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卒業制作

卒業制作の賞レースが発表される1週間前、
このアプリを入れた。
前から知ってはいたが、友人の作品に添えられた文章を読んで自分も文字でアウトプットしようと思った。
それから3ヶ月ほど。そろそろ眠ってた下書きを完成させても良いと思った。

結局、金銀銅ではないがみんなにおめでとうと言ってもらえる賞をいただいた。先生の前で号泣。複雑な気持ちだった。もちろん半分くらいは嬉しくてホッとしたのもあるかもしれない。でも悔しくて、素直に喜ぶことができなかった。

賞をとった友人は物量も完成度も群を抜いてた。もっと頑張れば、と思った。対して、“賞確定だろ”と思っていた子が取らなかった。賞に媚びず、自分の考えや作風を貫いていたように思う。中途半端な自分が嫌になった。


苦しかった。この一言に尽きる今回の卒業制作。
その時の考えを文章にしてみる。


卒業制作の題名は花鳥風月。
誰でも聞いたことはあるであろう四字熟語を選んだ。

https://www.weblio.jp/content/花鳥風月#google_vignette


ブランディングや社会問題をテーマにしてもよかったけど自分のしたいことじゃないとうまくいかないこの性格のおかげで自分の2年間の変化をテーマにした。

媒体はグラフィックポスター4枚、展示の背景に貼る壁紙と合わせて4枚が1枚の作品になる仕組みだ。

第1に花。
視覚的変化を題材にして制作した。
モチーフに彼岸花を選んだ。
家の近くの河原に彼岸花が咲いていた。お彼岸を過ぎた10月でも美しく咲いていた。でもやはり花なので本格的に冬に入る頃には枯れてしまった。
毎回ではないが、バイト終わり少しだけ遠回りして覗きに行っていた。卒業制作が始まった時期からこの花も一生懸命生きていたと考えると吸い込まれてしまいそうになった。もちろん、花は満開の時が美しさはピークだが咲く前のワクワクから枯れてしまった寂しさの流れまでのそれぞれが花の美しさだと感じた。

第2に鳥。
環境の変化を題材にして制作した。
モチーフはヤタガラス。
ビジュアルは白を基調としてるので真反対でわかる人はいないだろう。神の使いとして言い伝えられているヤタガラスは迷い人を正しい道に導いてくれる役割を持っている。進学などで幾つか環境が変わっているがその度に刺激を受けながら歳を重ねているように思う。
まだ20年しか生きてないからこれからさらに紆余曲折あると思うが正しいと思える道に歩めるように未来の自分に込めた想いだ。実際、この鳥が1番苦戦した。未来を見つめて、したことのないツールを使って作った。

第3に風。
行動の変化を題材にして制作した。
モチーフは煙。
スピリチュアル的な話になるが占星術では風の時代になるらしい。母がそう話していたのを片隅に覚えていた。
あまり詳しくは知らないが、行動的になるそうだ。
その通りだと思う。色んなところへ足を運ぶことが多くなった。大学を機に地元から出た友人に会いに色んな県へ飛んだ。途中で1人で喫茶店やギャラリーへ行った。店員さんとお話したりポストカードを買ったりアクティブになった。無計画で行くのも悪くない。煙のようにゆらゆらふわふわ入ったお店での出会いに刺激を受けた。

最後に月。
喜怒哀楽の起伏を題材にして制作した。
月ウサギ伝説がモチーフ。

https://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/otsukimi/tsukiusagi/

美しく輝く月もこんなにも苦しくて美しい話があるんだと胸が苦しくなった。卒業制作がなかなか進まない当時の自分がこれを知った時苦しく、締め付けられるような感覚だった。喜怒哀楽の起伏が激しい私は良くも悪くも人に寄り添い、浸かってしまう。それでも誰かと繋がってその人の為になりたいと思う自分の気持ちを大切にしようとこの作品を作るにあたって思えるようになった。

この4枚で花鳥風月の完成。
今の自分の変化を表現した。


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