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広告投資プランニングの面白さ

はじめまして、VOSTOK NINEです。
私たちは「広告(6媒体)投資プランニング」に特化した会社です。
少しずつ、私たちの仕事に関することを知っていただければと思います。


I. 広告投資プランニング(メディアプランニング)という仕事のご紹介

そもそも広告とは何か?
皆さんは毎日どんなインターネットサイトを見ていますか?Yahoo!Newsを始め各種ニュースサイト、SNS、日常の興味を満足させてくれるものがインターネット上には溢れています。ちなみに私が最も好きなサイトはWikipediaです。最近の検索履歴は「在原業平」「ペニシリン」「マリオ」「金印」「ジョージ・マロリー」「剣岳」…と続いていて、自分の興味の移り変わりを見るだけでもとても面白いです。そんな中、面白い検索履歴を見つけたので改めて読んでみました。

広告(こうこく、英: advertising)は、不特定多数の人々を対象に、商品、サービス、アイデアなどの存在、特徴、有意性を知らせ、対象の行動を変更させることを目的として、広告主が料金を支払って行うコミュニケーションである[2]。広告は広告媒体を通じて行われる。

広告には、企業の広告目的の遂行以外に、消費者または利用者の満足化、新しいモノや考え方・アイデアとの出会い、さらには社会的・経済的福祉の増大化などの機能がある。多くの人々の価値観に影響を与え、長期に社会的文化的な影響を与える場合もあることから、様々な規制(自主規制を含む)を受けている。

(出典)記事名:「広告」 / ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典

広告の仕事を20年程やっていて、今更ながらに「そもそも広告ってなんじゃろか?」と調べていた自分に軽い戦慄を覚えますが、改めて読むと端的に良くまとめられた文章だなと思います。
この文章の中で語られる多くの単語や形容詞の中で私達の会社が担う役割は1単語に凝縮されています。それは「知らせ」の部分。広告だから知らせるのは当たり前!だとは私も思いますが、やってみるとそれが案外難しく複雑で、だからこそ面白い。今日はその面白さを少しでもお伝え出来ればと思っています。言い忘れましたが私達の仕事は広告の中でも「知らせる」手法や設計を行う事に特化した広告投資プランナー(メディアプランナー)という仕事です。

広告投資プランナーの役割

広告は多くの場合、何かしらの商業的な目的をもって、それを可能な限り効率的に達成する事を求められます。達成に向けて6媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・交通・インターネット)と呼ばれる複数の媒体を組み合わせて露出計画を組み立てる事がメディアプランナーの仕事です。かつて土曜夜8時にテレビの前に全員集合していた時代、コントの間にテレビCMを流す事でまたたく間に日本の半分(厳密にはテレビ保有世帯の半数)にテレビCMを届ける事が出来ました。もし令和の今、土曜の夜だけで50%へのリーチしようとするとクレーム覚悟(一定層へのフリークエンシー(=接触回数)爆増加しますので少なからずクレームは入るでしょう)でテレビSPOT広告に短期集中投資する事も一つの手ではありますが、一般的にはテレビやらデジタルのあれこれを消費者の接触傾向、関心に合わせて組み合わせながら、更にはクレームに繋がる過剰なフリークエンシーを避けつつ上手くリーチを広げていくことになるでしょう。私のWikipedia履歴を見るだけでも人の興味はダイナミックに変化していくのが分かります。当然の事ながら消費者の関心やメディア接触も複雑になり続けるでしょうから、これからもより一層組み合わせ方は複雑になっていきます。結局のところ我々の仕事はクリアしてもすぐにより複雑な次のステージが登場するパズルゲームのようなものであり、多分テトリスやソリティアが好きな人は大いにハマる要素がある仕事なんじゃないかな、と思います。

II. メディアランドスケープの変化とプランニング手法の変化

メディアランドスケープの変化

今も多くの人がテレビを見ますが、ほんの10年前まで今よりもっと多くの人がテレビを見ていました。しかし2018年頃からその状況は一変しテレビよりインターネット上でコンテンツを楽しむ傾向がどんどん強くなっています。

(出典)総務省情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

デジタルにおいても10年前には無かったCTV(Netflix等のコネクティッドTV)が多くの視聴者を集め、SNSはTiktokが急成長中です。いつもギュウギュウだった山手線はコロナ禍で乗降客数が激減し、渋谷のスクランブル交差点からは人が消えました。そんな変化に合わせて適切な広告面もダイナミックに変化しますし、我々は常に広告面の組み合わせの最適解を探し続ける必要があります。AIが勝手に街を歩いて空気を感じ、友達と話して社会の風潮変化を捉えながら都度最適解を出してくれるようになるにはまだ時間がかかりそうなので、当面はまだまだ人間が考え続ける必要がありそうです。

広告投資プランニング手法の変化

広告投資プランニングの土台は統計的なシミュレーションです(少なくとも私達のアプローチはそう)。消費者の各媒体への接触傾向から必要な予算や結果を推計します。ただ統計的なアプローチには弱点があってそれは直接・間接的な広告効果を検証する為に結構な規模で毎回調査を行う必要がありお金も時間もかかってしまう事です。それを解決すべく15年程前から消費者やデバイスをIDデータベースとして保持しログベースで広告効果を検証する手法が流行っていますが、個人情報保護の機運の高まりと共に再び統計的な手法によるプランニングに回帰してきていると感じます。ただこの10年以上のテクノロジーの進化は凄まじく、お金や時間のかかる調査は最小限に「計算により何となく各媒体の直接・間接広告効果を知る(※)」事が出来るようになってきていたりもします。このように案外アカデミックな探究心も満たしてくれるのが我々の仕事です。

※我々は間接効果を簡単に推計する手法としてMMMを採用していますが、この辺りの仕組みも別記事でご紹介させて頂きます。

III. 広告投資プランニングの面白さ

そういった変化を楽しむといった面白さもありますが、私は下記の4つが広告投資プランニングをやっていて特に面白いなと思った点です。

・定性的な気付きに対して深掘る楽しさ
例えば”最近良く見聞きするなぁ”と思った何かしらの商品があるとします。なんでかしら?そう興味を持ったら我々プランナーは該当商品の出稿量を推測する事から始めます。そこで推定出稿量を調べてみたらそこまで多い金額は投資していない様子、それなのになぜ覚えているのでしょう。 キャンペーン設計が面白く、クリエイティブアイデアも最高にクールで、ターゲット選定も適切であった(今回であれば関心を持つであろう私が含まれる属性を見事に選定した)といった"いかにも広告らしい設計"が素晴らしかったというのは当然の事ながら、メディア視点でも考えられる要素は沢山あり、メジャーなものだけでも適切なチャネル選定(= Media Mix)、週別やチャネル別の投資パターン(= Flight / Investment)、戦略(Media strategy)、季節性(Seasonality)、社会環境への理解(Social condition)…などの多くの要素がこの広告設計には隠されているのです。その中でも特に結果に貢献した要素は一体何なのか?どの要素を重視していくべきなのか?そういった事をあらゆるデータや情報から推定していく作業は何だか社会の裏側を見ているようでとても楽しいと思います。

・成果が可視化されやすい = 成功も失敗も分かりやすい
粒度は異なりますが、私達が担当するPaid Media領域は比較的結果の可視化が容易です。テレビの視聴率、ラジオの聴取率、デジタル広告のインプレッションやクリック、様々なアクチュアルデータが手に入る環境にあるからです。「メディアプランが成功であったか、失敗であったか」が誰の目にも分かりやすく数字でズバッと評価されるので、言葉にするのが苦手な陰キャ理系出身の私にはとても合った仕事だと思っています。

・正解が無い楽しさ
広告全般に言える事ですが、メディアプランにも正解は無いと思っています。確かに統計的に「最もリーチ(や認知)を獲得する為の最適な投資バランスはこうです」といった事は計算出来ます。ただ残念ながら1つとして同じキャンペーンは無いのが広告です。過去のノーム値を元にした計算結果には今回の新しいキャンペーンのクールなアイデアや風潮の変化、メディアへの意識環境の変化など定性的な要素は考慮されていません。これらを考慮出来ていないプランは片手落ちでしかなく、やはり計算だけでなく「感性」も大いに活かしてプランニングしていく必要があるのです。実際、私はそういった感性が無いのでイケてる感性を持っているプランナーをいつも尊敬の眼差しで見ています。数字で導ける定量的な側面、社会を正確に見抜き風潮を読む定性的な側面、その両方をバランス良く持っている事がメディアプランナーに必要な資質だと思います。(ちなみに私は自分に欠けた定性的なセンスを副社長に担ってもらう事で解決しました。彼は文系でオシャレです。こういった裏技的な解決方法もあります。)

・ブランドや製品の魅力を皆で引き出す楽しさ
広告のプランニング領域の仕事は主要なものだけでも市場分析から始まり、ブランド分析、コミュニケーション戦略、メッセージ戦略、クリエイティブ戦略、バイイング戦略、そして我々がやっている広告投資プランニングと多岐に渡ります。結果的にそういった各領域の専門家と喧々諤々の議論を重ねながら一つの広告キャンペーンを作り上げる事になります。広告プランナー皆がそれぞれ得意領域を持っていて、当然コダワリも強い訳ですから普通に考えて議論はすぐには終わりません。そもそもそういった有識者はクセ強な皆様が多いので何ならちょいちょい喧嘩腰になったりもします。そういった暑苦しさをストレスに感じる人も多いかもしれませんが、私はこういった”皆で作ってる感”が好きです。文化祭本番も楽しみだけど皆で準備をしている時間はもっと好き、というタイプには最適な仕事なんじゃないかなと思います。

IV. VOSTOK NINEのご紹介

広告投資プランニングに特化した会社を立ち上げた理由

これまでにお伝えしてきたように、広告メディア環境は社会環境だけでなくSNSの出現、広告信頼性の低下…そういった様々な要因で常に変化し続けます。変化が早ければ早い程、同時に短期間に凄まじい量の過去の経験が積み上がっていく事を意味します。積み上がった経験は大きな力にもありますが、同時に積み上がった経験が広告投資プランニングの幅を押し固めてしまう、即ちプランニングの弾力性を損なう危険性もはらんでいると考えます。 どういった事かと言うと、繰り返しになりますが広告投資プランニングの基本は過去の実績に基づいた統計的なアプローチがベースとなります。極論を言うとそういった基本的な作業のみでプランニングを完了してしまう事も可能です。新しい事にチャレンジするリスクをあれこれシュミレートするのは未知の領域であるが故に当然多くの時間がかかるし、実績から手堅く算出されたプランを出して仕事が完了するなら「そっちの方がタイパ良い」とも言えます。 ただ私はそのスタンスが良いか悪いかは別として、どうしても一つ一つのプランにとことんまで拘りたかったし、それを遠慮なく24時間考える事が出来る環境を欲していました。それがVOSTOK NINEです。そう聞くと「超絶ブラック」な会社アピールにしかなっていませんが、VOSTOK NINEは「各プランナーが今とことん考えられるだけの仕事しか会社として受けない(出来ない)」という姿勢を貫いています。そんな頭お花畑な考えで大丈夫なのか?会社経営はそんなに甘くない!実際の会社経営は大丈夫じゃないんでしょ?と思われるかもしれません。おっしゃる通り実際のところ全然大丈夫じゃないんですが、それでも一つ一つのプランを好きなだけ考え誠実に取り組み、それがクライアントのコミュニケーションの一部として世に出て多くの消費者の共感を勝ち取る、そういった事をクライアントや仲間と一緒に自由にやれている今の環境がとても好きです。そんな考えを共にする仲間が今のVOSTOK NINEを形作っています。


株式会社VOSTOK NINE
VOSTOK NINEは2023年現在、国内で唯一(※)の「広告(6媒体)メディアプランニング」に特化した会社です。所属する全員が一定(目安10年以上)の経験を持ったメディアプランナーのみ、という一風変わった組織です。広告が社会にとってより役に立つ存在になる未来を目指し2022年1月にメディアプランナーである三宅と江口の2名で立ち上げました。詳細はこちら
※VOSTOK NINE調べ

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