[導入事例] “声”を通して “選ばれる”サービスへ、顧客とのリレーション強化の兆しも - VoicyBiz
音声プラットフォーム「Voicy」には、ブランドが音声で発信する「声のオウンドメディア」とも言えるサービス(VoicyBiz)があります。
今回は、人材育成サービスを展開されていて、VoicyBizを活用するトレノケートさんからパーソナリティの田中さんと、マーケティング担当の伊藤さんのお二人に、Voicyで発信する目的やきっかけ、半年経った現在地と音声発信の効果等を伺いました。
[サマリ]半年前にVoicyで音声発信を始めて
【取組内容】
・公開頻度:月〜金(祝日問わず) 朝7時30分に公開
・放送尺 :10〜15分程度
・テーマ :人材育成、キャリア形成、学びのヒント
【導入経緯】
・新規事業開発部の新プロジェクトの一環として音声配信を開始。音声コンテンツの教材としての可能性の検証、幅広い研修の中でも特にビジネススキル領域の認知拡大と、既存顧客とのリレーションシップ強化を目的に導入。
【活用後の変化】
・既存顧客との関係性向上:現場の営業担当から「既存顧客との関係性」や「提供サービス理解」の向上の声
・認知度向上:リスナーのうち約6割が、Voicy経由でトレノケートのサービスを認知
・研修参加者の質の変化:熱量の高いVoicyリスナーがセミナー参加
トレノケート株式会社とは
トレノケート株式会社は、2022年12月で27年以上の歴史を持つ人材育成の専門企業です。「人材育成の未来を主導する」をミッションに、グローバルでは15拠点、国内では3拠点(新宿、名古屋、大阪)を構え、IT/ビジネススキル/DX推進まで幅広い領域で1500以上のトレーニングを提供しています。世界で最も優れたITトレーニング企業 20社に贈られる「Top IT Training Companies」に2020年から3年連続で選出されています。
お話を伺った方
中央)トレノケート株式会社 新規事業開発部 国家資格キャリアコンサルタント 田中淳子 さん
ビジネススキル分野の研修を開発、実施、提案支援など人材育成に関わるあらゆる仕事に携わっている。2003年にOJT制度支援、2016年からはキャリア開発支援に熱意を持って取り組んでいる。
左)トレノケート株式会社 マーケティング戦略部 リーダー 伊藤 博美さん
Webマーケティング・SI・SaaSプロダクト企業を経て2021年よりトレノケート マーケティング戦略部に入社。社外では AWS をはじめとするテック系コミュニティを精力的に活動。
右)トレノケート株式会社 代表取締役社長 早津 昌夫さん
トレノケートさんが運営するVoicyチャンネル「田中淳子の『人材育成』応援ラジオ」
[導入経緯]音声だけで学びを提供する。研修企業が新規事業プロジェクトとして音声発信を開始
— Voicyで企業チャンネル(VoicyBiz)を持った経緯を教えてください。
田中:会社の「チャレンジを楽しむ」というValueのもと、新規事業開発部としての取り組みを検討していた矢先、上司との1on1で「オーディオブックが注目されているらしい。コンテンツとしての”音声”を検討してはどうか?」という話が出ました。早速、調べていくと、「音声」×「教育」の可能性を探求できるのではないかと興味を持ちました。人材育成のサービスとして、見せる資料がない中で、聴いた人にどれだけ声が届き、理解につながるのかなどの、新しい可能性を探りたいと奮い立ち、すぐに音声発信の企画を立ち上げたんです。
特に、私たちのカウンターパートである、企業の人事部門、人材育成部門の方が社内の人材育成計画を立てる際、奮闘していることをよく知っていたので、こういう方を“応援”するような、人材育成がより進めやすくなったと思っていただけるような内容で発信してはどうかと企画しました。
当初、Voicyというサービス名は聞いたことがある程度で、様々な音声サービスの選択肢の1つとして認識している程度でした。音声活用の新プロジェクトを立ち上げる中で、VoicyBizのサービスの詳細を伺って音声配信の場としてVoicyを採用していくことに決めました。
— さまざまな音声プラットフォームがあるなかで、最終的にVoicyを採用した理由は何ですか?
田中:理由は2つあります。
1つ目は、様々な音声プラットフォームを調べ、使ってみる中で、ビジネスパーソンが最も聴いてるプラットフォームだと思ったからです。音楽や芸能人など様々な発信の「音声カオスマップ」を見ると、Voicyは「ビジネス」や「マネー」の分野が人気だと分かり、ビジネスパーソンが学びにくる場なんだと知りました。実際のサービスを触ってみても、UIがスッキリして使いやすく、検索のカテゴリで「ビジネス」がトップに表示されていることにも納得感を覚えました。
2つ目は、Voicy代表 緒方さんの著書「ボイステック革命」を読み、緒方さんの放送も聴いて、音声に対する熱量を感じ、サービスに好感が持てたのもVoicyを使おうという気持ちの後押しになりました。
— 実際の社内稟議ではどんな話をしましたか?
田中:色々調べてVoicyしかないと心に決めたので、社内稟議会議の段階では、発信手段はVoicyを使用すると絞ってプレゼンを行いました。
伊藤:そうなんです。マーケティング担当の私に声がかかった時には、もうVoicyとほぼ決まっていました。SNSなどで見ていても、ビジネスカテゴリの著名な方々が使っている印象がありました。
田中:社内稟議会議の前段階で、一次情報を取りにいこうと思い、実際にリスナーになるだろうと思われる顧客に事前インタビューを6社ほど行いました。その中で「朝の始業前に田中さんがためになる話や面白い話をしてくれるなら少しお金を払ってでも聴きたいと思う」という声があったため、自信を持って企画をプレゼンしました。さらに、新規事業ということもあり、とにかくやってみようという気運が高まり、関係者の合意がとれました。
[目標設定]さまざまな人材育成サービスの中から、「第一想起」されるサービスへ
— 最初はどういった目標を掲げて放送をされましたか?
田中:企画段階では「既存顧客とのリレーションシップ強化」「新規顧客開拓」「人材獲得」の3大目標を掲げました。
1つ目の既存顧客とのリレーションシップ強化は、企業の担当者が人材育成の計画を立てる際、「トレノケートにまずは相談しよう」「トレノケートに育成を依頼しよう」というように、真っ先に想起していただける状態を作りたいなと考えました。
2つ目は、会社の認知度を上げて新規開拓に繋げることです。まだまだ国内で社名が知られていないので、認知度を上げて、サイト流入を増やしたり、新規企業から人材育成に関するご相談を頂戴したり、そういった機会を増やすことを狙いました。
3つ目は、自社の人材獲得という採用の要素です。研修講師や人材育成の仕事という価値のある仕事が世の中にあることを知ってもらって、優秀な人材の採用に繋げられたらと考えました。
[活用後の変化]リスナーのうちVoicy経由で会社を認知したと回答した人は約60%、既存顧客からの好感の声も
— 実際立てた目標と、半年経った現在で変化はありますか?
田中:「既存顧客とのリレーションシップ」の面では、一部の顧客とのリレーションがより強化できた実感はあります。セールス部門からは、「商談のアイスブレイクがスムーズに進むようになった」「担当のお客様がVoicyを聴いてくださっていて、トレノケートに対してより好意的になった」という話が出ており、感謝されることも。ただ、まだその声は少ないので、さらに既存顧客へのリレーション強化は進められると思っています。
「会社の認知度」に関しては、2022年9月にリスナーにアンケートを取ったところ、約60%がVoicy経由で会社名や事業を認知したことがわかりました。IT技術専門の研修サービスを提供している印象が強く、それ以外の研修分野(ビジネススキルやキャリア開発支援など)の領域も担当していることや会社名自体も知られていないことは課題でしたが、Voicyによってさまざまな業界・職種の方との新しい出会いの場にできました。
— 音声によって会社を好きになっていただけてるんですね。現在、チャンネルが着実に広がっていますが、新たな目標はありますか?
田中:まず、元々立てた目標の達成は大切にしていきます。放送開始前に立てた「フォロワー数」「リスナー数」といったKPIは早々に達成しましたが、さらに増やしていけたらよいと考えています。人材育成をテーマに発信をしていることもあり、マネージャーやリーダークラスのリスナー層が多く、マネジメントの一貫でコンテンツを活用いただいているケースもあります。私の発信が、一般社員の方まで幅広く聴かれるようになっていけば、研修などの事前事後の学習として使えたり、日々の自己啓発に役立てていただけたりもするだろうと考えています。あとは、新規案件や人材採用に繋がるような結果をひとつでも多く積み上げていきたいですね。
伊藤:そうですね。リスナーアンケートの回答や周囲の反応を見ていると、非常に高い評価をいただいているので、田中の声を通じて田中自身やトレノケートという会社を好きになってくださり、そこから弊社サービスをご採用いただけるようにつなげられたらと思います。
田中:現時点でも放送内で無料セミナーを紹介すると、「Voicyでセミナーを知った」という方が1割ほどいらっしゃったこともありました。こういう無料セミナー参加者から「放送、毎日聴いています」と声をかけていただくこともあります。弊社のサービスに触れていただく機会になるので、これからも放送内で様々なご案内をしていきたいと考えています。
伊藤:こういう新規事業は、どうしても目先の「サイト流入数」「問い合わせ数」などに目が行きがちですが、実際運用してみての発見は「田中さんと直接会話したい」「会ってみたい」という熱量の高い気持ちで無料セミナーやオンラインの相談会に申し込んでくださる方がとても多いということです。そう考えると、放送内であれもこれもと網羅的にサービスを訴求したり、すぐにサービスの販売などに繋げようとするのではなく、とにかく、リスナーの皆さまと深い関係性を築いて、その結果として質の高い流入に繋げていきたいという思いに変わりました。
[社内の声]代表取締役社長 早津昌夫さんからのコメント
— 代表の早津さんからもコメントをいただきました。
早津:今回のVoicyでの番組立ち上げは、当社のMission・Value(※)に合致する取り組みの1つだと思っています。先ずは半年間の仮説検証をし、今後の施策や課題を具体化するためのチャレンジでした。今、想定以上にリスナーやお客様から多くの前向きなコメントが届いていることは大変嬉しいことです。このご期待に応えられるように今後も新しいチャレンジをし続けて欲しいと考えています。
※Mission:人材育成の未来を主導するValue:チャレンジを楽しむ
音声発信を検討されている企業の方へ
—— 音声発信を検討中の企業へ向けたアドバイスをお願いします。
田中:個人のパーソナリティと異なり、法人として毎日放送するというのは非常にハードルが高いだろうと想像します。企業イメージを守る、あるいは、高めるためにどういう発信をしていくか、考え過ぎるあまり心配ごとが多くなり、躊躇する企業、あるいは、社員もいらっしゃるかもしれません。
私の場合は、20年以上の文字による情報発信の経験があり、SNSの世界観もなんとなくは実感していたので、音声で毎日何かをお届けすることへの抵抗は少なかったことが毎日続けられている理由ではあります。でも、そういう過去の経験とか習慣という以前に、「人材育成」に関わる方たちを“応援したいのだ”という強い想いのほうが重要だと考えています。パッションを持って配信していくと、その気持ちはきっと少しずつ伝播していくものだと思うのです。
私は間もなく60歳ですが、50代60代のシニア社員が、これまでの経験や知見を活かして、会社をアピールしつつ、社会に役立つ情報を発信していくことに価値があると思っています。
年長者しか経験してこなかったこと、今では触れることができない技術とかモノとか、若い世代に伝承していくことは、後に続く方たちのため、社会のためにもなります。そして、シニア自身もきっと元気になります。
色々な法人チャネルの立ち上げ方があると思いますが、ベテランが取り組むというのも一つの選択肢として、怖がらずに挑戦してみるのもおススメです。
2022年9月取材
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新規事業として、新しく「音声」という分野で発信を始めたトレノケートさん。チームで運営し、アンケートなどで実際の声を取りにいくことで効果を可視化し、会社全体を巻き込み運営をしていらっしゃいます。開始半年に関わらず熱量の高い反応が感じられていることが印象的です。
Voicyでは伴走サポートもご用意しておりますので、少しでも興味を持ったという方は、お気軽にご相談ください。
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