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青い洋服展までの経緯④

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村上春樹さんの小説には、素敵なワンピースの描写がたくさん出てきます。
しかもブルーが多いのです。

『ノルウェイの森』では、
彼女はとてもきちんと化粧をして金のイヤリングをつけ、
深いブルーの素敵なワンピースを着て、上品なかたちの赤いパンプスをはいていた。
僕かがワンピースの色を賞めると、
これはミッドナイト・ブルーっていうのよとハツミさんは教えてくれた。
外に出ると夜の空気はずいぶん冷ややかになっていた。
ハツミさんは淡いグレーのカーディガンを羽織った。
(中略)
僕にもあなたみたいなお姉さんがいたらよかったなと突然思ったんです。
スマートでシックで、ミッドナイト・ブルーのワンピースと
金のイヤリングがよく似合って、ビリヤード上手なお姉さんがね。

という描写があります。

このミッドナイト・ブルーのワンピースが
素敵だなぁとずっと思っていました。

また、『海辺のカフカ』では、
彼女は裾の長い蒼い服を着ている。
ずっと昔どこかで着たことがあるドレスだ。
歩くとその裾がかすか な音を立てる。
窓の外には浜辺がある。波の音が聞こえる。
誰かの声も聞こえる。風の中に潮の匂いかが感じられる。

という描写があったり。

春樹さんの小説には、料理の描写がたくさん出てきます。
スパゲティを茹でて食べたり、オムレツを作って食べたり。
そんな料理の描写を集めてレシピを掲載した
「村上レシピ」という本があります。

また、春樹さんの小説には、
ジャズやクラシックの音楽がたくさん流れていて、
それを紹介する本が何冊か出版されています。

かおりさんとそんな話していて、
「料理や音楽はあるけれど、洋服ってないよね。
 春樹さんの小説に出てくる洋服展とかやったら素敵ね!」
なんていう話になったのです!

それはなんて素敵なんでしょう。
私がぜひやりたい、と思いました。
もし可能なら、ノルウェイの森に出てくるミッドナイト・ブルーのワンピースには、
『ノルウェイの森』というタグが付けられたら、
ファンとしてはたまらない!なんて思ったわけです。

でも著作権の問題もあるし、ご本人の許可を得られるなら・・・
という一縷の望みで、春樹さんのお手紙を書くことにしました。
もちろんご自宅の住所はわからないので、
(大磯に住んでいらっしゃることは、大橋歩さんの雑誌「アルネ」で知っていたのですが)
新潮社の編集部にお送りすることにしました。

長い長い手紙を書きました。
春樹さんの小説をどれくらい前から読んでいて、
いかに好きか、どれだけ好きか、ということから、
青い洋服展をやりたいこと、そこに至るまでの経緯、
タグを付けたいこと、そして図々しくもぜひお会いしたい、
ということまで、とにかく想いのすべてを書いてお手紙を出しました。

そのお手紙が、春樹さんの手元へ届いたのかは、わかりません。

それが、2018年2月の初旬でした。

(続く)

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