ソードワールド2.5リプレイ 《大地の見張り》キャンペーン 第五話「大裂穴の町、ヒスイドラ防衛戦」前編

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絵:影山とらこさん(背景:のっち)

はじめに

この記事はこの記事は2022/5/1に行われた「ソードワールド2.5(グループSNEのTRPG)」のセッションログを再編集したリプレイです。
読みやすくするため、実際のセッションログを少しだけ脚色したり、発言順序を整理したりしています。

本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の、二次創作です。
(C)GroupSNE
(C)KADOKAWA

0. これまでのあらすじ

ドーデン地方、《キングスレイ鉄鋼共和国》第二都市《ヒスダリア》にある冒険者ギルド《大地の見張り》亭に所属する冒険者であるPC達。

2週間ほど前、第一都市《キングスフォール》で開催されたキングスレイ冒険者ギルド合同会議。
そこでは謎めいた魔剣の出処についての会議が行われたというが、議事は非公開扱いであり一介の冒険者には何が話し合われたのか知る由もない。

二刀流の剣士ヴァルト、力自慢の戦士ノア、斥候射手のエンデ、鉄道神王に仕える神官モニカの4人が知ったのは、自分たちが冒険者ギルド《空の麓》に協力し、《元ヒスドゥール大裂穴》に住む蛮族との戦いに参加することになった……という方針だけだった。

◆GMのメモ◆
メンバーの交代について

スケジュールの都合により、プレイヤーの一人カンリさん(PC:ノーレ)が卓から抜け、代わりに新メンバーを迎えることになった。

1. 冒険者ギルド《空の麓》亭

GM:◆描写◆
第一都市《キングスフォール》にて開かれたキングスレイ鉄鋼共和国合同ギルド会議から二週間後。
冒険者ギルド支部《大地の見張り》亭に所属する冒険者であるヴァルト、ノア、モニカ、エンデ……そして新しくギルドに所属することになったヨルズの5人はいつもの支部を離れ《空の麓》亭を訪れていた。

《空の麓》亭は第二都市《ヒスダリア》から馬車で半日ほど移動した先の街、《ヒスイドラ》に設置された支部である。
少し前に新設された鉄道路により、二つの街は現在一時間程度で行き来できるようになっている。
以前は所属する冒険者もごく僅かであり目立った依頼も無かったが、ここ半年で大きく勢いを伸ばしており第二都市周辺の有力支部と認識されていた。

先日開催された合同ギルド会議の主旨や議題について、《大地の見張り》の支部長であるシタンはPC達に詳しく話そうとしない。
「詳しい事情は割愛するけど、暫くの間は《空の麓》の依頼も受けてもらうことになったからよろしくね」と彼はいつもの調子で語るのみであった。

かくして、PC達はいつものギルドを離れ《空の麓》亭の会議室の椅子に座っている。

GM:新メンバーってことで今まで何度かギルドで顔を合わせていたかもしれないが……改めてヨルズさんに自己紹介を頼もうかな。
ヨルズ:承知です!

ヨルズ:「《空の麓》の支部長はまだ来ていないようだな。良い機会だから、改めて自己紹介をしておこう」*おもむろに立ち上がる
ヨルズ:「ヨルズ・ヴァイマンだ。よろしく頼む」*深々と礼

220424 ヨルズ

絵:のっち

PC:ヨルズ・ヴァイマン/女性/19歳
PL:カツオ
種族:ティエンス
技能:ソーサラーLv5/フェンサーLv4/セージLv3

戦闘特技:武器習熟A/ウォーハンマー、魔法拡大/数、マルチアクション
装備:ウッドペッカー(戦槌)、バックラー(盾)ソフトレザー(革鎧)

概要
神性生物、アストレイドと人間の融合によって生まれた種族“ティエンス”の女性。魔法使いであり、同時に戦槌を振るって前線で戦う軽戦士でもある。

恵まれた生命力と精神力によって安定した立ち回りを得意としており、多数の目標を魔法で攻撃したり魔法と近接攻撃の連携を繰り出したりと多彩な戦い方を可能としている。

エンデ:「真面目だねぇ、ヨルズおねーさん」

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絵:シロクニさん

PC:エンデ/女性/14歳
PL:シロクニ
種族:人間
技能:シューターLv5/フェアリーテイマーLv4/スカウトLv3

戦闘特技:ターゲッティング、鷹の目、魔法拡大/数
装備:ロングボウ(弓)、ハードレザー(革鎧)

概要
素早い身のこなしと弓の腕、そして妖精魔法を武器とする森育ちの少女。
遮蔽の先の獲物を見つけ出す視力を持ち、斥候としての実力は随一。

様々な妖精魔法を使用する他、種々の矢を備えており状況に合わせて使い分ける。火力支援から味方のサポートまで射程を活かして戦うことができる万能型の射手。

ノア:「改めてよろしく、ヨルズ」*手を差し出す

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絵:影山とらこさん

PC:ノア・ロードバーグ/男性/37歳
PL:おもち
種族:人間
技能:ファイターLv5/スカウトLv3/エンハンサーLv2/セージLv1

戦闘特技:全力攻撃、なぎ払い、頑強
装備:グレートソード(両手剣)、スプリントアーマー(金属鎧)

概要
大型の剣を得物に戦う人間の戦士。元鍛冶師として鍛え上げた肉体で縦横に剣を振り回し、多数を薙ぎ払う型や力強く一撃を叩き込む型を使い分ける。
身体の頑健さも大きな武器であり、決して倒れず前線で戦う頼れる男。

冷静で思慮深い性格から、パーティの引率者的な立ち位置にある。

ヴァルト:「俺はヴァルトだ。で、お前は何ができるんだ?」*腕組み

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絵:滑朗さん

PC:ヴァルトルーデ・レーリヒ/男性/19歳
PL:滑郎
種族:リカント(オオカミ)
技能:フェンサーLv5/エンハンサーLv3/スカウトLv3/アルケミストLv2

戦闘特技:両手利き、武器習熟A/ソード、二刀流
装備:双子刀カストルポルクス、ソフトレザー(革鎧)

概要
無愛想な狼のリカント。かつて迫害されていた村の出身であるため、身分を誤魔化すために女性用の服を着ている。
俊敏な身のこなしと二刀流の剣技を武器としており、単体に集中攻撃を仕掛けた時の瞬間ダメージはパーティ随一。

首都キングスフォールに赴いた際、古武具屋にて二刀一対の魔剣「双子刀カストルポルクス」を購入した(GM作成のオリジナル魔剣)。

モニカ:「ちょ、ちょっとヴァルトさん!」
モニカ:「もう少し言い方があるんじゃ……」

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絵:影山とらこさん

PC:モニカ・フェルトマン/女性/24歳
PL:影山とらこ
種族:人間
技能:プリーストLv5/ライダーLv3/セージLv3

戦闘特技:魔法拡大/数、ワードブレイク、MP軽減/プリースト
装備:聖印(神聖魔法発動体)、防弾加工のスプリントアーマー(金属鎧)

概要
“鉄道神王”ストラスフォードに仕える神官。
戦闘では神聖魔法で味方を援護すると同時に、魔動機を操縦する騎手として戦場を駆け前線にも参加する。
真面目で思慮深い一方、周囲の人物の言動や行動を“モニメモ”と称して記録する癖がある。

前話で首都キングスフォールに赴いた際、魔動機兵「ヴィントシュトレ」を起動させることに成功。自身の乗機として運用している。

ヴァルト:「戦えないやつに背中は預けられないだろ」
モニカ:「そりゃそうですけど……」
ノア:「すまない、ヨルズ。気を悪くしないでくれ」
ノア:「ヴァルトは自分にも他人にも厳しい。君の実力を見られる機会があれば、認識を改めるだろう」
ヨルズ:「ふむ……なるほど」

ヨルズ:「私は真語魔法を軸に、近接戦闘もある程度修めている。この戦槌で戦いつつ、魔法で支援や攻撃を行う」
ヴァルト:「いわゆる魔法剣士ってわけか。……ウォーハンマーで?」
ヨルズ:「刺突と打撃を使い分けられるし、それなりに破壊力もある。魔法と合わせて色々と都合が良い」

ヴァルト:「そこまで言うなら信用しといてやる」
ヴァルト:「因みに俺は密偵だ。剣を使うのと……錬金術も少し齧ってる」

モニカ:「器用なんですね、ヨルズさんは」
ノア:「あぁ。冒険者で戦槌使いは中々珍しいね」
ヨルズ:「冒険者だった父の戦い方を参考にした。我流だが……実戦では問題あるまい」

モニカ:「そういえば私も自己紹介がまだでした」
モニカ:「自分はモニカ・フェルトマン。鉄道神王ストラスフォードに仕える神官であります」*右手を差し出す
エンデ:「あたしはエンデ! 弓使いのエンデだよ。よろしくね」*手をひらひら
ヨルズ:「あぁ、二人ともよろしく頼む」*再度礼

ヨルズ:「それと……気になっていたんだが」
ヨルズ:「ヴァルト、君は何故スカートを……?」
ヴァルト:「……!」
ノア:「ヨルズ、そこにはあまり触れないでやってくれ。色々事情があるみたいだから」*小声で
ヨルズ:「む。……承知した。すまない、ヴァルト。今のは無しで頼む」
エンデ:「ヴァルトおねーさん、スカートでもかっこいいよ?」*首を傾げ

ヴァルト:「ま、ヨルズの実力は実戦で確かめさせて欲しいところだな。《空の麓》のマスターがどんな仕事を振ってくるのかわかんねーけどよ」

GM:ナイスアシストですね。ここで会議室のドアが開きます。

GM:◆描写◆
会議室の扉が開き、小柄な女性が入ってきた。
ローブを羽織り、帽子を目深に被ったその女性は会議室に揃ったPC達を一瞥すると、自らも椅子に掛け脚を組む。

00 ジムレド

絵:シロクニさん

◆NPC解説◆
“智を編む者”ジムレド=オールスリーヴ/ドワーフ/女性/200歳(?)
冒険者ギルド《空の麓》亭の支部長。ちっちゃい。
魔動機文明時代の魔動機兵について豊富な見識を持つ魔動機研究者。
遺跡から発掘された遺物の鑑定や復古を担当することもあり、冒険者というより学者然とした言動が多い。

ジムレド:「よく来たね、《大地の見張り》亭の諸君」
ジムレド:「アタシはここ《空の麓》の責任者、ジムレドさ」
ジムレド:「シタンのやつから多少は聞いているかもしれないが、アンタ達には《元ヒスドゥール大裂穴》に蔓延る蛮族どもの動向を探ってもらう」

◆GMのメモ◆
【元ヒスドゥール大裂穴】

キングスレイ鉄鋼共和国、第二都市《ヒスダリア》の北にある亀裂を指す。
《大破局》の際、同地域にあった山脈である《ヒスドゥール連峰》が浮き上がる天変地異が発生したとされ、その時大地には深い亀裂が残された。

南北に延びる亀裂は平均して幅約60km、長さ約180km、深さ2.4km程。
多くは蛮族の支配領域であり、人族領域境界では膠着状態が続いている。

モニカ:「動向調査……ですか」*姿勢を正す
ヴァルト:「それは《空の麓》亭からの依頼になるのか?」
ジムレド:「そう考えてくれて構わない。厳密に言えばキングスレイ冒険者ギルド統括部からの依頼だがね」

◆GMのメモ◆
【キングスレイ冒険者ギルド統括部】

第一都市《キングスフォール》、第二都市《ヒスダリア》、第三都市《グランティン》をはじめとする、《キングスレイ鉄鋼共和国》に属する都市に籍を置く冒険者ギルドを統括管理する組織。

鉄鋼共和国の代議院に所属する“鉄の代議”が15名ほどに加え、元老院に所属する“鋼の元老”1名によって運営されている。
代議の方はある程度冒険者に顔の効く者達から構成され、時折選挙によってその顔ぶれを変えている一方、元老は創設以来同じ人物が務めている。

エンデ:「統括部?」
ノア:「冒険者ギルド統括部……鉄鋼共和国内部の冒険者ギルドを取りまとめている組織だったかな」
ヨルズ:「ドーデン冒険者連盟の下部組織だな。とはいえ、規模としては相当のものになるわけだが……」
エンデ:「ふんふん? それってつまり、大事な依頼ってことだね?」
モニカ:「重大任務、ですね」

ノア:「……2週間前に開催された、キングスレイ冒険者ギルド合同会議での内容が関係しているのかな? まぁ、なんにしても断る理由はないが」
ジムレド:「鋭いね。ま、概ねそういうことさ」
ジムレド:「先の会議の結果、うちの冒険者達が遠征に出ることになっちまったからね。《元ヒスドゥール大裂穴》の蛮族達の動向を探り、必要があれば応戦する冒険者が必要になっちまったのさ」

ジムレド:「アンタ達なら、実力実績ともに申し分ないと判断した」
ジムレド:「さて、ここまでで何か質問はあるかい?」

モニカ:「では、ひとつ」*手を挙げる
ジムレド:「」*促す
モニカ:「お話を伺う限り、調査は以前から行われていたようですが――」
モニカ:「これまで異常の認められた例はあるのでしょうか?」

ジムレド:「いや、ここ数十年の間、やつらに目立った動きはない」
ジムレド:「貴重な鉱物資源や薬草の群生地など、《元ヒスドゥール大裂穴》の要所は蛮族に抑えられてきた」
ジムレド:「人族が動ける領域にあるのはなんの旨みもない痩せた土地だけさね」
ジムレド:「だから、奴らも積極的に領土を拡大しようとはしていない」
ノア:「良くも悪くも、均衡状態と言うことか」
ジムレド:「その通り。奴らから見れば、わざわざ攻める理由もないのさ」
モニカ:「なるほど……」
エンデ:「」*静かに耳を傾けている

ジムレド:「しかし、だ」
モニカ:「?」
ジムレド:「蛮族どもの考えていることや背景事情がこちらに伝わってこない以上、常に戦線は監視しておく必要がある」
ジムレド:「故に、このギルドは定期的に動向調査を行っているわけさ」
モニカ:「監視の目を緩めるわけにはいかない。道理です」
ヴァルト:「ち、大物と戦いたかったんだけどな」
ノア:「こういうのも大切な仕事だよ。戦わないなら、それに越したこともないが……」

ジムレド:「さて、そこで仕事の話に移るわけだが」
ジムレド:「アンタ達には《元ヒスドゥール大裂穴》内を北上し、蛮族どもが現在どの程度まで活発に動いているかを調査してきてもらうよ」
ヴァルト:「偵察か。まかせろ」
ヨルズ:「調査……いつもは護衛任務が多かったから楽しみだ」

◆依頼内容◆

・依頼人はキングスレイ冒険者ギルド統括部
・依頼内容は《元ヒスドゥール大裂穴》における蛮族達の動向調査と進軍の妨害
・報酬は最低1500G 調査によって得られた情報と合わせ、査定したのち上乗せする

・調査に使用できるのは2日間
・《元ヒスドゥール大裂穴》緩衝地帯に赴き、蛮族の動向調査を行うこと
・状況によっては現地での戦闘も想定される

ノア:「わかった。本格的に仕事をするには初めての土地だから、事前に情報はしっかり調べておこう」
エンデ:「地形とか色々見ておきたいし……妖精さんに会えたら良いなぁ」
ノア:「いるとしたら、土属性の妖精かな?」
エンデ:「良い風が吹く土地だし、風属性の妖精さんもいるかも」

GM:PC達が依頼を承諾したらチャプター移行でございます。
GM:翌日早朝、PC達は大裂穴へと出発しますよ~!

2. 大裂穴、緩衝地帯へ

GM:◆描写◆
《元ヒスドゥール大裂穴》は、《大破局》に伴う天変地異によって生まれた地形である。
かつて《ヒスドゥール連峰》と呼ばれていた山峰は《大破局》の折に大地から引き剥がされ浮遊連峰と化した。その際、大地に刻まれた深い亀裂が《元ヒスドゥール大裂穴》である。
その底は雨風による侵食作用で平野地形となっている場所もあれば、幅の殆どない峡谷状地形となっている場所もあるようだ。

GM:◆描写◆
PC達は《元ヒスドゥール大裂穴》の中を進み、人族と蛮族の領域の境界である緩衝地帯を目指す。
人族領域は切り立った大裂穴の断崖に採掘用の坑道が設けられており、希少なマナタイトや鉱物資源の採掘が行われていた。

《元ヒスドゥール大裂穴》には人族と蛮族、双方の支配領域が重なり合っているエリアがある。
概ね大裂穴の南端から約20km程度が人族の領域であり、そこから約10km進むと北方には蛮族領域が広がっている。
二つの支配領域の間、大裂穴南端から20km~30kmの範囲が緩衝地帯であり、人族と蛮族が睨み合いと小競り合いを続けていた。

PC達は馬と魔動バイクを走らせ、南端から20km以北の緩衝地帯へと向かっていく。

GM:◆描写◆
PC達が緩衝地帯の南端(大裂穴20km地点)に到着すると、時刻は昼過ぎになっていた。
徒歩で移動すれば一日がかりの道程を半日と少しで踏破できたのは、やはり馬や魔動バイクのおかげだろう。

《空の麓》亭は設立当初から《元ヒスドゥール大裂穴》内の蛮族達の侵攻に備えることが目的であったという。
それ故に大裂穴の内部、緩衝地帯の北端には同ギルドが建造した「見張り塔」があるとのことだった。
現在PC達は大裂穴内の蛮族達の攻勢を観察する斥候として見張り塔を目指している。

200623 背景3

絵:のっち

GM:◆描写◆
しかし、現在の緩衝地帯は既に均衡が失われて久しいようだ。
緩衝地帯南端から先に5km程進むと、あちらこちらに蛮族達の野営地が見受けられる。
木材と獣革で作られたテントが数箇所に張られ、頂点の開口部からは煙が上がっていた。

蛮族達は日の光を避け、テントで休んでいる様子だった。

◆GMのメモ◆
【簡易式のテント】

長さ3m程の木材5~8本程度を円錐状に束ね、上から獣革を被せたもの。
居住性は悪いが組立が容易であり、妖魔の集団が野営に用いる。
通常なら森や廃墟を使う妖魔がこうした道具を使用している場合、より上位の蛮族の指揮による行軍である可能性が高い。

ノア:*岩陰に隠れながら様子を伺おう
エンデ:*同じく 注意深くテントを観察します

GM:緩衝地帯にこれほどまでの数の妖魔が堂々と野営地を築いている……というのは珍しいですね。《空の麓》亭の支部長、ジムレドからの話ではこういったことは過去殆ど起きていないはずです。

エンデ:「……侵攻の準備を整えてるのかな」
モニカ:「我々が雇われたのは正解だった、ということでしょうか」
ノア:「聞いてた話と随分違うな。ギリギリ偵察が間に合ったようだが」
ヨルズ:「この規模の妖魔が一斉に進軍を始めたら……我々だけでは流石に手に余るな」
ヴァルト:「先に頭を落とせれば、こいつらが動くのを止められるか……?」

ノア:「ともかく、急いで報告が必要かもしれないな」
エンデ:「……大破局の続きでもするつもりなのかな」*低い声で
ヨルズ:「緩衝地帯中程でこれなら……“見張り塔”のある北端はどうなっているんだ?」
ヴァルト:「確かめる必要があるな。俺はこのまま前に進むべきだと思う」
ノア:「そうだな。見張り塔までは向かおうか……状態確認しなければ」
モニカ:「作戦続行、ですね」*周囲の状況を書き記しながら

GM:それでは先に進む際の処理を! 2つのルートを選ぶことができます

◆処理◆
緩衝地帯北端の見張り塔を目指すにあたり、東西のルートを選択すること。

大裂穴東側のルート
→枯れ木や低木が多く、身を隠す場所が多い。先に相手の姿を見つけられれば先手を取りやすい。

大裂穴西側のルート
→岩場や断崖が多く、身を隠す場所に乏しい。その分、巡回する敵も少ないと考えられる。

エンデ:GM、選択するルートによってかかる時間に違いはありますか?
GM:良い質問ですね! 東側の方が時間がかかります
GM:が、所要時間によって後の展開が変わる……ということは無いと思ってもらって良いです
GM:変わってくるのは、見張り塔に到達するまでの間の展開ですね
ノア:なるほど……処理の記載通り、巡回しているであろう敵との遭遇の仕方に違いが出るわけか

ノア:「私は時間が惜しい。少々リスクがあるが、西側の岩山を通っての進軍を提案する」
ヴァルト:「俺もノアの意見に賛成だ」
ヨルズ:「こういったケースの経験に乏しいが……皆が急ぐなら私もそちらに一票入れよう」
モニカ:「私もノアさん、ヴァルトさんに賛成です。人数的にも、隠れ場所の有無は大きな差にならないと考えます」
エンデ:「ちょっと怖いけど……あたしもそれが良いと思う!」
モニカ:「決まりですね!」
ノア:「よし、西側から最短ルートで行こうか」*地図を畳む

GM:OK~! それでは大裂穴西側ルートで参りましょう

3. 大裂穴、西側

GM:◆描写◆
大裂穴の西側は地質の関係で植物が殆ど生えておらず、赤茶けた断崖と石灰岩の岩場が広がっている。
PC達は馬と魔動バイクを走らせ、切り立った崖を走っていく。時には大きな岩を足場にし、大胆なショートカットを図った。
東側のルートを通るより速く「見張り塔」につくことができる、《元ヒスドゥール大裂穴》で活動する冒険者達の間で語られる知恵だ。

ノア:そういえば馬を借りているんだったな
エンデ:慣れない騎乗は疲れちゃいそう
ヴァルト:俺だけ自分の脚で並走しても良いか?
GM:NARUT○走り……ってこと!?

GM:岸壁や岩山を駆け抜けていくPC達
スカウトの皆様は異常感知判定をお願いします 難易度は13

ヴァルト:2d6+4+3 //スカウト観察判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+4+3) → 5[4,1]+4+3 → 12
失敗……

ノア:2d6+3+2 //スカウト観察判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+3+2) → 6[2,4]+3+2 → 11
失敗……

エンデ:2d6+3+3 //スカウト観察判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+3+3) → 4[3,1]+3+3 → 10 
失敗……

ヴァルト:くぅん……
ノア:知力ボーナス2なのが痛いな……
エンデ:変転しようかな
GM:ふむ? ナシではないですが、そこまで致命的な判定でもないですよ
エンデ:危ないルート通ってる自覚あるし、これ以上見過ごすのは怖いので
GM:OK! ではエンデさんの出目をひっくり返して成功!

GM:馬上のエンデは何かが動いているのに気付き、合図して皆を止める
GM:馬を降りて岩山から静かに下の様子を伺うと、巡回部隊と思われるボルグの一団が周囲を警戒していた

220330 ボルグ2

絵:のっち

エンデ:危ない危ない
ヴァルト:気付いてなかったら不意打ちされてた可能性あるな
ノア:いきなりの遭遇戦で先制ペナルティとかね
モニカ:斥候大事ですね
ヨルズ:怖~……

エンデ:「……下にフサフサの蛮族が居るみたい。何体かいるよ」*覗き込むようにジェスチャー
ノア:「ボルグ族か。見つかる前で良かった。お手柄だぞエンデ」*撫でる
エンデ:「お手柄~!」*ドヤ
モニカ:「ここに屯しているということは、巡回でしょうか? この先に何かがあるのかも」

ヴァルト:「始末しておくか?」
ノア:「できるなら無視したいが……ヴァルトの意見にも一理ある」
ヨルズ:「その意図は?」
ヴァルト:「この辺はゴツゴツした岩山だが、身を隠す場所には乏しい。このまま進んだら下の連中に見つかって、仲間を呼ばれかねん」
ノア:「そういうことだ」
モニカ:「今なら忍び寄って奇襲もできそうですしね」
ヴァルト:「俺とノア、ヨルズで接近する。エンデとモニカは援護を頼むぞ」*言い終わったら獣化しよう
モニカ:「わかりました。念のため、ヴィントシュトレを展開します」

モニカ:乗ってきた魔動バイクを魔動機兵へと変形させます。

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絵:影山とらこさん

◆GMのメモ◆
【魔動乗機・ヴィントシュトレ】

GMの作成したオリジナルデータである騎獣。分類は魔動機。
本キャンペーン第四話にてモニカが起動に成功した魔動機文明時代の遺産で、鉄道神王ストラスフォードの盟友が設計・制作したとされる。

自律稼働ができず、機種が背に乗って操縦する必要がある。
反面、マナによる障壁を展開し、騎手に向かってきた攻撃を機体が引き受けることが可能。これに騎乗することで、モニカは前線で戦うことができる。

モニカ:「ヴィントシュトレ、戦闘形態……!」
モニカ:「主の忘れ形見、正しく使ってみせます」
ノア:「おぉ、もう使いこなせてるのか」
モニカ:「整備は苦手ですけど、乗り熟す方なら得意なもので」*ウィンク

GM:OK! では……どの程度相手に接近するかですね
GM:先の異常感知でPC達が失敗したままだったら10m程度の距離での遭遇戦にするつもりだったが……どれくらい近づきたい?
ヴァルト:ヨルズが制限移動で乱戦エリアに入れるのが理想だな
ヨルズ:マルチアクションで魔法と近接が使えるとダメージ効率良いから
ノア:ヴァルトの意見に賛成 可能なら5mまで近づきたい
GM:OK! ではPC最前列から5mの位置にボルグ達を配置しましょう
GM:PC最前列~PC最後列は7mの範囲としておこうか
モニカ:承知です!

GM:それでは……戦闘開始!
GM:まずは戦闘準備から
GM:使用する武器を宣言、戦闘準備段階で何か使用する効果がある人はそちらも宣言お願いします
ノア:グレートソードを構えます
エンデ:ロングボウを構えます。他は何もなし!
ヴァルト:カストルポルクスの双子刀を装備
モニカ:ヴィントシュトレに騎乗!
ヴァルト:MP温存
ヨルズ:ウッドペッカー

◆GMのメモ◆
【オリジナル武器データ】

上述した魔動乗機ヴィントシュトレに加え、幾つかGMの作成したオリジナルデータを本キャンペーンでは解禁している。
以下、PC達が現在装備しているオリジナルデータを記す。

・双子刀カストルポルクス
ヴァルトの装備している魔剣。首都キングスフォールにて購入した。
《黒のカストル》と《白のポルックス》から構成される、二刀一対の剣。
《黒》の剣による攻撃を命中させると、そのラウンド間《白》の剣による攻撃が命中しやすくなる。
逆に《白》の剣による攻撃を命中させると、そのラウンド間《黒》の剣による攻撃を命中させた時のダメージが上昇する。
《両手利き》《二刀流》の修得を前提とし、二つの剣をどの順番で繰り出すかによって効果を使い分ける剣となっている。

・ウッドペッカー
ヨルズの装備しているウォーハンマー。
こちらはルールブック掲載のウォーハンマーの種類が乏しいことから追加。
鋭い刺突部と堅実な打撃部を有する全金属製のベーシックな戦槌であり、現在のヨルズが振るえる槌の中では最も重量がある。

GM:それでは魔物知識判定。9/14 10/15 で判定をどうぞ!

◆GMのメモ◆

魔物知識判定は割愛する。
敵は比較的軽装で大剣を獲物とする「ボルグハイランダー」と大盾と重鉈で武装した「ボルグヘビーアーム」2体ずつから構成される巡回部隊である。
ヨルズとモニカが出目に恵まれ、両方の弱点を抜くことができた。

モニカ:「あれは……戦士階級のハイランダーですね」
ヨルズ:「大盾を持っているのは重装歩兵のヘビーアームだな」
ノア:「ふむ……魔法で援護するようなのはいないか」
ヴァルト:『脳筋連中だな。やりやすい』*がうがう
エンデ:「ヴァルトさんが切り込むと動時に援護するね!」

GM:それでは……先制判定! 目標値は11

ヴァルト:2d6+4+3 //スカウト運動判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+4+3) → 8[5,3]+4+3 → 15
成功!

エンデ:2d6+3+3 //先制判定
SwordWorld2.5 : (2D6+3+3) → 3[1,2]+3+3 → 9
失敗……

ノア:2d6+3+2 //スカウト運動判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+3+2) → 11[5,6]+3+2 → 16
成功!

ヴァルト:はやっ
ノア:うーん、ここでより後でこの出目が欲しかったな

ノア:「連中に先を渡すわけにはいかない、多少足場が悪くてもいい、素早く展開するんだ」
ヴァルト:『任せとけ……っ!』*駆け出す!

GM:エンデの発見したボルグの巡回部隊に対し、抜刀したヴァルトが斬りかかる! 突然の強襲に混乱したボルグ達の隙を突き、大剣を構えたノアが反対側から攻め込んだ!
GM:第一ラウンド、開始!

モニカ:初手いただきます!
モニカ:【セイクリッド・ウェポン】を拡大……自分以外の3人と乗機のヴィントシュトレに適用!

モニカ:2d6+5+3 //神聖魔法 行使判定
SwordWorld2.5 : (2D6+5+3) → 7[5,2]+5+3 → 15→成功!

モニカ:MP軽減/プリーストの効果で消費MPは8点です
エンデ:命中&ダメージのバフをばらまいて消費8点はえらい
ノア:拡大して打つのが主体になるバッファーはMP軽減ないと厳しいですからねぇ
モニカ:ありがた……!

モニカ:「鉄道神王の加護は健在です! みなさん、お願いします!」
エンデ:「ありがとうモニカさん!」
ヨルズ:「これが神官の祈りによる加護……頼もしいな!」
ノア:「一気にいくぞ!」
ヴァルト:『俺に続けぇ!』

ヴァルト:バフも貰ったところで切り込むぜ!
ヴァルト:通常移動で接敵!
GM:移動妨害は無しで行こう。岩山から飛び降りて強襲した、ってことで
ヴァルト:補助動作で練技【ヴォーパルウェポン】と練技【マッスルベアー】を起動! 種族特徴と合わせて攻撃の固定値は+6だ!
GM:武器習熟とかもあるから一撃一撃が重いぞ!

ヴァルト:主動作、まず《白のポルックス》でボルグヘビーアームを攻撃!

ヴァルト:2d6+5+3+-0 //命中力判定
SwordWorld2.5 : (2D6+5+3+0) → 9[4,5]+5+3+0 → 17→HIT!

GM:ボルグヘビーアームの回避固定値は12……! 命中だ!

ヴァルト:k15@9+5+3+1+2+2+1+2 //ダメージ@双子刀
SwordWorld2.5 : KeyNo.15c[9]+16 → 2D:[6,5 5,6 2,3]=11,11,5 → 7,7,3+16
2回転 → 33

GM:えっ……!?
モニカ:うひょ~!!
ヴァルト:いいダメージだ!
ノア:死んだんじゃないの~?
GM:まだ死んじゃいませんよ! ヘビーアームの残りHPは……9点!
エンデ:もう一撃耐えられなさそう

ヴァルト:今度は《黒のカストル》で攻撃! 白の効果で、当たればダメージが2点追加だぜ!
GM:殺意~!

ヴァルト:2d6+5+3+-0 //命中力判定
SwordWorld2.5 : (2D6+5+3+0) → 10[5,5]+5+3+0 → 18→HIT!
 
ヴァルト:k15@9+5+3+1+2+2+1+2+2 //ダメージ@双子刀
SwordWorld2.5 : KeyNo.15c[9]+18 → 2D:[3,6 4,1]=9,5 → 5,3+18 → 1回転 → 26

GM:わわっ!! 防護点自慢で軽戦士泣かせのヘビーアームが!
エンデ:一回転しましたねぇ……
ノア:固定値と手数の暴力だな

ヴァルト:*飛びかかり白の剣で脚を斬りつける! 相手が姿勢を崩したところに合わせ、身体を一回転させて黒の剣で首を撥ねる!

ヴァルト:『まずは一体!』*咆哮!
ノア:「やるな、一段と磨きがかかったか?」
モニカ:「これで連中は報告より応戦を優先せざるを得ない……完璧です」
ノア:「ヴァルトが斬ってちょうど3体か。この剣の間合いだな」*構える

ノア:手番もらいます。補助動作で【マッスルベアー】【キャッツアイ】を起動! 通常移動で接敵して残る3体に薙ぎ払い!

ノア:2d6+5+3+2-0 //命中力判定
SwordWorld2.5 : (2D6+5+3+2-0) → 8[6,2]+5+3+2-0 → 18 →HIT!

GM:ヒット! 3体分のダメージをどうぞ!

ノア:3 k34@10+5+4+5-0 //グレートソード用ダメージロール
SwordWorld2.5 : KeyNo.34c[10]+14 → 2D:[1,1]=2 → ** → 自動的失敗
SwordWorld2.5 : KeyNo.34c[10]+14 → 2D:[3,6]=9 → 10+14 → 24 
SwordWorld2.5 : KeyNo.34c[10]+14 → 2D:[2,5]=7 → 8+14 → 22 

ノア:あ
ヨルズ:あ
エンデ:ああ
モニカ:ぐあ~!
ノア:こんなこともあるさ!

GM:ヘビーアームには当たらなかった感じですね……OK!
  弱点も加えてハイランダーの残りHPは7点、9点

ノア:「ぬんぐうあああ!」*野太い声
GM:分隊長のヘビーアームは大盾でノアの攻撃を凌ぐ! 一人だけでもPC達を全滅させるとばかりに闘志を燃やし、ノアへと向き直った!
ノア:「いいだろう。力自慢同士やり合おうか?」

モニカ:「むぅ……あの分隊長クラスは流石にやり手のようですね」*後方で口元に手を当て
ノア:「すまない、二人とも後を頼む!」
エンデ:「手負いが一番危ないよ、気をつけて!」

ヨルズ:では……制限移動してマルチアクション!
ヨルズ:3m前方に移動したことで乱戦エリア内に入り……まずは【エネルギー・ボルト】でHP7のボルグを打ち抜く!

ヨルズ:2d6+5+3 //魔法行使判定
SwordWorld2.5 : (2D6+5+3) → 6[4,2]+5+3 → 14

ボルグハイランダー:C(7+5+0-0) //精神抵抗判定
SwordWorld2.5 : 計算結果 → 12→失敗……

ヨルズ:k10+5+3@10 //威力10魔法ダメージ
SwordWorld2.5 : KeyNo.10c[10]+8 → 2D:[1,3]=4 → 1+8 → 9

GM:ヨルズはウォーハンマーを構え、空中に魔法文字を描く!
GM:詠唱とともにマナの矢が放たれ、瀕死のボルグの身体を貫いた!

ヨルズ:「よし……このままッ!」

ヨルズ:この勢いでもう一体のボルグハイランダーに近接攻撃! 攻撃は打撃の方を使う!

◆GMのメモ◆
【ウォーハンマーに関するハウスルール】

本キャンペーンではウォーハンマーの命中/クリティカル値にハウスルールを適用している。
内容は「ウォーハンマーの用法を「打」と「刃」に分ける」というもの。
「打」での攻撃は打撃武器として扱われ、命中にマイナス補正が付かない代わりにC値が12となる。命中補正のないメイスのような状態だ。
「刃」での攻撃は刃武器として扱われ、命中にマイナス補正が付く代わりにC値が10となる。こちらは従来のウォーハンマーと同じである。

状況に合わせ、打撃面と刺突面での使い分けが可能となった。

ヨルズ:ウォーハンマーの打撃面でボルグを殴りつける!

ヨルズ:2d6+4+3+1-0 //命中力判定※打
SwordWorld2.5 : (2D6+4+3+1-0) → 2[1,1]+4+3+1-0 → 10
自動失敗……

ヨルズ:あ……
ノア:どうして……
モニカ:ぐあ~~~~!!

GM:ボルグハイランダー、手にした大剣でヨルズの槌を弾き逸らした!

ヨルズ:「ぐっ……一体しか落とせなかったか」
モニカ:「高速詠唱からの近接攻撃……魔法剣士の肩書きは伊達じゃないみたいですね」*遠巻きに見て
ノア:「気にするな、ヨルズ。動きは悪くないぞ」

エンデ:では次手番もらいます! ハイランダーを落としておきたいな
エンデ:制限移動で2m後退して距離を取り……妖精魔法を使います
エンデ:【カオスショット】を使用! 【魔法拡大/数】の特技でハイランダーとヘビーアームを攻撃!

◆GMのメモ◆
【カオスショット】

全属性の妖精と契約する特殊な契約形態によって使用可能となる特殊妖精魔法の一種。複数の妖精の力を凝縮し、純粋なエネルギーの塊を投射する。高い威力を確保することのできる魔法。

エンデ:「妖精さん達、力を貸して!」

エンデ:2d6+4+3 //魔法行使判定
SwordWorld2.5 : (2D6+4+3) → 5[4,1]+4+3 → 12

ボルグヘビーアーム:C(7+6+0-0) //精神抵抗判定
SwordWorld2.5 : 計算結果 → 13→成功!
ボルグハイランダー:C(7+5+0-0) //精神抵抗判定
SwordWorld2.5 : 計算結果 → 12→成功!

エンデ:2 hk20@13+4+3 //威力20魔法ダメージ
SwordWorld2.5 : KeyNo.20+7 → 2D:[4,5]=9 → 7+7 → 14/2 →7
SwordWorld2.5 : KeyNo.20+7 → 2D:[3,2]=5 → 3+7 → 10/2 →5

モニカ:ぐえ~!
ヨルズ:ぐわ~!
ノア:ぬぅ、残念
GM:ヘビーアーム残りHP29、ハイランダー残り4点ですね
ヴァルト:惜しいぜ

GM:エンデの呼びかけに応じ、6種の妖精が姿を現した! 炎、風、水、土、光、闇の力が一点に集められる!
GM:それぞれの力が結合反発し、バチバチと音を立てて弾け始めた!
GM:エンデは制御できるギリギリのところで力を解放、純粋なエネルギーの塊がボルグの許へと飛来する! 着弾と同時に小爆発!

ノア:「意外にしぶといな。エンデの攻撃を耐えたか」
ヴァルト:『なに、今ので一体は虫の息だぜ』

GM:それでは第一ラウンド裏、ボルグ達のターン!
GM:まずはハイランダー、ヨルズさんに攻撃! 【切り返し】を宣言!

ボルグハイランダー:C(7+5+0-0) //命中力判定
SwordWorld2.5 : 計算結果 → 12

ヨルズ:2d6+4+2+1+0-0 //回避力判定
SwordWorld2.5 : (2D6+4+2+1+0-0) → 6[5,1]+4+2+1+0-0 → 13
成功!

GM:斬り返しの効果でもう一回!!

ヨルズ:2d6+4+2+1+0-0 //回避力判定
SwordWorld2.5 : (2D6+4+2+1+0-0) → 4[3,1]+4+2+1+0-0 → 11
失敗……

GM:もらったァ!!!

ボルグハイランダー:2d6+5+0-0 //近接攻撃ダメージ
SwordWorld2.5 : (2D6+5+0-0) → 2[1,1]+5+0-0 → 7

GM:あれ……
ヨルズ:防護点4で軽減して……3点ダメージ! 残りHP30です
GM:かてぇ この子本当にLv5フェンサーか

ヨルズ:「(躱した……っ!)」
ノア:「待て、油断するな!」

GM:振り抜いた大剣を、ボルグはその腕力で斬り返す!
GM:ハイランダーの振り回した大剣がヨルズの革鎧を切り裂く!
GM:しかし、斬撃に合わせて力を逸らしたヨルズに大きなダメージはない

ヴァルト:『おい、生きてるか?』
ヨルズ:「掠り傷だ。そちらは攻撃に集中しろ!」
ヴァルト:『上等だぜ』

GM:続いてヘビーアーム、ノアさんに大上段で構える!
GM:【全力攻撃】を宣言して近接攻撃だ!

ボルグヘビーアーム:C(7+5+0-0) //命中力判定
SwordWorld2.5 : 計算結果 → 12

ノア:2d6+5+2+0-0 //回避力判定
SwordWorld2.5 : (2D6+5+2+0-0) → 7[4,3]+5+2+0-0 → 14→成功!

モニカ:うまい!
エンデ:ノアさんさっすがー!
ヴァルト:現役じゃん
ヨルズ:これは若い
ノア:ほっほっほ、若いもんにはまだ負けんぞぉ

GM:ボルグは手にした重鉈を渾身の力で振り下ろす!
GM:土煙が上がり、乾いた大地に亀裂が走る程の衝撃!
GM:ノアは力任せの一撃の錆と消えたのか? 否、否である!

ノア:「むっ、危なかった。直撃を受けていたら痛いじゃすまなかったな」

GM:衝撃の一瞬、手にした大剣を相手の鉈に滑らせ、その攻撃を躱していたのだ! 熟達の技量が成せる技である。

GM:それでは……PC達に殆ど損害のないまま第二ラウンドスタートです!
ヴァルト:MP使わない組でいくのはどうだ?
モニカ:アリアリ
エンデ:ハイランダーくん絶対許さんのきもち ヤッチャエ!
ノア:そうしましょうか
ノア:私が先に薙ぎ払ってしまいます

ノア:薙ぎ払いで残る2体を攻撃! 討ち漏らしたらあとはよろしく!

ノア:2d6+5+3+2-0 //命中力判定
SwordWorld2.5 : (2D6+5+3+2-0) → 7[4,3]+5+3+2-0 → 17→HIT!

ノア:2 k34@10+5+4+5-3 //グレートソード用ダメージロール
SwordWorld2.5 : KeyNo.34c[10]+11 → 2D:[1,3]=4 → 4+11 → 15 
SwordWorld2.5 : KeyNo.34c[10]+11 → 2D:[4,3]=7 → 8+11 → 19 

GM:ハイランダー、残りHP-14! 撃破!
GM:ヘビーアームは残り20点!

ノア:「ぬんんがああ!」*野太い声

GM:ノアの大剣が横薙ぎに一閃! 攻撃の後隙を晒したボルグを薙ぐ!
GM:エンデの魔法で瀕死だったハイランダーは為すすべもなく戦闘不能! かろうじて大盾を構えたヘビーアームだけが生き残った!

ヴァルト:解体するかァ!
モニカ:やったれ!
ヨルズ:イェェ!
エンデ:いけーーっ!

ヴァルト:では先と同じく白→黒の順に攻撃!

ヴァルト:2d6+5+3+1-0 //命中力判定
SwordWorld2.5 : (2D6+5+3+1-0) → 8[2,6]+5+3+1-0 → 17→HIT!

ヴァルト:k15@9+5+3+1+5-0 //ダメージ@双子刀 
SwordWorld2.5 : KeyNo.15c[9]+14 → 2D:[6,3 4,3]=9,7 → 5,4+14 → 1回転 → 23

GM:なんとぉ!? 残りHP3点!

ヴァルト:2d6+5+3+1-0 //命中力判定 ダメージが+2されるぞ~
SwordWorld2.5 : (2D6+5+3+1-0) → 10[4,6]+5+3+1-0 → 19→HIT!

ヴァルト:k15@9+5+3+1+5-0+2 //ダメージ@双子刀
SwordWorld2.5 : KeyNo.15c[9]+16 → 2D:[6,2]=8 → 5+16 → 21

GM:残りHP-12点! 撃破!
ヴァルト:やりすぎ
ノア:オーバーキル
ヨルズ:ナイスキル!

ヴァルト:『おぉぉっ!!』*雄叫びと共に首を狙う!

GM:ノアの一撃によって生まれた隙を見逃さず、ヴァルトがヘビーアームの死角へと回り込む!
GM:一瞬にして距離を詰め、部隊長ボルグの首を撥ねた!
GM:それでは戦闘終了~! PC達はボルグの巡回部隊を撃破しました。

モニカ:「……やった!」
ノア:「ふぅ、みんなお疲れさま」
ヨルズ:「伝聞では皆の活躍を聞いていたが……ここまでとは」*感服
ノア:「ヨルズも、初めてのパーティにしてはよく合わせてくれた」
ノア:「実力も申し分ないと考えている」
ヴァルト:「悪くなかった。戦闘中ずっと冷静だったしな」
ヨルズ:「そうか……よかった」*ホッとする
ヴァルト:「ま、今後ともよろしく頼む」*言うだけ言って進み始める

ノア:「モニカとエンデもお疲れ様。良い援護だったよ」
モニカ:「お疲れ様です! 殆ど損害なし、ですね」
モニカ:*魔動機兵を操作、ノアの傍に飛び降りる

エンデ:「ヨルズさんがちょっと怪我してたかな?」*崖を降りる
ヨルズ:「大した傷じゃない。このまま行軍可能だ」
モニカ:「承知しました。では引き続き緩衝地帯の奥……蛮族領域を目指しましょう」*ヴィントシュトレをバイク形態に戻しつつ

ノア:「しかし、ここで蛮族達が哨戒か。我々が来るのを、警戒してたことになるのかな」
ヨルズ:「この先に、何か見られたくないものがあるのだろうか?」
ヴァルト:「単に蛮族領に近いから見張りに出てただけ、って可能性もなくはないな」
モニカ:「どちらにせよ、あまり悠長にしている時間はないでしょうね」
ノア:「そうだな。先を急ごう」

ノア:「あ、今更だけどモニカ。その新調した服、似合っているよ」
モニカ:「ありがとうございます。父が身体の線を出すなと煩くて……」
ノア:「そうか……。まあ、父親はそういうことを気にするものさ」

エンデ:「とりあえず、他の見回りが来ない内に……」*周囲を警戒
エンデ:「……行こっか!」*馬に跨る

GM:OK! それでは次のチャプターに。

4. 緩衝地帯・北端

GM:◆描写◆
日の落ち始めた夕刻頃、PC達は馬とバイクを走らせて大裂穴南端から30kmの緩衝地帯北端へと到着する。
そこでPC達が目にしたのは、既に蛮族達の攻撃によって破壊された石造りの見張り塔だった。

GM:付近に蛮族の姿がないことを確認した後、PC達は見張り塔の残骸を確認する。
見張り塔は基礎の部分を残し、石壁や柱などが無残にも破壊されていた。
それは人族と蛮族の均衡、睨み合いによって作られた膠着状態が解かれたことを意味している。
大裂穴の蛮族達との戦いは、既に始まっていた。

モニカ:「これは……してやられましたね」
ノア:「酷いな。まあ、予想はしていたが」
エンデ:「ぼろぼろだね……」*寂しそうに
ノア:「いままで見張りをしていた《空の麓》が遠征に出た瞬間……妙な偶然を感じるが」
ヴァルト:「留守を狙って、か。宣戦布告ってことでいいな」*唸る
ヨルズ:「蛮族はやる気、ということか」*壊れた破片を拾い上げる
ノア:「《空の麓》亭の遠征を察知しての動きであれば、蛮族達は彼らの動向を前々から探っていたことになる。……計画的だな」
ノア:「……それより、今は対策が先だな」

GM:ではスカウトの皆様。難易度11の探索判定をどうぞ。

ノア:2d6+3+2 //スカウト観察判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+3+2) → 6[5,1]+3+2 → 11
成功!

エンデ:2d6+3+3 //スカウト観察判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+3+3) → 3[1,2]+3+3 → 9 
→失敗……

ヴァルト:2d6+4+3 //スカウト観察判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+4+3) → 9[5,4]+4+3 → 16
成功!

エンデ:???
ヴァルト:看破ッ
ノア:で、出目が……!
GM:エンデさんは別方面を警戒していたということにしよう

GM:見張り塔の残骸を観察していたエンデさん以外、塔の周辺、その遥か向こうを観察していたノアさんとヴァルトさんはあるものに気付いたようだ

GM:◆描写◆
日の落ち始めた大裂穴の奥に、それは鎮座していた。
見張り塔から約5km先、一見して周囲に聳え立つ岩山のように見えた。
しかし、岩山とは明確に異なる点が一つ存在する。

それは巨大な岩山のようでありながら、人間のような手足を備えていた。
盛り上がった肩、短い足、不釣り合いに長い腕は左側にしかなく、ずんぐりとした頭部。
地面に片膝を突き、項垂れるようにして動かないものの、その大きさは巨人族を優に上回っている。
それは建造中の、全長30m超の常識外れに巨大なゴーレムであった。

ヴァルト:「……!」
ヴァルト:「なぁノア、気のせいじゃないよな? 俺の見間違いってわけじゃない、よな……?」
ノア:「……あぁ。私もちょうど同じことを聞こうとしていた」
ノア:「何なんだ……あれは」
ヴァルト:「化物としか言えねぇ。岩の化物だ」

GM:ノアとヴァルトが驚愕している様子に、他のPC達も気づくことができます。
GM:目の良いエンデは細かく観察できるかもしれない

モニカ:「な……」*気づく
モニカ:「そ、その……仔細までは見えませんが、あれは……」
エンデ:「後ろからの追撃はなさそうだよ……って、え……!?」*振り返って吃驚
モニカ:「あぁいう形の岩山ってことは……?」
ヨルズ:「岩山であって欲しいが……」

ノア:「いや、どう見ても人為的な手法が加えられている形だ」
ノア:「エンデ、詳しく見えるか?」
エンデ:「うん、見えるよ!……脚は短いけど手は長くて、頭はずんぐりしてる。形的には操霊術のゴーレム、みたいな?」
モニカ:「ゴーレム……あれが……!?」
ノア:「ということは……ひょっとして動くのか?」
エンデ:「今は作りかけなんだと思う。たぶん、立ち上がったらもっと大きいよ!」

ヨルズ:「ふむ……巨大なゴーレムの建造か。ロマンはあるが……」
ヴァルト:「言ってる場合か!」
モニカ:「浪漫は認めます……が、このタイミング」
ノア:「たしかにロマンはあるが、あんなのが都市に攻めてきたら大惨事は避けられないぞ」
ヴァルト:「ヒスイドラの町、一瞬で踏み潰されるぞ」
ヨルズ:「……ゴーレムの質量に任せた攻城兵器という趣だな」

ノア:「私達だけではどうにもならん。判断を仰ぐためにも、ここで一旦戻ることを提案する」
エンデ:「……そうね。あたし達だけじゃ、今は手出しできなさそう」
モニカ:「ひとまず、緩衝地帯に妖魔の軍団が進出していること、見張り塔が破壊されていること、緩衝地帯奥、蛮族領先端に巨大ゴーレムが建造されていること、の3点は報告が必要ですね」
ヴァルト:「大事になってきたじゃねぇか」*どこか楽しそうに
エンデ:「少なくとも、5人じゃ無理だよ。援軍が要るね」

モニカ:「とりあえず、早く引き上げましょう。見張り塔付近に見回りが来ないとも限りません。……ここはもう、敵地ですから」
ヨルズ:「帰還だな。承知した」
ノア:「急ごう。大裂穴の底は暗くなるのが早い。西側を通るなら少しでも見通しの良い内に駆けなければ」


GM:OK~! それでは、PC達は馬と魔動バイクを走らせ《空の麓》亭へと帰還する。

5. ヒスイドラ防衛戦 -開戦準備-

GM:◆描写◆
時刻は深夜、大裂穴南端から数kmの位置にある街《ヒスイドラ》へとPC達は帰還していた。
大裂穴で巨大ゴーレムを発見したPC達は馬とバイクを走らせ、全速力で《空の麓》亭支部長のジムレドに事態を報告することにしたのだ。

《空の麓》亭のギルドホールにある大暖炉には火が焚かれ、支部長のジムレドが大裂穴の地図を壁に貼り出している。
また、PC達の帰還の少し前に《大地の見張り》亭支部長のシタンも到着していた。

220331 シタン2

◆NPC解説◆
《指踊りの杖》シタン=ケランジィ(メリア長命種/男性/140歳程)
冒険者ギルド《大地の見張り》亭の支部長。ヘラヘラとした胡散臭い男。
若者をおどかす悪癖があり、常に飄々とした態度を崩さない。
ギルドの運営自体は真面目に取り組んでいるようだ。

ジムレド:「大裂穴内部、緩衝地帯の均衡は既に崩されたか……」
ジムレド:「元々攻めるメリットがないから保ってたような均衡さ。奴らの側に理由ができたんだろう」
ジムレド:「……もう一度、大裂穴内部・緩衝地帯以北の状況についてまとめてくれるかい」

モニカ:「それでは、改めて報告させていただきます」
モニカ:「緩衝地帯は既に蛮族の野営地となっていました。件の見張り台も、既に破壊されてしまっています」*地図の指定箇所を指さして
モニカ:「かなり以前からそのような状態だったと見受けられました。単なる主観ですが……」
ジムレド:「最後に見張り塔を使ったのは、かなり前だからねぇ。ちっ、手を抜きすぎたね」*大裂穴以外の仕事が急増したため

モニカ:「我々は調査の折、付近の警戒にあたっていたボルグ複数からなる分隊と交戦」
ヴァルト:「デカイの2体、ひょろいの2体だ」
モニカ:「」*頷く
モニカ:「全て撃破しましたが、連中も間抜けではないでしょうし……哨戒が戻らない以上、何かしら動いてくる可能性はあります」

モニカ:「そして、最後に……」*見張り台とは離れた位置を丸くさする
モニカ:「概ね、この地点でしょうか」
ジムレド:「ふむ」*目を細める
モニカ:「その……なんと言ったらいいのか」
モニカ:「巨大な……」
モニカ:「エンデさんの見立てでは、ゴーレムのようなもの」
エンデ:「シタンさんが作ってるようなヤツ、で間違いないと思うよ。……縮尺はぜんぜんちがうけど」*この目で見たもん
シタン:「ふむ……巨大なゴーレムか。サイズはどの程度だった?」

モニカ:「」*掴みかねて助け舟を求める視線
ヴァルト:「山は山だ。ほかに何て言えば良いんだ?」
ノア:「……エンデ、細かく分かるかい?」
エンデ:「うーんと……そうだなあ……距離があれだけ離れてて、あの大きさに見えるなら……跪いてたけど、それでも30mはあったと思う。立ったらもっとおっきいよ」

シタン:「なるほど……マズいな」
シタン:「ゴーレムの大きさというのは、そのまま術師の力量を表すと考えて良い。一側面ではあるけどね」
シタン:「巨大な身体を持つゴーレムを動かすには、素材に十分なマナを染み渡らせた上で高度な擬似魂を組み込む必要があるんだ」
シタン:「でなければ、動き出す前に自壊してしまうからね」
ノア:「要するに、相当な実力者が蛮族側にいるということか」
シタン:「如何にも」

GM:「操霊魔法に長け、巨大なゴーレムを操る蛮族」という情報が出たところで……魔物知識判定を振ってみましょうか
GM:目標値は14です

ノア:2d6+1+2 //セージ知識判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+1+2) → 12[6,6]+1+2 → 15
自動成功!

モニカ:2d6+3+3 //セージ知識判定パッケージ
SwordWorld2.5 : (2D6+3+3) → 7[4,3]+3+3 → 13
失敗……

ヴァルト:2d6 ばなな
SwordWorld2.5 : (2D6) → 4[2,2] → 4
失敗……

エンデ:2d6  ひらめ
SwordWorld2.5 : (2D6) → 9[3,6] → 9
失敗……

ヨルズ:2d6+3+3 //セージ知識判定パッケージ 
SwordWorld2.5 : (2D6+3+3) → 10[5,5]+3+3 → 16
成功!

GM:成功したPCは下記の蛮族の情報を思い出します。ドーデン地方冒険者会報や同業者の噂で聞き及んだことがあったのかもしれない。

◆GMのメモ◆
“城崩し”エルナルート=エーゼイン(女性/ドレイク/25歳)

ドーデン地方の冒険者の間で存在を知られている若手のドレイク。
魔法生物分野の操霊魔法に特異な適性を持ち、大型ゴーレムを用いた砦への攻撃で知られている。
配下の妖魔を使った集団戦も心得ており、ドーデン地方冒険者連盟は警戒を強めている。

ノア:「先日会報を読んでて記事を目にしたことがあるな」
ノア:「“城崩し”と呼ばれてる若い女ドレイクのやり方を連想する」
ヨルズ:「私も同感だ。大型のゴーレムを突っ込ませるという手法による固定目標への攻撃……そのような方法を取れるものはそう多くないだろう」

エンデ:「ドレイクって上位蛮族の?」*めっちゃつよそうじゃん!
ヴァルト:「城崩しなんていうんだから、過去に城を落としたことでもあるのか? 相当な猛者じゃないか」
ノア:「実際、幾つかの砦や要塞を攻め落としているようだ。この場合の“城”というのは、王侯貴族の住まいではなく軍事要塞という意味だな」

ヨルズ:「都市部で被害を受けたという噂は聞いていないが……それでも厄介な相手には違いないだろう」
モニカ:「それで、“城崩し”と……」

ジムレド:「この辺りでそんな馬鹿でかいゴーレムを動かせるのは、エルナルートくらいのものだろうね」
ジムレド:「右腕を残すだけとは……ガワの方は殆ど完成ってわけか」
ノア:「あぁ、放っておくことはできない。大きなギルドに要請を出すべきでは?」
ジムレド:「要請を出しても良いが、すぐに動けるかは別の話だと思うよ」

ジムレド:「こちらでもやれるだけのことはやるが……まずは、残された時間が如何程なのかだろ」
ジムレド:「シタン、コイツが動き出すまでの猶予はどれくらいだい?」
シタン:「極めて大きなゴーレムだ。組み込む擬似魂も相応のモノが必要だと判断するね」
シタン:「先ほども言ったように、入念な準備の上で擬似魂を上手く作っておかないと上手く身体を動かせず自壊してしまう」
シタン:「全長30mクラスはかなり常識外れなんだが……“逐次命令に従う”仕様で作るには丸5日ほど必要だろうね」

エンデ:「表面だけ削っても効果はないだろうし……その5日間の内に、完成するまでになんとか壊せないかな」
シタン:「流石に周囲は術師のドレイクをはじめとして護衛が配置されていることだろう」
シタン:「それに、だ。逐次指示に拘らなければ完成はもっと早いよ
ノア:「拘らなければ、というと?」
シタン:「予め定めた動作を実行させるだけの場合は、二日そこらで十分使えるレベルになると思うよ」
シタン:「“南に向かって歩き続けろ”とかね」

モニカ:「単純なプログラムによる起動の簡略化……!」
エンデ:「むむむ……」*眉間にしわ
ヴァルト:「ウ"ウ~」*唸り声
モニカ:「あの巨体が歩くだけでどれほどの被害が出るか……」

ヴァルト:「だったらよ、そのドレイク本人を狙うのはどうだ」
ヴァルト:「ゴーレムを正面から食い止めるよりは目があると思うぜ」
ノア:「シタン、率直な感想を聞きたいのだが」
ノア:「あのゴーレムを何とかするのと、城崩しを撃破するの、どっちが可能性が高い」
シタン:「常識的に考えて後者だね。ただし、後者が素直に先頭に応じてくれるかは別の話だろ」
ジムレド:「緩衝地帯にまで妖魔が軍を進めているのに、指揮官本人は慎重に蛮族領でゴーレムを作っている」
ジムレド:「それは奴も準備に専念する気ってことさ」
ヨルズ:「相手は徹底してゴーレムの起動にかかる……というわけか」
ヴァルト:「ちっ、やっぱ忍び込んで頭を暗殺するしか……」

ジムレド:「……一つ、提案がある」
モニカ:「……何か策が?」
ノア:「聞かせてくれ」
エンデ:「提案?」
ヴァルト:「なんだ」
ヨルズ:「ふむ?」

ジムレド:「アタシとしては、ゴーレムそのものの破壊というプランを推したい」
ジムレド:「ある程度形が出来上がっているモノを、そのまま残すのはリスクが大きすぎる」
ジムレド:「奇襲を仕掛けて万が一“城崩し”を仕留め損なった場合。奴は何としてでもゴーレムを起動させて全てを踏み潰しにかかるだろう」
エンデ:「そうねぇ」*あぶないのはよろしくない

ヴァルト:「それができれば苦労しねーよぉ」
ヴァルト:「岩の塊なんざ、俺もノアも多分無理だぜ」
ノア:「そうだな。だが、彼女は机上の空論を話す人ではなさそうだ。話を聞こう、ヴァルト」
ヴァルト:「むぅ……」*続きを促す

ジムレド:「全長30mを超す岩の巨人を破壊できる手段があるとしたら?」
ヨルズ:「……あるのか? そんなものが」
ジムレド:「長射程・大破壊力を発揮できる攻撃手段がひとつだけある。1日あれば準備してみせるさ」

ヴァルト:「ふぅん。検討もつかないが……そこまで言うなら信じるよ」
ヴァルト:「だけど、無理そうなら俺は大将首を取りに行くからな」
ノア:「ふむ、その手段に賭けるしかないか。無理なら、ヴァルトの言う通り、無茶でも城崩しを狙うしかない」
ジムレド:「結局のところは元凶の術師をどうにかしなきゃいけないんだ。嫌でもそうなるだろうさ」
ジムレド:「……この街の命運、アンタ達《大地の見張り》に預けたよ」

GM:PC達を見つめ、ジムレドはあるものを取り出す。
GM:それは、PC達が巨大ゴーレムに対抗しうるほぼ唯一の手段だった。

GM:迫るゴーレム起動の瞬間。《元ヒスドゥール大裂穴》近くの町、《ヒスイドラ》の命運はPC達に託された。
GM:今までで最大の冒険が幕を開ける……! ……というところで今回はここまで。続きは後半に回します。

←第四話「鉄道の都と始まりの魔動機兵」後編

第五話「大裂穴の町、ヒスイドラ防衛戦」中編

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