英語面接での想い出ー航空管制官

初投稿になります。一応、芸名は「柴犬5号」を名乗ることにした72才の爺です。ファンブログをいじって「Tumblr」というアメリカブログに迷いこみ、登録であずっているうちに、この「note」に迷い込んだというのが実情です。

有料ブログという言葉に目が留まりました。まだ、先のことでしょう。

さて、タイトルに書いた「白鯨」です。実はあまり本は読みません。読んだ数少ないうちの一冊です。これは、19世紀のアメリカの話みたいです。捕鯨していたエイハブ船長が、逆に巨大な鯨に襲われ、片足を奪われてしまう。復讐に燃え、白鯨「モービーディック」を追いかけ、結局、最後には襲われ死んでしまうという話です。

ストーリー自体は記憶に残りやすいところがあり、中学生の自分には読みやすい小説だったと思います。

で、ぼくは、大学は地方の、当時、松山商科大学(現在、松山大学)に在席していましたが、そこで、ESS(英語部)に属し、専門の経済より、英語を学ぶ方にほとんど時間を費やしていました。3年生のある日、短大の資格で航空管制官の受験が可能であるとを知り、受験することにしたのです。

1次試験は高松で、2次試験は大阪であったのですが、2次試験の面接の時でした。さすが、管制官の面接は英語で始まりました。それはそれでいいんですが、内容ですね。

「本は何を読みましたか? 記憶に残る本がありますか?」僕はすかさず「白鯨」を思い出し、「白鯨です。」と答えました。

「その小説は誰が書いたものですか?」再び、すかさず「メルビル」と答えました。

といっても読んだ中学時代から、5年はたっています。答えは準備していませんから、内容についての質問が続きましたが、表面的な回答になってしまいました。ただ、面接官はもう頭の毛はない、管制官あがりか、ひょっとして、別分野の大学かどこかの先生だったかもしれません。

その後、管制官は合格して、当時、国家公務員は採用候補者名簿に登載されていたのですが、自分もその候補者名簿に搭載され、翌春、採用ということになったのです。(50年ほど昔の話です。)

人生いろいろあり、結局、市職員として落ち着くことになりました。ところが今、人生振り返ると恐ろしい気がしますが、市職員として38年奉職し、60才で定年、その直前から年金額が全額は出なくなりはじめ、大学4年生の娘がいたため、何か市でできることないかと人事にお願いするも、全国的な市町村合併で、退職者も普通に考えても多くなっているのに、まして、合併後の境遇を心配して早めに退職する者もいたりで、人事も手がまわらなかったようです。「〇〇さん、仕事探してみますけど、3月の時点で、仕事がないときに、「無い」という返事はしませんよ!それでもかまいませんか?」でした。結局、無かったです。

妻は、ハローワークへ行けとつつきます。しかたなくハローへ、「あんた、どうもハローワークは毎日行った方がええらしいよ!」

当時、日本社会は有効求人倍率が未曽有の低さまでは行きませんが、下がっていたのです。で、3か月後、幸いにも求職中のそのハローワークで面接を受けることになり雇ってくれることになりました。どうも、ハローで買われた僕の技術というか能力は「市の状況をよく知っている。」ということのようでした。それに、ハローで求職活動をすることが恥かしい感じもあり、他の行政職の同期があまりハローを使っていなかった幸運もあります。

そこで、3年間、求人開拓推進員として、何千社もある会社を順次まわり、求人票を出してもらうお願い行脚をしたのです。3年目修了時、所長に呼ばれ、「〇〇さん、有効求人倍率も上がってきましたので来年度は◇◇さん1人(40代)で行きます。」と。

で、改めて、就活活動開始、たまたま、就職する卒業生の多い高校の就職支援員が大病になり、ハローへ後任を探しに来たのです。

タイミングよく、その面接試験を受けることになり、なんとか雇ってもらえることになりました。職務は同じ、求人開拓です。今度は工業高校などと違って、技術を持ってない普通科の高校生を採用してくれる会社をあたるという仕事で、午前9時から午後3時で、年間100日という勤務条件です。実のところ、それくらいしか働けないのかという気もないことはないのですが、65才を超えると、どうしても病院に行くこともありますし、やはり体力は周りの人の判断もありますしね、現在、72才ですが、ソフトバレーや9人制女子バレーの中に入れてもらったりして、ジャンプにアタックしていますけれど、もはやこの年、明日がわからぬところありますから、信用がね。

で、今でも不思議に思うのですが、結局、僕は給料ずっと税金でお世話になったということなんです。こういう人生計画をたてたわけでも、あえて探したわけでもありません。こうなった・・・というのが事実なんです。

こうして就職面接を何度か受けてきた中で、白鯨について質問したあの面接は、何か夢・まぼろしのように、思えてなりません。あの面接官は、ひょっとして僕の答えた第一声で、「ああ、いい子が来てくれた。」と思ったんじゃないかという感じさへ受けました。部屋に入ると、突然、笑顔になり、いかにも温かい感じ、まるでドラマでした。白鯨の内容について次々と質問してきたあの面接官の顔を今でも忘れることはできません。

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