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Torを経由してSSH接続する方法を分かりやすく解説【Linux編】

本記事は、個別のお問い合わせが非常に多かったTor経由でSSHログインする方法のLinux編です。

Windows編は次の記事をご覧ください。

一般的にTorはHTTPやHTTPS通信をおこなう際に身元を隠して通信するために使われます。HTTPやHTTPSというのは、普段皆さんがWEBブラウザを使ってWEBサイトを見たり動画を見たりする通信です。

しかし、やり方を知っていればTor経由でSSH接続させることができます。

NordVPNをご存じの方であればOnion over VPNはTorを経由するのだから、NordVPNを使えば実現できるのではないか?そう思われるかも知れません。
しかし、NordVPNのOnion over VPNはHTTP/HTTPS通信しかTorを経由しません。そのため、Onion over VPNでSSH接続すると接続先の機器にはVPNサーバーから接続された記録が残ります。

詳しくは次の記事で解説しています。

ではどうすればTor経由でSSH接続できるのか?本記事では、その方法を詳しく解説します。


重要:本記事を読み進める上での注意事項

本記事はDebian系LinuxであるKali Linuxを使って解説しています。RedHat系のLinux(CentOSやRockyLinux、AlmaLinuxなど)についてはインストールコマンドなどを適宜読みかえて頂ければ問題ありません(aptコマンドをdnfコマンドに読みかえるなど)。

Macや*BSD(FreeBSDやOpenBSD、NetBSD)も同じくUnix系のOSなので本記事が参考になると思いますが、Kali Linux以外では動作確認していませんので、その点をご了承の上で読み進めてください。

Windows環境については以下の記事をご覧ください。

また、基本的なコマンド操作をおこなうスキルがあることを前提としています。具体的にはlsコマンドでファイル一覧を表示したりエディタでファイルを編集できる程度のスキルを想定しています。

【必ずご確認ください】
Tor経由でのSSH接続は非常に匿名性が高くなります。本記事はプライバシーの保護を目的とする方や技術的な興味を持っている方を対象としています。本記事の内容を悪用目的で実行することがないよう、お願い致します。

Tor経由でSSH接続するまでの流れ

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