世の中の景色が一変

がんが判明してから1ヶ月が経ちました。入院中は窓の外の街の様子をぼーっと眺めたり、自宅静養中は近隣を散歩(8000歩がリハビリの目標)したりとゆったり過ごしています。仕事の方は化学療法の副作用が出ているので当面お休みです。考えてみれば、いつ何をすると言うスケジュールからほぼ解放された生活は物心がついて以来初めてかもしれません。これが本当のヴァカンスかもしれません。

目に映る人々の様子を見ているうちに、人々は蟻の群と何ら変わらないと思うようになりました。そして私もその群の中の一匹なのだと。良い学校に入り、良い職業に就き、良い収入を得、良い伴侶を得、良い子供を育て、良い業績を残し、良い余生を送り・・と尽きることのない目標とそのための努力を長らく続けてきた訳ですが、結局、自分は蟻と同じなのです。勿論これまでの人生が間違っていたとは思いませんが「かくあらねば」と言う呪縛に囚われ過ぎていたようです。生きていること自体がありがたいのであり、それ以上の意味を人生に求めてはいけないのだと気付きました。何やら清々しい気分です。

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