと普及が必要です。
来年にPSVR2が発売されることで、事実上一強となっている3つのプラットフォームにも変化が訪れることを期待しています。PSVR2が売れた分だけVR全体の市場は大きくなります。普及が進めばPSVR2とPCVRの高性能ならではのゲームも期待大です。
この先、何年も何十年もVRで遊んでいきたい。そのためにはVRにもっと普及してもらう必要があります。QuestでもPCでもPSVR2でも、少しでも興味があったら、ぜひ手に取ってもらえると嬉しいです!
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