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博論日記(3):多義語って結局は何なのだろうか?
はじめにー多義性ってなんだろう?ー
多義性というのを説明するには、ある語が多義かどうかを説明しても不毛であるということに気づいた。今日も、ツイートをベースにして自分の研究を考えていきたい。今日も、結局多義って何?と考えて日が暮れてしまった。
コミュニケーションはコードモデルだと主張する論文に何本か出会った。フレーム意味論が否定しそうな分野であるかなと思う。
— Hisanori Iijima (@cogedu3121) April 12, 2024
コミュニケーションは文字という名の「コード」を伝えるのではないことはもう認知言語学なら明らかだろう。特に、フィルモアのフレーム意味論の台頭、また、コーパスの出現によって、それが明らかになっている。
言葉の選定において、メタファーから来たものと、メトニミーからきたものと、イメージ・スキーマ由来のものとか分類しているけど、文脈と意味の数がキーワードになると思いました。
— Hisanori Iijima (@cogedu3121) April 12, 2024
でも、多義を実験する以上、考察する以上は、具体例を必要として、その具体例がバラエティに富んでいるものであればあるほど良い。例えば、認知言語学には、メタファー・メトニミーといった概念があるが、それについてはどのように分類するのか。それについては何本か論文が出ている。そこに新規性を求めるよりも、結論に新規性を求めた方が良い。そういう論文等を参考にして、自分なりの解釈と単語の選定を行う。
先日、後輩が「フレーム意味論の視点から捉えた単語の脱曖昧化」みたいな?論文を送ってきたんだけど、脱曖昧化を説明しても、それは文脈主義の主張を繰り返しただけで、基本は、Recanatiとかの議論と変わらないと思った。でも、手法が最高。
— Hisanori Iijima (@cogedu3121) April 12, 2024
そうそう、それで考えたのが、僕の実験の要である「多義であることをどのように証明するか」である。自然言語処理の手法は、認知言語学の手法の一部であって、内省・コーパス実験などさまざまな手法があることを忘れてはいけない。量的転換が行われているが、量的に「取って代わられる」というのは筋違いだ。
脱曖昧しても、多義性を説明したことにならないし、そもそも多義語が多義語であると決定するために、語源的由来が必要なこともある(特に理論系の学会ではそこを問われる)。
— Hisanori Iijima (@cogedu3121) April 12, 2024
多義性を説明することは、他の概念(特に曖昧性と同音異義性)について説明する必要がある。新しい理論は、そこを基盤としている。
例えば、I went to the bankって2種類の解釈が可能だと思うけど(もっとたくさんあるかもしれない)。これがでは仮にもう1つの文が前後にあっても、bankの意味が特定されるだけであり、多義性を説明することにはならないのではないか?と思った。
— Hisanori Iijima (@cogedu3121) April 12, 2024
そんなことを考えた。多義であると説明するには、その関連概念も説明しないといけない。多義であるか、そうではないかは、言語によっても、国によっても異なるからね。
— Hisanori Iijima (@cogedu3121) April 12, 2024
実は、人間は意味をつけることが得意な生き物である。関連性というのもその意味で使われるが、なんでも関連性理論に逃げる(といったら創始者の方に失礼だけど)というのは良くないと思う。それが関連性理論であるということを証明する方法はないだろうか(模索中)。
人間は意味のないものにも、意味づけをすることが知られている。ここは背理法的に、意味同士に関連があって2つ以上の意味が「ない」ものではないから「多義である」という証明ができるのではないか?
— Hisanori Iijima (@cogedu3121) April 12, 2024
これは先ほどと同じように、周辺の概念を説明する必要があるんだけど曖昧性というのは多義を研究する上でついて回る。それを取り除くことができないとして、多義性の理論を構築するのはなかなかに大変だ。
まとめ
こうして自分の研究した形跡を夕方にまとめていくのは良いと思った(まとめになっていない笑)。
本日は、多義語が多義語であるためには、というテーマでお話ししていきまひた。フレーム意味論的視点を取り入れて、もう一本くらい論文書けるかなと思いました。あと1年、頑張ります。
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