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第810回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」 生命保険の銀行窓販増加も不正確な情報提供に懸念も😥

本日の記事:
「銀行窓販と 残念な偏見」
原題:
" Bancassurance and regrettable prejudices "

記事リンク:https://english.thesaigontimes.vn/bancassurance-and-regrettable-prejudices/


(写真:生命保険は、医療への公的投資がまだ限られている現在、社会の発展、特に医療分野に貢献している )


【本日のポイント】

(1)ベトナムでは生命保険・医療保険の銀行窓口での販売(バンカシュランス)が広く浸透して実績を伸ばしているが、これによる問題も出ている

(2)1つには銀行員の知識不足による不十分、もしくは誤った情報提供による販売。
さらには、銀行融資の条件として保険商品の販売を「強要」するケースも問題視されており、窓口での保険販売の停止を命じられる銀行も出てきている。

(3)公的医療や補償が弱く、保険商品の販売は今後も高い伸びを見せると思われるベトナムだからこそ、今後、こういった問題も急増せぬよう、ベトナム政府も目を光らせている。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

まず、みなさん、今日の英文記事のタイトルでBancassurance(バンカシュランス)って何かご存知ですか?

これは「Bank」と「Insurance」の合成後で、「銀行が販売する保険商品」のことをいいます。

日本だとよく「保険商品の銀行窓口での販売」、略して「銀行窓販」とか言いますよね。

この記事によると、

「先進国では、バンカシュアランスが保険契約全体の3分の2以上を占めています。」ってあるんですが、そうなの??

ちょっと調べてみたらスペインやフランスなどでは保険の銀行窓販は6−7割ほどあって保険販売のメイン手段になっているようですが、アメリカなどではそれほどメジャーではなく、記事が書くほど「先進国では」ではないと思います。

日本では明らかにメジャーではないのは私の感覚でもわかるので、念のため保険販売における「銀行窓販」の比率を調べたら2017年時点で6%弱ほどでした。

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(参考)
銀行による保険窓販に関する消費者アンケート調査結果 報告書(2017年)

https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news290314.pdf



日本では保険の銀行窓販自体、2007年に全面解禁されるまでは規制されていましたし、まぁ、「ニッセイのおばちゃん」じゃないですけど、すでに各生命保険会社による巨大な販売網が浸透していますから、あまり必要性も高くなかったですしね。

ただ、ベトナムのように保険商品自体が「これから」と言う国では、すでに全国に網羅されている銀行窓口を利用しての保険商品販売はメリットがあると思います。

ただ、この「銀行窓販」、ベトナムでちょっと問題になっております。

一つは、やはり、銀行員なので、保険商品についての知識が不足しており顧客に誤解を与えてしまう、と言うこと。

さらにまずいのは銀行が融資をする際に融資額の1~3%に相当する保険に加入するよう顧客に強要しているケースが出てきているようです。

実はこれは日本で保険の銀行窓販を導入する前にも「解禁反対派」の方の懸念として度々、指摘されていたことです。

そりゃ、お金貸して欲しい企業からしたら、そのタイミングで言われると断りにくいですもんね。

いわゆる「優越的地位の濫用」ってやつですよね。

なかには、「生命保険へ加入してくれたら貸付金利を低くしてあげるよー」と保険加入を薦める銀行もあるようです。

まぁ、保険を「商品」として捉えれば、それを販売する手段として否定するほどでもないのですが、やはり、保険は生命や医療、家族の人生に関わるものなので、きちんとした情報のもと、そういったリスクを検討した上で加入するのではなく、「入らざるを得ない」みたいな感じで加入するのはまずいですよね。

とはいえ、うちの親世代なんかは60年前、「金利の良い金融商品」として、生命保険に加入していたのも事実で、保証内容については「よーしらん」みたいな人も多かったのも事実でしょう。

この辺りは「本音と建前」の世界でしょうが、いずれにしろ、日本に比べて、公的な医療保障が弱いベトナムでは、生命保険、医療保険は今後も伸びていくことでしょうから、正しい知識とリスク認識を元に自分のライフプランに適した商品を購入して欲しいものですね。

以上 豊田英司
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