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第942回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ベトナムで胎児の心臓カテーテル治療、東南アジアで初

本日の記事:
「ベトナムの赤ちゃんが胎児心臓カテーテル治療を受け退院、東南アジアで初めてのケースとなる」
原題:
" Vietnamese baby discharged after foetal cardiac catheterization, first case in SE Asia "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/society/20240219/vietnamese-baby-discharged-after-foetal-cardiac-catheterization-first-case-in-se-asia/78356.html


(写真:2024年1月初旬、ホーチミン市の第1小児病院で胎児心臓カテーテル検査を受け、2月15日に退院する息子を抱く母親のLさん)


【本日のポイント】

(1)ベトナムの男児が重度の先天性心臓異常と診断され、東南アジアで初となる胎児心臓カテーテル治療を受け、成功裏に退院した。
この治療はホーチミン市の第1小児病院で行われ、乳児は2週間以上の治療とケアの後、健康状態が著十分改善された後、退院した。

(2)男の子の母親はダナン市在住の26歳のL.さんで、彼女はダナン病院での妊娠検査で初めて子どもの先天性心疾患を知った。
重篤な状態が判明し、子どもを救うためにホーチミン市のTu Du病院で胎児心臓カテーテル治療が決定され、今年1月4日に手術が行われた。

(3)治療費用は1億ドン(約4,100米ドル)と見積もられ、健康保険でカバーされた。治療後、新生児は特に動脈管ステント挿入の必要がないなど、他の同様のケースと比較して良好な健康状態を維持しており、退院後1ヶ月間の経過観察が予定されている。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

まず、タイトルにあるfoetalという単語は知らなくて、これは調べるとFetusと同義で、これは「胎児」という意味ですね。

で、cardiac =心臓の、catheterization=カテーテル挿入については、私が以前、勤めていた医療機器の世界的メーカーは、これ関連の製品を出していたので、知っていたので、

「へー、ベトナムで、胎児の心臓にカテーテルを挿管する手術なんかできるんだー」

と驚きました。

と、いうか、お母さんのお腹の中にいる「胎児」の時に外科的な手術ができる、ということを初めて知りました。

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胎児手術とは(慶應義塾大学病院ウェブサイトより)

胎児治療とは、赤ちゃんの病気を出生前に診断して、母体の安全を確保しつつ、生まれる前の赤ちゃんに治療を行うものです。

母体に薬物を投与するなど、比較的身体への負担の少ないものから、妊娠子宮を開いて直視下に胎児に手術を施すなどの負担が大きいものまで、多様な胎児治療の試みが始まっています。

身体への負担が大きい治療では、治療後に妊娠を継続させる技術がまだ十分に確立されておらず、胎児が娩出される危険が高くなります。

このため、胎児外科治療を適用するのは、生後の治療では救命することが極めて困難な病気や状態に限られています。

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と、いうことで、日本でも、そう易々とできる手術ではなく、あくまでも出産後では、間に合わない場合の措置のようです。

東南アジアでの症例は初ということで、シンガポールやタイの病院でもしていないことをベトナムの病院で行った、ということは、それなりにチャレンジングなことではないのでしょうか?

「ベトナムの治療レベル」については、分野や難易度によって、さまざまなご意見があるようですが、これは、どう考えても、かなり難易度の高い手術をこなしたのであろうと思います。

いずれにしても、退院した赤ちゃんが予定されている1ヶ月後検診でも、元気でいることを心からお祈りします。


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(記事の日本語訳)
2024年1月初旬、ホーチミン市の第1小児病院で胎児心臓カテーテル検査を受けた男児を抱くLさん。

彼女の息子は2024年2月15日に退院した。

ベトナムの赤ちゃんが胎児心臓カテーテル治療を受け退院、東南アジアで初めてのケースとなる


重度の先天性心臓異常と診断されたベトナムの男児が、最近、ベトナムおよび東南アジアで初めて胎児心臓カテーテル治療を受けた。

この治療が成功したのはホーチミン市にある第1小児病院であり、乳児は先週退院した。

2週間以上にわたる治療と心臓カテーテル治療後のケアを経て、医師たちは2月18日、このようなインターベンション手術を受けなかった同様の重篤な異常を持つ他の乳児と比較して、健康状態が著しく改善された状態で退院したことを報告した。

この男の子の異常は、右心室の低形成と肺動脈弁開口部の欠如を特徴とし、ダナン病院で最初に発見された。

母親のLさん(26歳、ダナン市在住)は昨年、同病院で初めての妊娠検査を受け、そこでこれらの先天性心疾患が発見された。

L.さんはその後、2023年11月初旬にホーチミン市のTu Du病院に転院した。

タインニエン(若者)新聞が医療関係者の話を引用して報じたところによると、Tu Du病院の医師は、男の子の重篤な状態が母親の子宮内または出生時に死亡する危険性があるとして、男の子を救うために胎児心臓カテーテル治療を実施する決定を下した。

1月4日、Tu Du病院と第1小児病院の専門医により、インターベンション手術が行われた。

Lさんは1月30日午前、妊娠37週で体重2.9kgの男児を無事出産した。

その日のうちに新生児は第1小児病院へ移送され、さらに手当てを受けた。

小児病院では、新生児は肺動脈形成術を一度受けたが、特に動脈管ステント挿入の必要はなかった。

これは、医療チームによって強調されたように、胎児心臓カテーテル検査を受けなかった他の同様のケースとは対照的である。

旧正月初日の2月10日、赤ちゃんの母親は初めて母乳を与えるために病院を訪れた。

彼女は5日後に息子が退院するまで病院に滞在した。

赤ちゃんの治療費は1億ドン(4,100米ドル)と見積もられ、健康保険でカバーされた。

医師は、退院後1ヶ月の経過観察が予定されていると述べた。

この経過観察では、心臓血管の状態を評価し、さらなる治療が必要かどうかを判断する。

第1小児病院の循環器科副部長であるドー・グエン・ティン医師は、これはベトナムと東南アジア全体で初めての心臓治療であると述べた。


以上 豊田英司
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