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「WAA ReSCue 能登半島地震現地報告会」に参加してグラレコ制作しました

こんにちは、楽描人カエルンです。今回は、WAA ReSCue主催の能登半島地震現地報告会にオンラインで参加したことをお伝えしたいと思います。

WAA ReSCueとは

WAA ReSCueとは、「大規模災害発生時に活躍できる助けあう人・仕組みを創るプラットフォーム」です。Team WAAというコミュニティに所属する人たちが、災害時に行政や住民、地域のCSO、外部の支援人材などと連携して、ITリテラシーやHRリテラシー、プロジェクトマネジメントリテラシーなどを持つ支援人材として活動します。

WAA ReSCueは、今年の1月に関東大震災から100年という節目に合わせて始まりました。私は、Team WAAにはたびたび出席しているのですが、WAA ReSCueにはまだ登録していませんでした。しかし、能登半島地震のニュースを見て、何かできることはないかと思い、現地報告会に参加することにしました。

能登半島地震とは

能登半島地震とは、1月1日に石川県能登半島で発生したマグニチュード7.3の地震です。最大震度7を石川県志賀町で観測し、石川県内の死者は168人に上りました。地震による倒壊や土砂崩れ、断水や停電などの被害が広範囲におよび、多くの人々が避難生活を余儀なくされました。また、交通や通信の寸断も深刻で、救援や復旧の妨げになっています。

現地報告会の内容

現地報告会は、1月15日にオンラインで開催されました。WAA ReSCueのメンバーや、被災地の自治体やCSOの方々が、現地の被害状況や支援活動の様子をリアルタイムで伝えてくれました。


私は、オンラインで参加して、グラフィックレコーディングを作成しました。グラフィックレコーディングとは、絵や文字を使って、話の内容や流れを視覚的に表現する技法です。私は、A4の紙に8枚分のグラフィックレコーディングを作りました。以下に、その一部を紹介します。

グラレコ

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イベントの参加者(順不同)

  • 石川淳也:social good producer

  • 島田由香:株式会社YeeY共同創業者/代表取締役

  • 小川勝則:能登町ふるさと振興課担当課長兼地域戦略推進室長

  • 野村昌子:一般社団法人EpiNurse上席研究員、世田谷区の避難所運営委員会のアドバイザー

  • 目黒公郎:東京大学生産技術研究所教授

  • 灰谷貴光:能登町役場ふるさと振興課地域戦略推進室主幹、地方公務員アワード2020受賞者

  • 平野洋一郎:アステリア株式会社代表取締役社長/CEO

  • 沼田宗純:東京大学生産技術研究所准教授

他にも多くの方が参加されていましたが、ここでは10名の方の所属等をご紹介しました。

能登半島のいくつかの地域を「防災活動車」により巡った時の様子をレポート

  • 写真やビデオでその被害状況を振り返った

  • 道に大きな落石があったり、道路には段差が生じている

  • マンホールは飛び出ていたり、引っ込んでいたり

  • 建物も1F部分が潰れているケースもある

  • 避難生活の長期化が想定される

  • 被災地でのボランティア活動ではヘルメットの着用は必須

  • その他二次災害に備える

トイレトレーラー

  • トイレトレーラーが全国の自治体から供出され現在4台稼働中(1台準備中)

  • 400 Lの水を貯め1,500回分対応できるが、避難所には300~800名居るので1日で処理限界に達する

  • 問題は水であるが、給水車は飲用水と用途が決まっており転用できない

    • 給水車の水の利用は対策本部会議に上申したが行政組織間でたらい回しになった

    • 個別に相談しても拉致があかない

  • 井戸水を農業用ポンプで汲み上げ浄水してから使う工夫を行った

  • 今回の知見を活かして次の災害に活かしていく

  • スターリンクと組み合わせると便利(被災者からもありがたがられた)

    • 被災地の多くが携帯電話が不通でありモバイル通話やインターネット接続等ができていない

    • ある避難所も通信が普通だったが、IT企業の1社がスターリンクを供出

    • トイレトレーラーの屋根には太陽電池パネルがあり、その電力を使ってスターリンク基地局を運用

    • 当該避難所にネット接続をもたらし、被災者にありがたがられた

    • この組み合わせは有用なので、今後は当たり前にしたい

イカしてるエスケープ(広域避難)

  • もともとの気候風土もあり被災地は寒い

  • 能登半島という土地柄で交通遮断が起こりやすい(離島と考えた方が良い状況とも言える)

  • 関東大震災では被災地の200万人中70万人が広域避難できた

    • 理由は東京、少し前は江戸であり、参勤交代があり地方との血縁などが多少なりともある

    • 関東大震災時はおじいちゃん/おばあちゃんの家ということで血縁が多少残っていた

  • 災害関連死の拡大の怖れ

    • 熊本県の震災の際には、地震による直接死は約50名。一方災害関連死はその5倍に及んだ

    • 今回の能登半島地震では、300名近い直接死があったと想定されている。つまり1,500名の災害関連死が発生する可能性がある

      • 専門家の見立てでは寒さや物資流通の不便さなどもありさらに増えるという予測もある

    • これらを避けるには広域避難が望ましい

      • とはいえ現地被災者からすると広域避難後の孤独などを不安がっている

      • 広域避難後に心を病むケースもあるためそのケアも必要

ボランティアセンター開設に伴う支援(能登市)

  • 今後ボランティアを受け入れることになり、その準備や実際にボランティアがうまく働けるように情報統制が必要になります。WAA ReSCueではこのサポートを行う予定です

  • ボランティアセンターでは、ボランティアの受け入れや派遣、安全管理や保険加入、救援物資の受け渡しや配布などの業務を行います

  • ボランティアセンターの運営には、ITツールやビジュアル・ファシリテーションなどの技術を活用できるかもしれませんね(感想)

物資の最適流通のための支援(ニーズ調査、調達、輸送、現地での配布、等)

  • 現在も行われていますが現地では混乱も見られています

  • リモートで情報統制を行うサポートを行う予定です

  • WAA ReSCueのメンバーは、現地の自治体やCSO、被災者や支援者と連携して、救援物資のニーズや在庫を調査し、必要な物資を調達します

  • また、物資の輸送や現地での配布にも協力します

  • これらの支援には、ITツールやビジュアル・ファシリテーションなどの技術を活用します。これにより、物資の最適な流通を実現できます

その他

  • 災害のフェーズに沿った支援が必要

    • 災害救助法の積極的な活用

      • みなし避難所の指定ができれば適用になる

      • 基本は現物支給

    • 被災地・避難先で考慮すべきこと

      • 安全・衛生面の配慮がある

      • 収容人数にみあった広さや救援物資や情報の流通が容易であること

      • 十分な医療サポートがうけられること

      • 高齢者、障害者、乳幼児など要配慮者に対してとくに配慮した対応ができること

    • 復興時期には現地の事業者を活用する

      • 大事なのは必要以上の支援を行わないこと

      • 無料の物資供給、散髪、マッサージなどがあるとわざわざお金を払って地元の事業者のサービスを活用しなくなる

      • 現物支給からお金による支援に切り替えるなど復興フェーズにあった支援にする

      • 仮設住宅建設等は、地元建設業者が受注すればその地域の経済復興の一助になる

    • 高齢者や子どもには役割を与える

      • 大事なのは必要以上の支援を行わないこと

      • 被災以前の活動量や人的交流の量にはやく戻してあげる

      • 支援しすぎると運動不足や人的交流が不足するため、健康悪化や痴呆・ボケが加速することもある

      • 子どもについては心的ケアを早めに行う

  • 現地では対立が増えている

    • 現地では環境が過酷なこともあり人間関係があまりよくない

    • 意見が合わない、対立しているケースも見かけられる

その他のトピック

現地報告会では、他にも以下のようなトピックが話されました。

  • 災害のフェーズに沿った支援が必要であること

  • 災害救助法の積極的な活用が必要であること

  • 被災地・避難先で考慮すべきこと

  • 復興時期には現地の事業者を活用すること

  • 高齢者や子どもには役割を与えること

  • 現地では対立が増えていること

これらのトピックについては、動画で共有されるようですのでそちらを参考にしてください。

最後に(ビジュアル・ファシリテーションが役に立つ)

現地報告会に参加して、能登半島地震の被害状況や支援活動の様子を知ることができました。WAA ReSCueのメンバーや、被災地の自治体やCSOの方々の取り組みには、とても感動しました。私は、現地には行っていませんが、オンラインで何かできることはないかと考えています。

私は、ビジュアル・ファシリテーションを学ぶことが、WAA ReSCueのような非被災地からのリモート支援で有用だと思っています。ビジュアル・ファシリテーションとは、絵や文字を使って、情報の伝達や理解を助けたり、感情や思考を表現したりする技術です。平時には、ビジュアル・ファシリテーションを当たり前にしておくことで、コミュニケーションや協働のスキルを高めることができます。有事には、ビジュアル・ファシリテーションを用いて、被災者の災害関連死の撲滅やウェルビーイングの向上に役立てることができます。

私は、ビジュアル・ファシリテーション入門講座をデザインして講師をしています。この講座では、ビジュアル・ファシリテーションの基礎や応用、実践のコツなどを学ぶことができます。私は、この講座を通して、ビジュアル・ファシリテーションの楽しさや効果を伝えています。ビジュアル・ファシリテーションに興味がある方は、ぜひこの講座に参加してみてください。2月から第2期が開講予定です。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。能登半島地震の被災者の方々には、一日も早い復興をお祈りしています。また、WAA ReSCueの関係者や参加者や、被災地の自治体の方々には、感謝と敬意を表します。私も、できることを探して、支援に参加したいと思います。🙏

参考文献

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