ママ、だいじ。

息子が2歳になった。

あっという間だったという感覚もあるが、まだまだ毎日が手探りだ。

そんな息子のことで心配していたのは発語のことだった。

こちらの話していることがわからないというわけではないし、全くしゃべらないというわけでもない。

しかし、「ママ」から先の言葉が出てこない。

りんご、にんじん、アンパンマンパン…

少しずつ単語は増えるけれど、二語文になる気配はない。

散歩に出れば、赤ちゃんの頃から「これは黄色い車だね。」とか「このお花はパンジーっていうんだよ。」とか話しかけていたはずなのに…

周りの子はもうたくさんしゃべれるのに、どうしてうちの子は「ママ」と「アンパンマン」しかしゃべれないんだろう。

周りと比べてはいけないと思いながらも、同じ月齢の集まる息子の検診や公園では何とも言えない焦りがあった。

そして同時に、誰からともなく自分の子育てが間違っていると暗に言われているような気がしたのだ。

だが、2歳になる直前に息子がぽたりと一言呟いた。

「ママ、だいじ。」

私が驚いた顔をしていると、息子がまた

「ママ、大事!」

と、抱きしめる仕草をした。

息子がどれくらい「大事」の意味を理解しているかはわからない。

でも、「ママ、大事。」と確かに言ったのだ。

子育ては時にとても孤独だ。一喜一憂の連続で、悩みが尽きることはない。

そんな毎日の中で、息子に愛情が伝わってくれればと願っている。

こんなに不器用な母を大事に想ってくれてありがとう。

たくさん素敵な言葉を覚えていこうね。






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