2021.10：剥製の街
見えない戦場に声だけの兵士
証言も冗談も後出しで誤魔化し
君が姿を消したあとに
世界の寝言は耳鳴りのよう
閉じても閉じても感覚に入る
ラジオは渋滞を知らせている
人は夕暮れを待つ
慰めも共感もせず
人は夕暮れを待つ
君は君を待っていたことも忘れている
いつか黙り込んだ君は
交差点でクラクションに促されても
一言も話さなかった
10月。
不安になるから深く考えない
得策ではないけど
他はうまくいかないから
ファストなモノで時間を埋めて
やることなすこと楽しめない
カッコつけても中身はなくて
中身はなくても心はあって
あっても話はまとまらなくて
空ばっかり見てたい10月
夕方の街は剥製
建物はみんな空っぽ
人は夕暮れを待つ
Y. Hagi
from vongoleblanco
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