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陸上競技のペース配分で業務時間内に仕事を終わらせる

先週月曜日に名門スタンフォード大学アメフト部の日本人コーチ河田剛(かわた・つよし)さんの体験記を取り上げ、日本とアメリカのスポーツ文化や競技に取り組む姿勢の違いにフォーカスを当ててお伝えしました。

知人から珍しく面白かったと声をかけてもらいました。

特にテーマが時間管理といいますか、業務時間内にどうも仕事が終わらないという悩みの相談から始まったというものでした。在宅時間が増えて、時間が増えたので新しく何かを始めたという人がいる中、ビジネスパーソンの中にはむしろ忙しい、時間が足りないという人も多い気がします。

確かに、オンラインでの打ち合わせが連続で継ぎ目無く入っているなか、打合せの間の移動時間でふと休むということができなくなってきています。

今回は時間管理術第二弾として、スポーツをヒントにコロナ在宅勤務時代の時間管理を考えてみたいと思います。

それでは本編スタートです。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

業務時間内に仕事が終わらない

当番組、普段はタイトルコールにあるようにアスリートの言動、彼らの人生、成し遂げた偉業、最近のスポーツトピックを取り上げまして、そこから仕事や生活に役立つティップスを紹介するというフォーマットになっています。

ところが前回は少しこのパターンを変えまして、私が後輩から実際に受けた相談について、思い出したスポーツ選手のエピソードを基に解決方法を探したということがあり、これをそのままこの番組でご紹介してみました。このパターンも時々はありなのかもしれませんね。

前回は、とにかく仕事が終わらないという後輩がいまして、とはいえ抱えているタスクを取捨選択し、取捨選択して絞込み、優先順位をつけるという基本的な行動は取っていて、一般的なアドバイスを超えた解決法を取らないといけないのかなというとで、逆転の発想とまではいかないものの、あえて日常業務以外に責任あるタスクを自分に課して自分を追い込むことで集中して時間内にタスクを完了させるというお話をしました。

米国におけるマルチスポーツつまり複数競技に取り組むアスリートたち、ひとつの競技にさける時間をあえて絞り込むことで、集中力をあげ、更にはそれぞれの競技で身に着けた技術のシナジー効果も得らえるというものでした。

今回は、スポーツから学ぶ時間管理続編として、引き続き時間内に仕事を終わらせる方法について考えてみたいと思います。

次のチャプターに続きます。

結果につながる「時間」との向き合い方

本日は先週月曜日の続きというわけでもないですが、先週に続いて世界で最もオリンピックで金メダルを取る国アメリカと日本の比較から始めてみましょう。スポーツ文化や練習に取り組み姿勢が大きく違うということを、渡米してプレーする多くの日本人アスリートが口にしています。

そこでやはり目立つのが練習時間の長さというか短さではないでしょうか。驚くほどに練習時間が短いなんてことよく聞く話ですよね。

それに比べて日本は練習時間が長いということになるのですが、サッカー指導者でアルゼンチンでのプロ契約の経験もある稲若 健志氏が言うには「もし練習時間と強さが比例するなら日本は世界一」それくらい世界標準からみるとダントツに練習時間が長いのだそうです。

そして海外のチームや選手たちの練習時間はそんなに短いのでしょうか。そうであるならそこでどうやって成果を出しているのでしょうか。

元メジャーリーガーの上原浩治氏の言葉にヒントがありました「実はアメリカの選手たちは個人ではめちゃ練習しているよ。チーム練習が短いだけ」なのだそうです。

納得いく気がします。私もアメリカの企業で仕事した経験がありますので。チームとしてコーチがついていて全員で集まってその中でひとりひとり細かく練習の指示が出るわけではないのでしょう。

日本型の経営に比較して、個人の裁量の幅がより広いいわゆる「ジョブ型」に近いのかもしれません。

そして日本のチームでも、例えば当番組でも過去に取り上げた広島県の武田高校のように連取時間が極端に短い中でも成績を残しているチームもあります。

練習時間の長い短いだとかいうよりは、時間の使い方・使い方についての考え方、時間というものに向き合う姿勢というレベルで考えてみるべきなのではと思いました。スポーツ競技で結果を出す時間の使い方もう少し深めて考えてみましょう。

次のチャプターに続きます。

カギは「ペース配分」

今日は、仕事が時間内に終わらないと悩む私の後輩の話から、その解決法をスポーツ選手やスポーツチームの取り組み等から検証しております。

さて、仕事の時間管理を考えたとき私自身もよく悩んでいたのは「ToDoリスト」の弱点についてです。ToDoリストはタスク管理に必要で、リスト化することでやるべきことが可視化できるという便利なツールではあるのですが、そこには時間の要素が無い。

ここが弱点では無いでしょうか。

先週はタスクごとの時間の見積もりや優先順位について少し触れましたが、それに加えてそれぞれのタスクをいつまでに終わらせるのかというスケジュールの概念を加えてみるというのはどうでよう。リスト化されたタスクを例えば1週間のスケジュールにどう落とし込むのかを考えるということです。
これにより、今の時点での優先順位がより明確になったり、仕事が終わらないもうひとつの理由になりうる「割り込み仕事」の管理にも役立つと思います。

そしてさらに今日のティップスとして提案したいのがペース配分まで含めて考えるとうことです。

これはヒントとなるとある考え方があるのですが、陸上の400メートル走ありますよね。「究極の無酸素運動」と呼ばれる競技の用です。私以前は400メートルのイメージとして「全力疾走をいかに長く続けられるか」という競技だと思っていました。トラック1周全力疾走。一番きついのかもしれません。

この競技のレジェンド選手がいらっしゃいまして「金丸祐三選手」陸上日本選手権、男子400mにおいて2005年から2015年にかけて11連覇をされている凄い選手なんですが、この競技に最も重要な要素として「ペース配分」を挙げられていました。400メートルでペース配分!?

400メートルという、短く、限られた距離の中での狙ったところで最高速度を出せるようにトレーニングを積んでいたのだそうです。これは驚きでした。目からウロコ、ちょっと信じられなかったですね。

短距離ですらペース配分が大事ということですから、ということはマラソン等長距離においては言うまでもありませんね。ペース配分が全てとも言えます。あなたの仕事についてはどうでしょうか?1週間、1か月、いや1日でみてもペースをしっかり配分して取り組むということができていますでしょうか?

仕事が遅い人は「スタートダッシュ」を試してみる

ということで今日のティップスとして「仕事の時間管理にペース配分という概念を取り入れてみる」ということをご提案できればと思います。

つまりこれは、片っ端からToDoリストのタスクに取り組み、常に全力ずーっと根詰めて仕事されてる方、それだと集中力は続きませんし、むしろ非効率となるでしょう。反対に、なかなかエンジンがかからずいやエンジンかけるそぶりもなくダラダラ長時間仕事をされている人もいる。時間通りに終わりますか?

ということでペーシングを行おうということですが、以前ご紹介した「ポモドーロテクニック」(25分・5分)リズムをつけることもいいでしょうが、加えて、例えば1週間のペース配分を考えてみる。

実は私これを意識するようにしてかなり1週間の充実度が変わったという経験があります。
自分の場合月曜日の朝充実していると、そのあとのペースが楽。月曜日は1時間早く出社して余裕をもって週刊計画を立てるということをやっています。

反対に私の知人は月曜日の朝はしんどいのでダラダラスタートして、週半ばから後半にかけて調子が上がるという人もいて、月曜朝にはあまり重要な打ち合わせを入れないようしているみたいです。

このようにペース調整は人それぞれですね。マラソンにも、スタートダッシュ型・ラストスパート型・コンスタント型等がありますね。

先行逃げ切りの人も居れば、瀬古利彦氏のようなラストスパート型の人も居るでしょう。アマチュアランナーがフルマラソンで4時間(サブ4)を切るためにはできるだけペースを一定に保つコンスタント型が推奨されているということもあるようです。

仕事においてはやはり自分が調子が出るやり方を見つけるということになります。

さて本日のテーマはもともとは「時間内に仕事が終わらない」という課題に対応したものでしたので、そんな人にはスタートダッシュ型をお薦めします。

私も意識してます。かつて日本マイクロソフトでWindowsのアップデートにも関わられたプログラマー中島聡さんの著書からヒントを得ております。

例えば、上司やクライアントから仕事の依頼があり10日間の作業時間があったとします。どんなペース配分で取り組みますでしょうか?

中島さんの推奨は、20/80の法則を基準に、「最初の20%の時間で8割終わらせる」つまり10日間あるなら最初の2日間で8割の完成度を目指す。残りの時間で仕上げる。

多くの人が逆やってしまっていませんか?

最後の2日間くらいで仕上げてる。締め切りの直前にならないとペースが上がってこない~なんて言い訳よく聞き来ますよね。それまでに何も手を付けてないということですから。そうなっていませんか?思い当たるふしがある人も多いと思いますよ。

最初の2日間で8割を目指すのには納得の理由があります。事前にどれだけ時間を見積もっていてもその見積もり通りいかないじゃないですか。

そして事前にわからなかった8割完成させてみて初めて分かるこのタスクの本当の重要点が浮かび上がってくるなんてこともあるでしょう。

更には締め切りをゴールにして作業ペースを作っていくと、例の割り込み問題が発生する可能性もあります。リスク管理のためにはとにかく作業の一連の流れのペースのピークをできるだけ手前にもっていくということなんですね。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
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