Ex-4:拡張ルール:遠隔祭具のカスタマイズと特殊弾

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この記事は、「タクティカル祓魔師TRPG」の拡張ルールについて記載したものです。

このTRPGのルールは、フィリップ・N・モーゼズ氏がメインルールデザイナーを務め、ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズによって提供された「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」を採用しています。
「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」の著作権は、メインルールデザイナーであるフィリップ・N・モーゼズ氏と、ダイハードテイルズ・ゲームズが有しています。

はじめに
本項では、遠隔祭具に施す強化である「カスタマイズ」と「特殊弾」についてのルール・データを掲載する。
「カスタマイズ」とは遠隔祭具の性能・最適射程を調整するために施す強化であり、射手の要求する戦術的価値を提供する。
「特殊弾」は特殊な支給装備として設計されたアイテムであり、通常の攻撃とは異なる効果を持つ遠隔攻撃が可能となる。
ゲームマスターは本記事に掲載のルール・データの使用を制限しても良い。


Ex-4-1:遠隔祭具のカスタマイズとは

遠隔祭具のカスタマイズとは、PCが所持している遠隔祭具に対して施すことのできる強化メニューである。
それはパーツの換装であったり、使用感を使い手に馴染ませるための重心調整などとして表現される。

その内容は様々であり、与ダメージを向上させたり、攻撃時の射程/難易度を近距離寄りにしたり遠距離寄りに調整することができる。

遠隔祭具のカスタマイズは、その祭具の名称に「小型遠隔祭具」「中型遠隔祭具」「大型遠隔祭具」「霊的遠隔祭具」を含むものが対象となる(基本の遠隔祭具の他、"大口径"小型遠隔祭具や霊的遠隔祭具・改など)。

Ex-4-2:遠隔祭具のカスタマイズに必要なもの

遠隔祭具のカスタマイズには、前提として遠隔祭具を必要とする。
遠隔祭具を所持している(=PCが装備またはキャラクターシート上でデータを持っている)キャラクターは、成長処理を行う際に「攻性祭具の追加申請」を選択することで遠隔祭具のカスタマイズを行うことができる。
即ち、新規の攻性祭具を追加申請しつつ既存の遠隔祭具のカスタマイズを行ったり、複数の遠隔祭具のカスタマイズを1つの余暇スロットで行うことができる。

遠隔祭具に1つのカスタマイズを施すにあたり、【予算】5を必要とする。

Ex-4-3:遠隔祭具のカスタマイズ手順

遠隔祭具のカスタマイズは、下記の手順にて行われる。

①自分が所持している遠隔祭具を1つ選択する
②遠隔祭具のカスタマイズメニューリストを参照し、まだその遠隔祭具に適用しておらず、且つその遠隔祭具に適用できるカスタマイズメニューを1つ決定する

遠隔祭具に施したカスタマイズは、1スロット分の余暇を費やすことで除去することができる(この処理には【予算】は必要ない)。
また、カスタマイズスロットの総数が許容するのであれば、1度の処理でカスタマイズの内容を上書きすることができる。

Ex-4-4:遠隔祭具のカスタマイズ総数について

1つの祭具に施すことのできるカスタマイズの総量には、限界が存在する。
本ルールを適用するにあたり、遠隔祭具は「カスタマイズのスロット」カスタマイズメニューは「スロット消費数」というデータを持つ。

あるカスタマイズを施すたび、メニューの「スロット消費数」に等しい値だけ遠隔祭具の「カスタマイズのスロット」が埋まることとなる。
カスタマイズのスロット数は、遠隔祭具の規格によって定められる。
下記のリストを参照すること。

カスタマイズのスロット数
小型遠隔祭具:2
中型遠隔祭具:3
大型遠隔祭具:3
霊的遠隔祭具:2

Ex-4-5:遠隔祭具のカスタマイズメニュー

遠隔祭具のカスタマイズメニューリストを、下記に掲載する

【威力向上調整】
スロット消費数:1
全ての遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具は、攻撃時に与えるダメージが+1点される。

祓串弾射出コイルや儀式用弓体を強化改造し、威力を向上させる。
状況を問わず効果を期待できる、非常にポピュラーな調整。

【精度向上調整】
スロット消費数:1
全ての遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具を使って遠隔攻撃を行う場合、攻撃判定時のダイス総数が+1個される。

『追加スタイル:両手利き』宣言時、攻撃に使う全ての遠隔祭具にこの調整が追加されていなければダイス総数は増加しない。
『追加スタイル:両手利き』宣言時、攻撃に使う全ての遠隔祭具にこの調整が追加されていた場合、ダイス総数は+2される。

銃身や儀式用弦を高精度なものに換装することで精密動作性を向上させる。
この調整を施した遠隔祭具では、安定した命中精度が期待できる。

【最適射程調整:小型遠隔祭具】
スロット消費数:1
小型遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具は、自身のいるマスから7マスまでの対象を攻撃する際は『難易度:NORMAL』、8マスは『難易度:HARD』、9~10マスは『難易度:ULTRA-HARD』、それ以上は攻撃不可となる。

小型遠隔祭具の構成部品を組み直し、最適射程を延長する。
この調整を施した小型遠隔祭具は、少し離れた相手にも当てやすくなる。

【最適射程調整:中型遠隔祭具】
スロット消費数:1
中型遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具は、自身のいるマスから2マスまでの対象を攻撃する際は『難易度:HARD』、3~9マスは『難易度:NORMAL』、10マスは『難易度:HARD』、それ以上は攻撃不可となる。

中型遠隔祭具の構成部品を組み直し、最適射程を拡大する。
この調整を施した中型遠隔祭具は、遠近ともに当てやすいレンジが広がる。

【最適射程調整:大型遠隔祭具】
スロット消費数:1
大型遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具は、自身のいるマスから6マスまでの対象を攻撃する際は『難易度:HARD』、7マス以上離れた対象を攻撃する際は『難易度:NORMAL』となる。射線が通っていてゲームマスターが許可する限り、この祭具は戦闘区域全てを射程に収めるものとする。

大型遠隔祭具の構成部品を組み直し、最適射程を近距離に寄せる。
この調整を施した大型遠隔祭具は、中距離戦においても運用しやすい。

【最適射程調整:霊的遠隔祭具】
スロット消費数:1
霊的遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具は、自身のいるマスから2マスまでの対象を攻撃する際は『難易度:HARD』、3~9マスは『難易度:NORMAL』、10マスは『難易度:HARD』、それ以上は攻撃不可となる。

霊的遠隔祭具の構成部品や構成儀式を組み直し、最適射程を拡大する。
この調整を施した霊的遠隔祭具は、遠近ともに当てやすいレンジが広がる。

【速射性能向上】
スロット消費数:1
小型遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具で攻撃を行う際、『攻撃スタイル:2回射撃』または『追加スタイル:両手利き』を宣言した時に得られる【連続攻撃】を+1する。
攻撃に使う全ての遠隔祭具にこの調整が追加されていなければ、効果は機能しない。

射出用コイルや反動吸収機構を組み直し、瞬間的な速射を可能とする調整。
攻撃の手数を増やすことで、瞬間的なダメージの増加を期待できる。

【連射性能向上】
スロット消費数:2
中型遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具で攻撃を行う際、『攻撃スタイル:連射』または『攻撃スタイル:連射Ⅱ』を宣言した時、攻撃判定のダイス総数を+1し、与えるダメージに+1する。

給弾機構やコイル冷却部品を組み直し、連射性能を向上させる調整。
単位時間あたりの発射段数を増やすことで、ダメージを底上げする。

【狙撃性能向上】
スロット消費数:2
大型遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具で攻撃を行う際、『攻撃スタイル:狙撃』を宣言した時、攻撃判定のダイス総数を+2個する。

銃身、反動制御機構、射出回路を組み直して狙撃性能を向上させる調整。
反面、リソースの観点から通常射撃のパフォーマンスを犠牲にしている。

【霊力増幅量向上】
スロット消費数:2
霊的遠隔祭具に適用できる。
この調整を施した遠隔祭具で攻撃を行う際、攻撃判定の難易度が『難易度:NORMAL』以下で、且つ攻撃判定時の出目に【4】が含まれていた場合、与えるダメージを+3する。

構成部品や付与した儀式など、祭具の霊的ポテンシャルを高める調整。
クリーンヒット時に増幅されるダメージを上昇させることができる。

Ex-4-6:特殊弾とは

特殊弾とは、命中した対象に特殊な効果を齎す祓串弾として表現されるアイテムデータである。
通常攻撃や味方との連携に搦めて差し込む、射撃型祓魔師用のオプションとして設計しており、ダメージよりは補助的な効果が多い。
奥義や祓魔術のような、それ単体で大きな効果を齎らす大技というよりは、射程を活かしたアシスト的な活躍を企図したものとなる。

Ex-4-7:特殊弾の入手について

特殊弾は「支給装備」の一種に位置づけられ、成長処理を行う際に「支給装備の追加申請」を選択することで入手することができる。

一度追加申請を行って入手した特殊弾は、他の支給装備同様に一度のセッションで使い切ってもセッション終了時に補充される

Ex-4-8:特殊弾の仕様について

特殊弾はそれぞれ「小型遠隔祭具用」「中型遠隔祭具用」「大型遠隔祭具用」の規格に分かれており、1単位あたりに含まれる個数も異なる。
複数の特殊弾を所持しているPCは、【○○弾・小】のようにアイテム名末尾に祭具の規格を示す文字を付けて区別すること。

それぞれの特殊弾は対応した祭具でしか使用することはできず、したがって祭具を跨いだ流用は不可となっている。
それぞれの規格における本数は下記の通り。

小型遠隔祭具用:1単位に6個
中型遠隔祭具用:1単位に4個
大型遠隔祭具用:1単位に3個

特殊弾を使用する場合、ゲーム開始時または自身の手番終了時に「特殊弾の装填」を宣言する必要がある。
これは自身の装備または所持している遠隔祭具のうち、どの祭具にどの特殊弾を装填したかを宣言するために行う。
この宣言を行うに際し、複数の祭具に対して「特殊弾の装填」を宣言することができる。
ただし、一つの祭具に対して複数の特殊弾を装填することはできない。

また、キャラクターは自身の手番終了時に、特殊弾が装填されている遠隔祭具を指定して「特殊弾を抜く」ことを宣言できる。
この宣言を行うと、その祭具は特殊弾が装填されていない状態に戻る。

◆プレイ例◆
タカシ君の祓魔師は2つの「小型遠隔祭具」を所持し、その両方を装備した状態となっている。
タカシ君は手番を終え、自身の装備している「小型遠隔祭具」のうち1つに【仮想質量弾・小】の装填を宣言した。

次のターン、タカシ君の祓魔師は手番を迎えた。
先のターンと状況が変わっており、タカシ君は【仮想質量弾・小】を温存したいと考えたため、彼は特殊弾を装填していない方の祭具のみを使って攻撃を行い、手番の終了時に「特殊弾を抜く」宣言を行った。

一度「特殊弾の装填」を宣言した祭具は、その祭具を使った攻撃を終えるまで特殊弾が装填された状態になる。
特殊弾を用いた攻撃の終了時、該当する特殊弾の残数を1個減らすこと。
ただし、中型遠隔祭具が持つ機能である『攻撃スタイル:連射』を宣言した場合、1度の攻撃で特殊弾を2個消費する

一度の手番に複数回の攻撃判定が発生するような攻撃、または複数の特殊弾を消費するような攻撃を行う場合、消費する特殊弾の個数を超えるような攻撃は実行することができない。

◆プレイ例◆
タカシ君の祓魔師は【麻痺弾・小】を2個を所持しており、「小型遠隔祭具」を2つ装備している。

タカシ君の祓魔師は今、手番を終えようとしている。
彼は「小型遠隔祭具」を2つ装備しているため、本来であれば『攻撃スタイル:2回射撃』と『追加スタイル:両手利き』を宣言することで合計3回の連続攻撃を行うことができる。
しかし、手持ちの【特殊弾】は2個であるため、少なくとも特殊弾を使った攻撃を行う場合の連続攻撃は最大2でなくてはならない。

タカシ君は思案の末、片方の「小型遠隔祭具」に「特殊弾の装填」を宣言し、次手番時の状況に合わせて考えることにした。

Ex-4-9:特殊弾総覧

仮想質量弾シンカー】初期値:規格による
必要【予算】:5
この特殊弾を用いた攻撃が成功した時、攻撃キャラクターが次ターンの手番を迎えるまで、攻撃対象の【機動力】を1にする。

着弾対象に巨大な仮想質量を付与する儀式効果を施した祓串弾。
一時的に相手の身動きを鈍らせ、移動距離を小さくする効果を持つ。

麻痺弾パラライズ】初期値:規格による
必要【予算】:5
この特殊弾を用いた攻撃が成功した時、攻撃を受けたキャラクターの残り回避ダイスを1個減少させる。

着弾対象の霊力循環を乱し、動きを鈍らせる儀式効果が施された祓串弾。
複数の射手が弾幕を張ることで、対象の回避に圧力をかける運用が可能。

照準弾マーカー】初期値:規格による
必要【予算】:5
この特殊弾を用いた攻撃が成功した時、攻撃キャラクターが次ターンの手番を迎えるまで、攻撃対象に対する攻撃判定は難易度が1段階低下する(最低で『難易度:KIDS』)。

着弾対象の霊力動向を可視化する儀式効果を施した祓串弾。
対象の動きを読みやすくし、攻撃の成功率を高める目的で使用される。

重金属弾ヘヴィバレット】初期値:規格による
必要【予算】:5
この特殊弾を用いる攻撃判定は難易度が1段階上昇する。攻撃が成功した時、対象に与えるダメージを+2する。

通常祓串に用いられる鋼材よりも高い比重を持つ金属で作られた祓串弾。
純粋に運動エネルギーが増加することで、ダメージの底上げが期待できる。

銀鍍祓串弾シルバーバレット】初期値:規格による
必要【予算】:5
この特殊弾を用いた攻撃が成功した時、攻撃対象の【穢装】が最大4点低いものとしてダメージを算出する。

遠隔祭具で射出できるように調整された、銀メッキの祓串弾。
対象の穢装を中和する効果を施すことで、高い貫通力を実現する。

編集履歴

◆2024/09/29◆
【連射性能向上】
判定ダイス+1効果を追加

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