Ex-5:拡張ルール:追加の祓魔術

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1:キャラクター作成ルール
2:コアルール
3:成長ルール

この記事は、「タクティカル祓魔師TRPG」の拡張ルールについて記載したものです。

このTRPGのルールは、フィリップ・N・モーゼズ氏がメインルールデザイナーを務め、ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズによって提供された「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」を採用しています。
「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」の著作権は、メインルールデザイナーであるフィリップ・N・モーゼズ氏と、ダイハードテイルズ・ゲームズが有しています。

はじめに
本項では、「1:キャラクター作成ルール」に収録された基本の6つの祓魔術に、更に多くの「祓魔術」を追加するためのルール・データを掲載する。
基礎となる祓魔術に対し、より複雑・ピーキーなデータが追加されており、ある程度基本のゲーム進行に慣れたプレイヤーの使用を想定している。
ゲームマスターは本記事に掲載のルール・データの使用を制限しても良い。


Ex-5-1:追加の祓魔術について

本記事は、「1:キャラクター作成ルール」に収録済である【加護防壁】【反閇歩法】【霊力放出】【霊弾発射】【呪祝詛詞】【式神使役】の6種の祓魔術に加え、新たに祓魔術そのものを追加する

ある術では自身の加護を使って近接祭具や支給装備の一部を象り、ある術では自身の身体を"穢れ"で覆うことで界異に近い戦い方を可能とする。また、味方を強化する術や判定の出目に干渉する術、他者の祓魔術をコピーする術など、基本ルールの範疇にある術と比べると複雑・ピーキーなデータに仕上がっている。

Ex-5-2:追加の祓魔術の仕様

本記事にて新たに追加される祓魔術とその拡張用スキルは、全て「1:キャラクター作成ルール」「2:コアルール」「3:成長ルール」にて規定されている「祓魔術の修得・成長」「拡張スキルの修得」のルールを適用する。

Ex-5-3:追加祓魔術

【術】の値が1以上のキャラクターは、ランダムで1種類の"祓魔術"を選んで会得する。なお、【術】が2だと2種、3だと3種という意味ではなく、スタート時点で持てる"祓魔術"はあくまで最大1種のみである。
 "祓魔術"を持っていることが決まった場合、1d6をロールし下記の表に従って決定すること。

 なお、ゲームマスターの許可があれば会得する術の種類を自由に決定しても良い。

 祓魔術に関するテキストにおいては、簡略化のために祓魔術を指して「術」、祓魔術の行使者を指して「術者」と呼ぶことがある。

出目:会得する祓魔術
1:加護造形
2:異装纏怪
3:術絡祈祷
4:後々先々
5:式素複製
6:六三目蓮

1:加護造形かごぞうけい
 加護の力で、祭具や支給装備を形作り、具現化する祓魔術。
 消耗が激しく、各種道具の取り扱いにも精通する必要のある難しい術。

 術者はこの術を修得した時、「支給装備」と「攻性祭具」の中から「【術】値+2」に等しい種類のアイテムを選択した「造形リスト」を制作する。「造形リスト」は【術】の成長時、または余暇1スロットを費やして内容を書き換えることができる。
 ただし、攻性祭具は「基本近接祭具」「基本遠隔祭具」に限定され、支給装備は必要【予算】5のものに限定される。

 術者は自身の手番中、【霊力】2点を支払い、『難易度:NORMAL』で発動判定を行う。この術は、1ターンに1度しか使用することができない。
 発動に成功した場合、術者はリストから1つのアイテムを選び、即座にそのアイテムを入手する。

 術によって作成されたアイテムは、術者の【術】値に等しいターン後の術者の手番を迎えるまで術者が保持し続けることができ、その後ゲームから失われる。

2:異装纏怪いそうてんかい
  特異体質や縁起の力を借り、穢れを生み出し武具として纏う祓魔術。
  術者の霊体を界異に近づける技であり、負担の大きい危険な術。

 
術者はこの術を修得した時、下記の「相」から1つを選んで修得する。
 「相」は攻性祭具と術者のステータス強化の組み合わせから構成される。

 術者は自分の手番に一度だけ、この術を使用できる。
 術者は『難易度:NORMAL』で発動判定を行う。
 発動に成功した場合、術者は【霊力】を1点支払って術の効果を得るか、【霊力】を支払わずに術の効果を終了させられる。
 術者は術の効果が終了するまでの間、「諸相」の効果を得る。更に「諸相」によって定められた攻性祭具による攻撃判定を、【霊】の値を参照して行うことができる(戦闘スタイルによって能力値を参照する追加ダメージが発生する場合、そちらも【霊】に置換する)。

 術の効果は最大で、術者の【術】値に等しいターン後の術者の手番を迎えるまで持続する。
 手番開始時に術の効果を得ている場合、術者は【霊力】1点を失う。
 
◆異装纏怪・諸相◆
【異装纏怪・爪】:術者は【小型近接祭具】2つを装備した状態になり、【小型近接祭具】を使用した攻撃判定のダイス総数が2個増える

【異装纏怪・翼】:術者は【中型遠隔祭具】1つを装備した状態になり、【機動力】に+2の修正を得る

【異装纏怪・尾】:術者は【攻撃用注連鋼縄】を装備した状態になり、回避ダイス総数に+2の修正を得る

3:術絡祈祷じゅつらくきとう
 自身の加護を他者に纏わせ、身体や感知能力を向上させる祓魔術。
 加護を強化に用いる点で、反閇歩法と類似した式法に分類される術。

 
術者は自分の手番にこの術を使用できる。
 術者は【霊力】を1点支払い、『難易度:NORMAL』で発動判定を行う。

 発動に成功した場合、術者は「術者を中心とした3*3マス」に存在するキャラクターを好きな数だけ選び、術の効果が切れるまでの間、下記いずれかの効果を付与する(効果を参照)。
 術の効果は、術者の【術】値に等しいターン後の術者の手番を迎えるまで持続する。ただし、同じ効果は累積しない。

◆術絡祈祷・効果◆
①対象の攻撃判定のダイス総数を+2する
②対象の【装甲】を+2する
③対象の回避ダイス総数を+2する

4:後々先々あとのさき
 加護を消費することで、ごく短時間の未来予知を可能とする祓魔術。
 特殊な体質や血統などへの依存度が大きく、未知の領分の多い術。

 
術者は自分の手番にこの術を使用できる。 
 術者は【霊力】を1点支払い、『難易度:NORMAL』で発動判定を行う。
 発動に成功した場合、術者は下記のいずれかの効果を1つ、GMと他のプレイヤーに対して伏せた状態で選ぶ(カードや隠したダイスを使うと良い)。

 伏せた効果は、術者の【術】値に等しいターン後の術者の手番を迎えるまで保持することができ、任意の対象が判定を行った後に公開して効果を適用することができる。効果を適用した後、その効果は終了する。
 保持している複数の効果を、1つの判定結果に対して使用しても良い。
 【術】値が2以上であっても、同じ効果を複数保持することはできない。

◆後々先々・効果◆
壱:対象の判定ダイスのうち、任意の出目1つを「1」にする
弐:対象の判定ダイスのうち、任意の出目1つを「4」にする
参:対象の判定ダイスのうち、任意の出目1つを+1するか-1する
肆:対象の判定ダイスのうち、4以上の出目1つを「6」にする
伍:対象のダメージ決定ダイスのうち、最も低い出目1つを「3」にする
陸:対象のダメージ決定ダイス全ての出目を逆さにする

5:式素複製しきそふくせい
 他者の式法を、自分の中に擬似再現する特異体質のような祓魔術。

 極めて不安定だが、複数の式法を身に宿すことが可能な術。

 この術を修得しているキャラクターは、「隣接する座標にいるキャラクター」または「移動経路にいた/隣接するように移動経路を辿った」キャラクターの修得している祓魔術を、自身の手番中に「自身の【術】値-1(最低1)」の値として発動することができる(以下、"複製"と呼ぶ)。

 上記ルールによって複製・保持できる祓魔術の数に制限はない。
 複製した他者の祓魔術は、複製した手番から術者が【術】値に等しいターン後の手番を迎えるまで保持できる。
 ただし、1ターン中に複数の術を発動することはできない。

 【加護防壁】や【式神使役】【加護造形】のように、オブジェクトやユニット、アイテム等を作成する機能を持つ祓魔術を複製した場合、術者が術の保持限界を迎えたタイミングで、作成したものがゲームから取り除かれる。
 【加護造形】を複製した場合、複製元のアイテムリストを受け継ぐ。

6:六三目連ろくじゅうさんもくれん
  自身の加護を賭けて博打を行い、利幅で自身を強化する祓魔術。
  純粋な"運"に身を任せる制約の元、時に爆発的な効果を生み出す術。

 
術者は自分の手番に、一度だけこの術を使用できる。
 自身の【術】値までの任意の点数の【霊力】を消費し、3d6を振って出目に応じて「役」と【払い戻し】を決定する(後述の表を参照)。

 【払い戻し】が決定された後、その【払い戻し】を消費して自身の【霊力】を可能な限り回復させること。
 回復後に【払い戻し】が残っている場合、「手番終了時まで、直後に行う1回目の近接攻撃または遠隔攻撃が成功した時、追加で残り【払い戻し】に等しい霊的ダメージを与える」効果を得る(=連続攻撃を行っていても、初回の1回のみ有効)。
 
 3d6を振って「目なし」であった場合、追加でもう一度だけ3d6を振ることができる。

◆六三目連・役表◆
ピンゾロ:出目が全て【1】
【払い戻し】:消費した【霊力】の5倍

アラシ:出目が全て同じ(【1】を除く)
【払い戻し】:消費した【霊力】の3倍

シゴロ:出目が【4,5,6】
【払い戻し】:消費した【霊力】の2倍

目あり:出目のうち2つが同じ
【払い戻し】:消費した【霊力】+1点

目なし:他の役に該当しない
【払い戻し】:なし

ヒフミ:出目が【1,2,3】
【払い戻し】:なし 更に消費した【霊力】に等しい【霊力】を追加で失う

Ex-5-4:追加祓魔術の拡張スキル

以下のスキルは、特定の祓魔術の効果を拡張、強化するための効果を持つ。
通常の特技と同じように、修得数の上限の制約を受ける。

【加護造形・拡】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【加護造形】
→通常の術より、更に高度な物を造形する拡張術。
 複雑な機構を持つ発展的祭具や装備を作り出せるようになる。

このスキルを修得しているキャラクターは、必要【予算】が10の支給装備や発展攻性祭具を「造形リスト」に追加できるようになる。

【加護造形・鏡】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【加護造形】
自身が触れている物を、即座にもう一つ複製する拡張術。
 専門的な制約を重ねることで可能となる、1つを2つにする技術。

このスキルを修得しているキャラクターは、祓魔術を行使する際に「造形リスト」からではなく、
「①自身が所持している攻性祭具」
「②自身が所持している支給装備」
「③自身に隣接しているキャラクターが所持している攻性祭具」
「④自身に隣接しているキャラクターが所持している支給装備」
のいずれかからアイテムを選び、複製することができる。

【異装纏怪・怪相】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【異装纏怪】
→自身の纏う穢れを強化し、強力な攻撃能力を身につける拡張術。
 その姿はより界異に近づき、荒々しい戦闘を可能にする。

このスキルを修得しているキャラクターは、修得している「諸相」に応じて下記の強化を受ける。

爪:術者は術の効果中、前提を無視して【二刀流】のスキルを修得し、更に【小型近接祭具】を【中型近接祭具】に変更することができる

翼:術者は術の効果中、前提を無視して【シャープシューター】のスキルを修得し、更に【中型遠隔祭具】を【大型遠隔祭具】に変更することができる

尾:術者は術の効果中、前提を無視して【踏み込み】のスキルを修得し、更に【攻撃用注連鋼縄】を【攻撃用注連鋼縄・大】に変更することができる

【異装纏怪・鵺相】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【異装纏怪】
→複数の「諸相」を修得し、同時に発現させる拡張術。
 状況対応力を高める反面、乱用すれば加護の枯渇を招く。

このスキルを修得しているキャラクターは、一度の手番中に最大3種類の「諸相」を選び、術の効果を同時に受けることができる。複数の「諸相」を選択した場合、発動時・継続時の霊力コストは累積する。

【術絡祈祷・癒】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【術絡祈祷】
→出力する加護を使用し、味方の物理的損傷を治療する拡張術。
 医霊部門が扱う式法儀術の源流であり、所有者の少ない貴重な技。

このスキルを修得しているキャラクターは、術の発動時に通常の効果ではなく「即座に対象の【体力】を2点回復させる」効果を選択できる。

【術絡祈祷・律】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【術絡祈祷】
→加護を与え、霊的ダメージをカットする状態を対象に付与する拡張術。
 霊的要素の絡む戦闘において有効に働き、味方の生還率を上げる。

 このスキルを修得しているキャラクターは、術の発動時に通常の効果ではなく「術の効果中、対象が受ける霊的ダメージを2点軽減する」効果を選択することができる。

【後々先々・長】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【後々先々】
→より長いスパンで予知を行い、自身の行動精度を高める拡張術。
 複雑な事象にも十分な対応が可能だが、術者に要求される技量も大きい。

 このスキルを修得しているキャラクターは、術の発動にあたって同じ効果を、同時に複数保持しておくことができる。
 また、「術者の【術】+2」に等しい値のターン数まで、術の効果を保持できるようになる。

【後々先々・短】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【後々先々】
→「2秒先」を、数十秒間にわたって予知し続ける拡張術。
 攻撃が当たるのを確認してから攻撃を実行できる、因果逆転儀術。

 このスキルを修得しているキャラクターは、術の発動時に通常の効果ではなく下記の効果を得ることを選んでも良い。
 この効果を得るためには、術の発動時に必要な【霊力】の他、追加で1点の【霊力】を必要とする。
 この効果は、術者が次のターンの自分の手番を迎えるまで持続する。

 術の効果中に術者が攻撃を行う際、攻撃判定を2回行う。
 判定後、術者は2つの結果のうち望む方を、判定結果として採用する。
 攻撃対象は同様に、宣言したダイス数による回避判定を2回行う。
 判定後、術者は2つの結果のうち望む方を、判定結果として採用する。

 術の効果中に術者が回避判定を行う場合、術者は宣言したダイス数による回避判定を2回行う。
 判定後、術者は2つの結果のうち望む方を、判定結果として採用する。

【式素複製・並列】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【式素複製】
→複製した他者の祓魔術を、同時に起動させることのできる拡張術。
 負担は大きいが、複数の術の恩恵を同時に受けられる強力な術。

 このスキルを修得しているキャラクターは、【式素複製】によって複製した祓魔術を、1ターン中に好きな数使用することができる。
 ただし、同一の祓魔術は1ターンに1度しか使用することはできない。

【式素複製・録式】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【式素複製】
→複製した他者の祓魔術の保持時間を伸ばす拡張術。
 戦闘中の移動制約を緩和し、柔軟で意表を突く立ち回りを可能にする。

 このスキルを修得しているキャラクターは、【式素複製】によって複製した術の保持時間が【術】値+2に等しいターン数に延長される。

【六三目連・倍押】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【六三目連】
→賭けの勝ち分を更に賭け、即座にもう一勝負を行う拡張術。
 瞬間的な加護の増減量を爆発的に変動させ、術の出力を高める。

 このスキルを修得しているキャラクターが1点以上の【払い戻し】を受けた際、【払い戻し】で得た分を即座に「消費した【霊力】」とみなし、追加で術を行使しても良い。
 術者は【術】値に等しい値(最大3)までの回数、追加の術を行うことができる。

【六三目連・開帳】
必要【予算】:10
前提祓魔術:【六三目連】
→自身の張った結界を「賭場」に見立て、博打勝負を強制する拡張術。
 賭場では一対一の勝負が行われ、負けた方は賭け分を奪われる。

 このスキルを修得しているキャラクターは、術の発動時に通常の効果ではなく下記の効果を得ることを選んでも良い。
 この効果を選んだ場合、術の行使は「攻撃の代わりに行う」ものとなる。

 術者が自分の設置した結界の外郭に触れているか結界内にいる時、同じ結界内にいる「回避種別:あり」のキャラクターを対象として発動することができる。
 術者と対象は、術者の【術】値に等しい値の【霊力】(対象が界異の場合は【強度】)を消費して、互いに3d6を振る。
 より高い【払い戻し】を受けられる結果を出した方を勝者とし、どちらかが勝者に決まるまで、互いに1回ずつ3d6を振る。

 勝者は敗者の【霊力】または【強度】に対し、【払い戻し】に等しい値の霊的ダメージを与える。
 その後、勝者は【霊力】または【強度】を勝負が始まる前の状態に戻す。


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