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【大解剖】国家公務員の社会人経験者採用の仕組み(後編)

(官⇆民の越境キャリアを支援するVOLVEのnoteです。前編はこちら

国家公務員への転職を目指す方必見!今回は面接と小論文のポイントを説明します。更に、入省後の行政特有の知識習得や心構えについてのアドバイスも!この記事を読んで、公務員への転職に対する不安を解消しましょう

こんにちは、Volveの高橋です。弊社では「民間から公務への転職」を支援していますが、皆様の身の回りでそのような事例は聴いたことがない・本当にそんなことができるのか?と思われる方もいらっしゃるだろうと思います。

この記事では、そんな不安の解消に向け、前編に引き続いて、公務への転職の場合の選考プロセスについて解説します。今回は面接・小論文のポイントについてです。

免責事項:本NoteはVolve株式会社で調査した内容に基づく見解を基に執筆しており、正確性、有用性、確実性について保証をするものではありません。したがいまして、本Note記事に掲載された情報にもとづいて起こされた行動によって生じた損害・障害・不利益等に対する責任は負いかねます。国家公務員への転職を考えてらっしゃる皆様におかれましては、必ず各省庁の採用情報をご確認頂いた上でご応募頂きますようお願いいたします。


面接・小論文では与えられた情報を組み合わせて誠実に書く・話すことが重要

Volveで社会人採用者等に行った取材をもとに、面接・小論文のポイントを整理しました。

面接成功のカギは誠実さと正確な情報理解

採用後、国会議員を含む様々な関係者とのコミュニケーションを求められるため、誠意を持って率直に会話ができるとみなされることが重要です。

政策の予備知識については、知っていれば話しやすいという側面があることは否定できませんが、特定の政策の話題について細かい知識が求められるわけではなく、基本的にはインターネット上の情報や省庁HPに掲載されている一般向けのパンフレットなどを見ていれば十分です(この点について、何を見ればよいか、事前の説明会等で受験者向けにアドバイスがなされる場合もあるようです)。このほか、バックグラウンドとして中学校の「公民」で学習する程度の政治・行政の仕組みの理解は必要です(国会に衆議院と参議院があり、衆議院に解散があることなどの基礎的な仕組みについては知っていることが期待されます)。

細かい知識以上に、自分がどこまで分かっていてどこからが分かっていないかを正しく認識した上で、面接官から聴いた話を正しく理解できるか、複数の情報を組み合わせて立体的に物事を見られるか、組み立てた自分の理解をわかりやすく人に説明し、説得力を持って述べられるかが重要です。知らないことは知らないと認めるほうがよく、知ったかぶり・先入観に基づく発言はネガティブな評価に繋がります。

例えば、政治・行政に関する報道の中には発言の一部を切り取った報道もあり、真実を必ずしも反映していない場合があります。面接で会う国家公務員の方々は報道で取り扱われているトピックの当事者であるかもしれません。もし、ちょっとだけニュースで見たことがある程度のトピックについて質問された場合には、正確な情報を把握していないことを伝え、面接官との対話を楽しみながらご自身の考えを組み立てていく姿勢が重要です。

また、政策の議論をしていく中では現行制度が一見合理的でないように感じられる場合もあると思います。その場合は、

  1. 本来は●●であるべきだ、

  2. しかし現行の制度が××なのにも理由はあるはずで、それは・・・だからではないか、

  3. であることを前提にしても~~という改善はできるはずではないか

などのように、あるべき論と、現実的な議論の双方ができるとよいでしょう。面接官から適宜突っ込みがある可能性もありますが、一方的に自分の主張を押し付けるのではなく、面接官との対話を楽しむような心意気が重要です。

なお、前編でご説明した経験者採用試験における人事院面接の場合は、面接官は自分の志望省庁の職員である可能性も、そうでない省庁の職員の可能性もあります。したがって、「A省を志望したい」と言うときに、「B省は・・・がダメなのでA省を志望したい」のように、別の省庁を否定する発言をすることはリスクが大きくいため、避けるべきです。前向きな発言ができるように準備しておきましょう。

小論文:小論文は必要な情報をロジカル・コンパクトに

注意すべきことは基本的には面接と同じですが、相手の話や表情に合わせて話すといったことはできないので、自ら能動的に形式を整理し、議論を組み立てる必要があります。書き始める前に、どのような順番で何を述べるかを箇条書きなどで書き出してから書き始めるとよいでしょう。

問題文で与えられた情報を整理した上で、自分なりの仮説を立てることになると思いますが、問題文の情報だけでは条件が足りないこともあります。その場合は、「Aであることを前提にXだ」のように、制約条件も整理しながら論理的に述べる必要もあります。

「読ませる」エッセイのような、文学的な文章を書く必要はありません。必要な情報が、ロジカル・コンパクトにまとめられていれば十分です。

入省後も安心!行政特有の知識は入省後も現場で十分に学べる

面接・小論文の対策ができたとしても、「国家公務員ならではの覚えることが多く、なかなか活躍できないのではないか」と心配されている方もいらっしゃるかもしれません。そのような方のために、実際に民間から国家公務員に転職された方々からお伺いした入省後の心構えをご紹介します。

形式的な事項については、入省後に研修をしてもらったり、マニュアルが渡されることもあると思います。しかし、肝心な「なぜこのようになっているのか」がマニュアルに十分書かれていないといったこともあるかもしれません。そのような場合は、周囲の職員の中で、比較的そうしたことを聞きやすい・丁寧な説明ができる人にお願いして教えてもらうとよいでしょう。また、同じ省で以前に社会人採用で入省した職員には、民間出身者目線での疑問にも答えてもらいやすいでしょう。

採用後に行う業務の中には、国会答弁の準備など、民間企業には存在しない業務は確かに存在しますが、様々な行政特有のプロセスも、結局は「関係者の話を聴き、少しでも多くの人が納得できる・フェアな解決策を模索する」ということに尽きるものであり、新たに覚えることが特別に多いわけではありません(民間企業間で転職する場合も、新たに覚えることがそれなりにあるはずです)。むしろ、国民の皆様や、その代表である国会議員を納得させられるよう、民間で働かれていた際の感覚を忘れないことが重要です。

ここまで面接・小論文のポイントと、入省後の心構えについて説明しました。VOLVEのNoteでは実際に採用された社会人経験者の方々の体験談をこれからご紹介していきますのでご期待ください。

【著:高橋貴哲】


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