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星野源 有観客Live ファンミーティング

2月27日、横浜アリーナで開催された、星野源さんのLiveに行ってきました。
2019年に、イエパス会員(年に一回発行される、イエローマガジンという星野源さんの本を購読した)だけを対象とした、初のファンミーティングを開催するはずが、コロナ禍となり、やむなく中止された、そのリベンジLiveが、大阪と横浜で開催されたのです。

開場に合わせ出かけてみれば、横浜アリーナの周囲は人で溢れかえっていて、入場が始まっているにもかかわらず、なかなか前に進みません。
数十分かかって、ようやく館内に入ったときは、冷たい小雨も降り始めていたこともあって、ぐったり。
後で友人とも話したのですが、こんなに入場に時間がかかったのは、初めての経験でした。

今回、私の席はスタンドの東側。
いわゆる3階席で、ステージが中央に設ているのが見えます。
以前、さいたまアリーナで開催されたLiveのスタンド席。
あまりの高さに、怖さを感じましたが、目が慣れてくるほどに、会場全体が見渡せてテンションも上がるというもの。

星野源さんが登場すると同時に、周囲の人たちは総立ち。私は脚が悪いのと、スタンド席の急勾配は危ないので、椅子に腰掛けたまま。前の席の人に塞がれて、実際の姿はよく見えませんが、大画面に映る源さんや、バンドメンバーを見た瞬間、泣きそうな感覚に。
私だけじゃない、ファン皆んながこの日を待っていたのだなぁと、3年間の時間の長さを思い知らされた瞬間でした。

「化物」のイントロが始まって、会場は小さめの歓声にわきました。
というのも、会場アナウンスで、自然に出る声は出してもいい、小さめな声だったらOKとの許可が下りたのです。
まさか声を出してもいいと言われるとは、思いませんでした。
昨年の、タイの推しのファンミでも、マスクをしているにもかかわらず、声を出してはいけないとの禁止令が出されて、声出し、歓声に慣れたアーティストも困惑していたのを思い出しました。
あれから半年も経たず、マスク越しではありますが、声出しOKに。
これからは、アーティストも存分にパワーを発揮できることでしょう。

化物の次は、「桜の森」 大好きな曲です。特にイントロ、アウトロが最高。
そして詞が、野田秀樹さんが書いて上演した、贋作「桜の森の満開の下」という作品にヒントを得たと、源さん自身があるインタビューで話していたとか。贋作と称しているだけに、元は歌舞伎の作品から来ているようで、数年前、一度、舞台を収録したフィルム上映会があり、それを観に行ったのですが、なるほど妖艶な、えも言われぬ世界観でした。

「ミスユー」 この曲は、確か初めて聴く曲。私が源さんのライブに行くようになってからの記憶です。が、ずいぶん昔の曲です。なのに、全く古びることのない、詞と曲。まだ、若かったはずなのに、どうしてこんなに、雰囲気のある作品が書けたのだろうと、思わずにはいられませんでした。
どの世界でもそうですが、この世界に生きるために生まれてきた人、というのが存在していると常々感じていて、スポーツ選手然り、芸術家然り、ミュージシャン、俳優然り。
源さんも、そのひとりなのだと強く思います。実際、高校を卒業後、音楽と役者の仕事を初めて、他の仕事に就くことがなかったのですから(生活のため、アルバイトはしていたそうです)

「present」のイントロが流れて、コロナ前、東京ドームで観たときの照明の煌めきを思い出しました。あの頃の源さんは、とても精神的に追い込まれていて、後で聞いた話では、ドームツアーが終わったら、しばらく音楽からハンれようと思っていたそうです。リリースしたときも、最高に苦しい時に作った歌だったと話していましたっけ。
なのにとても豊かな音遣いと、アレンジ、旋律共に変化に富んでいて、サビの部分で大きくメロディが変化するところが、とても好きだったなと、思い出しながら、今回も熱いものが込み上げてきました。

音楽は、そのときそのときの、置かれている環境や感覚、感情と深く結びつく時があります。それはミュージシャンも聴く側も同じ。でも、内容までは違う。共感、共有とは異なるものだと思います。

「不思議」歌を歌う前に、源さんはこの曲を作ったことで、自分の音楽が変わったと実感したとか。アレンジもイントロが、一音だけ小さめのジャンという音ですぐ歌に入る、源さんにしては珍しい作り方です。今の流行りはイントロが短かかったり、なかったりする傾向にあり、それに倣ったのかなとちょっと思いましたが、イントロがあるのもないのも好き。その曲にあったイントロ、長さがあると話していて、自分の音楽の作り方に、こだわりがあるんだなと思った記憶があります。

この曲は、ボイトレで歌った曲でもあります。源さんの曲は、あまり難しそうに聴こえない傾向にありますが、実際、歌ってみると難しい。トレーナーさんも、それを話していました。
コロナ禍で、人が集まることを制限したり、自粛を要請していた時期、MVを作成するにも苦心したことでしょう。
誰もいない羽田空港を借りて、源さんひとり椅子に座っているシーンから始まります。まもなく犬が一匹、結局、最後まで登場したのは、源さんと犬だけという、無機質的な映像が、コロナ禍でコミュニケーションが取りにくい現実と、それによって心が冷えていく、そんなイメージのMVでした。いつか、また元のように、たくさんの人が集まる時が来るのかな…そんな不安あ日々でした。

「うちで踊ろう」 この曲はいろんな意味で、話題になりましたね。源さんの考え方が、詞全体にに詰め込まれていて、響いた人、気付かされた人がたくさんいたと思います。もちろん私もその一人。
今回、暫くぶりに聞いて、実はある出来事を思い出していました。それをこの場で、話すことは控えたいと思いますが、それだけで、「あゝ」とわかった方がいるかと思います。
考え方はそれぞれなので、これ以上は差し控えます。

「SUN」 私が源さんの存在を認識した、初めての曲です。
正確に言えば、もっと前、NHKのLIFEというコント番組で、源さんのことはよく知っていました。内村光良さんや、ムロツヨシさんと一緒にコントをしていたのです。なぜかわかりませんが、ミュージシャンとしての星野源さんを認識したのは、SUNのはずなのに、LIFEに出ている源さんを見ながら、歌手なのにどうしてコントしてるのだろうと思った記憶が今もあります。不思議です。
この曲で、紅白初出場を果たしました。そこから恋へと繋がっていく、源さんにとっても私たちにとっても思い出深い曲。
そういえば、今回「恋」がセットリストにありませんでした。

「Continues」 大好きな曲です。曲調に特徴があって、初めて聴いた時は?なんとなく和のイメージが湧きました。それが何度も聴くうちに、大好きな曲になっていったのです。
埼玉アリーナで、初めて源さんのLiveに行った時に聴いた曲、実は、初めて源さんのLiveに行ったときに、初めて歌ってくれた曲がこれです。
いくつかチケットを申し込んだのですが、すベて落選。がっくり肩を落としていた時に、追加公演のお知らせがあって、ラストでやっと当選。
初めてのアリーナは、ものすごく大きくて、しかもスタンドの最後列。あまりの高さに目が回りそうになりながら、必死に座席の手すりにつかまっていたことを思い出します。
幸い、席の位置がど真ん中、遠くはありましたけど、すべてが望める最高の席でした。この時から、星野源という人と音楽、彼が奏でるギター演奏が大好きになり、コロナ禍前まで、毎年Liveに通うことに。

「ある車掌」 この曲は、源さんの初期の曲。確か、NHKの教育テレビ(今のEテレ)のある番組のテーマソングだったという話でした(エンディングかオープニングかはわかりません)
この頃の曲を聴くと、コードが難解。あえてコードと言ったのは、ここ数年前まで、彼はギターで作曲をしていたからです。むかしむかし、子供の頃、父の同僚の音楽の先生が(父は中学の教師でした)曲というのは、旋律に関して、この音の次にはこの音がくるという約束事があるそうです。
でも源さんの曲は、ことごとくそれを打ち破っています。常識や安定、既成事実といったもので縛られない、自由な発想が溢れているのでしょう。それが今も変わらずにあって、新曲を出すたびに、ファンはもちろん、バンドメンバーや音楽の専門家から、いつも斜め上から投下してくると驚かれる。今回は、セットリストになかった「創造」は、バンドメンバーが演奏するのに四苦八苦したそうで、簡単には演奏できないそう。それでもNHKの「SONGS」で演奏してくれたときは、素晴らしいアレンジと歌唱でした。


「日常」 この曲も初期の頃の曲で、今回聴けるとは思いませんでした。
どちらかというと、SUNがヒットした頃に、ミュージシャンとしての星野源さんのファンになったので、初期の頃の楽曲には、それほど馴染みがないというのが、正直なところです。シンプルで、素朴な歌い方が特徴だった時代。そこからSUN、そして恋と、楽曲の傾向が変わってきて、素朴さからの脱却とでも言うような、複雑な音を駆使して、メロディも個性的。当時はそれをyellow musicという呼称で、独自の音楽性を発揮し始めていました。
あれから数年が経ち、源さんの意識も音楽性も変化し続けて、今はその呼び方もしなくなっています。

日常を聴くのは、本当に久しぶりでした。
今までLiveでも聴いたことはあったはずなのに、今回、初めて涙が止まりませんでした。
こんなにも胸に刺さる歌詞だったのかと驚きながら、思ったのは、この数年の世の中の状況や、私自身が置かれている環境の変化が、リリースされた時期〜三年前以上に、胸に響く内容になっていたということでした。
まさか、この曲で涙が止まらなくなるなど、思いもよらぬこと。
歌い終えて、源さんからも「この三年間苦しかった思いが、詰まっていると感じた」という話がありました。昔の曲なのに・・・
源さんの楽曲の、普遍性を改めて実感した瞬間でした。

「喜劇」 この曲は、アニメ「SPY FAMILY」 の第一期のエンディング曲に登用されてヒットした曲です。
星野源さん曲が好きで、ボイトレではほとんどの練習に、源さんの曲を歌っているのですが、この曲は、最近まで歌っていました。源さんの曲はどれも難しく、地声とファルセットの境目が滑らであることなど、課題がたくさんあるので、なかなか卒業できず、この曲も半年近くかかったかも。
イントロも特徴的で、ジャンと一拍あるだけですぐに歌が始まるのと、ツーコーラス目の入るカウントを数えるのに苦心しました。
そういう難しさに直面すると、さすがプロのミュージシャンだなと痛感します。それをいとも容易く歌っていくのがプロなのですね。
苦労して覚えただけあって、マスク越しに歌っていました。

今回は、マスク越しなら歌っていいという許可が出たので、小声ではありましたが、ほぼ全部の曲を歌いました。歌いながら、この三年間Liveがなかったのに、歌詞は覚えていたことに、自分でもちょっと驚きましたが、ずーっと聴き続け、歌っていると忘れないものですね。

「Hello Song」 源さんの歌は、これがラスト。
この歌は、曲もそうですが、歌詞がとっても素敵。
この何年間か、Liveでは必ず歌ってくれていた、定番の曲です。
どこの誰か知らないが、という歌詞から始まるHelloSongは、いろんなことを乗り越えてきた、(骸を越えてきた)これからもいろんなことがある世の中だけど、元気でまた出会いましょうという、メッセージがこめられていて、毎回、最後に源さんが、客席に向かって叫ぶようにメッセージをくれるのが、とても胸に響いて、「あゝ、また来年も源さんに会いに来よう」そう強く思わせてくれる、力をくれる元気をくれる曲なのです。

3年の間、生のステージLiveはできませんでしたが、この間も源さんは、新曲を出し続け、休むことなく音楽活動を続けていました。そしてその楽曲も、一曲出すごとに、斜め上にいく成長、発展ぶりを発揮していました。ギターで作曲していたのが、ピアノや打ち込みでも作曲を始めて、そこから彼の音楽は変化をし始め、今までなかった音、旋律、リズムが生まれました。大きく広がった音楽は止まることを知らず、今も広がり、膨らんでいます。
それを今回、Liveで感じて帰ってきました。


で、源さんの、というのは、実はその後もお楽しみがあるのですが、最後まで書くと、あまりに長くなるので、この辺でPart1は終わりにします。
そしてもう一つ、とても嬉しいことがありました。
実は、Liveの数日前にちょっとしたことがあって、自分の耳、感覚に対してある思いが湧いていたのです。
それについても、Part2で触れたいと思っています。

長々と書いてしまいました。
読んでいただき、ありがとうございました。
続く・・・



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