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『ボリュメトリックビデオ』について(1)人をCG化する技術の基本情報


映像技術に関心がある人だけでなく、一般的にも少しずつ耳にする機会が増えたかもしれない『ボリュメトリックビデオ』『ボリュメトリックキャプチャ』という言葉。皆さんはご存知ですか?
日本で(というか世界でも)商用サービスとして盛り上がってきたのは2019年。
ARやVR、テレビ番組や映画でも使われる『ボリュメトリックビデオ』について、現場にいる私なりにいくつかテーマに分けて整理してみます。

『ボリュメトリックビデオ』 とは?

『ボリュメトリック(ビデオ)』=『体積のある(映像)』

『Volumetric Video』…直訳すれば『体積のある映像』です。
2D映像が『平面の映像素材』であることに対して、
ボリュメトリックビデオは3D『立体の映像素材』です

『ボリュメトリックビデオ』とは
『映像素材』そのものを指すニュアンスがあります。

ゲームで使われるような『CGのイス』など物体も、ピクサーなどのCG映画のキャラクター達も、皆『ボリュメトリックビデオ』とも言えますが
リアルな人間や動物などの現実にいる生き物をCG化した撮影とビデオ素材に関して言っている(気がします)

ちなみに、Tポーズの静止画(フォトグラメトリ)から立体CG化して、CGアニメーション用のボーンを入れて動かしているものは『ボリュメトリックビデオ』とは言わない感じがあります。

『ボリュメトリックキャプチャ』 とは?

『キャプチャー』は『捕獲する』や『静止画/動画として保存する』という意味。
ボリュメトリックビデオを生成する為の『撮影(システム)』のことを
まるっと表現する時に『ボリュメトリックキャプチャ』と言う感じ
ですね。

ボリュメトリックビデオは『動きも丸ごとCG化』できるからこんな企画がおすすめ

『ボリュメトリックビデオ』が向いている企画やシーン

その人じゃなきゃいけないCG素材(注1)
VRやARなど立体でありつづける「XR企画」
・自由視点や多視点の映像企画
・現実には存在しない世界観で見せるダイナミックなカメラワークのシーン
・カメラワークや背景が変わる可能性のあるシーン
・CG世界へ現実に存在する人間を合成する
・メタバースなどCG世界でのゲームなど

XRには『ボリュメトリックビデオ』の活用が効果的

VRやARなどXRの企画で、俳優やタレントを使う場合は『ボリュメトリックビデオ』はおすすめです
一般的な2Dグリーンバック撮影をした素材を(グリーン部分を消して)ARなどで使うこともできますが、
当然ですが、膨らみ、厚みがないので一方向からの見た目でしか成立しません。
自由視点や多視点の映像の醍醐味が失われます。

逆に言えば、SNSのエフェクトや『フォトフレーム』などはカメラを動かして見るものでもないのでグリーンバック2D映像が向いています。
画質についても企画によって向き不向きがあります。
企画にあわせて撮影方法を選ぶのが良いです。あたりまえの話ですみません。

平面素材をARなどに使うと横から見るとペラペラで膨らみがない

<(2)へつづく>

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