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ドイツ語学習の参考書 「Großes Übungsbuch Deutsch -Wortschatz-」Hueber

語学学習本シリーズ第6弾です。
語学学習方法は十人十色。この記事は完全に私見であり、私に合っても合わないかもしれないし、私に合わなくても合うかもしれないという前提でお読みいただければ幸いです。良い相棒が見つかりますように!

第4弾からテーマ特化型の参考書が続いていますが、第6弾もテーマ特化型です。今回は、

「とにかく単語量を増やしたい…」と感じている方にお勧め

参考書です。
出版社は第二外国語学習用の参考書の老舗中の老舗であるHueber。語学学校の教科書はここの教材を使っている、というところも多いのではないでしょうか。ドイツ語の参考書も山のようにありますので、可能であれば大型書店で一度はここの出版社さんの本を手に取ってみることをお勧めします。

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このWortschatzは外国語としてのドイツ語学習参考書シリーズの、単語学習に特化した1冊です。

◎対象レベル

A2からC1です。が、A2になりたてで始めたら「ちょっと早かった」と思うだろうと思いますし、バランスよく実力を伸ばしてきたB2の方や、C1の方からすれば易しい単語が多いかもしれません。逆にA2からこの本を使いこなせれば、上のレベルに上がるのにかなり底力が付いているのではないかと思います。

◎特徴

単語量を増やすことに特化した演習式の参考書です。16のテーマ(自己紹介、人、家族・友人、体、健康・病院、五感、家・家事、自然、旅行・交通、飲食、買い物、郵便局・銀行・役所・警察、学校・教育、仕事・職業、趣味・文化、政治経済)について、それぞれ頻出単語と、演習問題が載っています。解くことで覚えるタイプで、穴埋め問題や、正しい意味を結びつけるものなど。解説はほとんど載っていませんが、テーマが生活に密着したものも多いので、そもそも問題を解くことを通じてドイツ語圏の一般常識も学ぶことができます。

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良いなと思うところが、ドイツのドイツ語だけでなく、スイスやオーストリアでの使い方にも言及がある点でしょうか。広く「ドイツ語圏」を意識していますので、住むのがドイツでない方にもお勧めです。

◎注意点

レベルはA2からC1とはいえ、特にこの単語がどのレベル、ということではなく、同じテーマの中で易しい単語と難しい単語がごちゃまぜで出てきます。なのでA2になりたてでこの本を使い出すと、もうあまりの知らない単語の多さと、2cmはあろうかという参考書の厚さに、絶望的な気分になるのではないかと思います(私がそうでした)。
また、同じテーマの中でSynonyme(同義語)もたくさん出てくるのですが、例文は短い一文なので、文脈で理解するということがしにくく、細かいニュアンスの違いなどはこの参考書だけではどうしてもノンネイティブにはわかりにくいです。独日辞典ではなく、独英辞典、できれば独独辞典を併用することをお勧めします。

◎雑感

個人的にはA2の頃に購入し、一度手をつけたのですが、あまりにわからない単語が多すぎて挫折し、B2に上がってから戻ってきました。ひととおり文法などもわかってきて、ドイツ語の構造もだいぶ馴染みが出てきたけれど、圧倒的に単語量が足りない…と痛感している今、まさに必要な参考書だな、と思いながら使えています。そんな私のような、言われていることはだいぶわかるようになってきたけれど、積極的な語学運用能力に課題がある、と感じている語学学習者さんに是非お勧めしたい一冊です。
とにかくひたすら問題を解いていく形になりますが、新出単語については一度解いたくらいでは身につかないだろうと思います。書き込み式ではありますが、直接書き込んで終わりではなく、繰り返し使えるように工夫することをお勧めします。(日本の参考書のように二色でカラー下敷を使って隠せるとか、そういう気の利いたことはありません。)

ちなみに残念ながらこれは日本のamazonでは手に入らないようです。ペーパーバックとして注文するか、ドイツ語圏にいらした際に、ぜひお手に取ってみてください。

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