第1017回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ハイネケン、市場需要低迷によりベトナム中部のビール工場の操業を停止
本日の記事：
「ハイネケン、市場需要低迷によりベトナム中部のビール工場の操業を停止」
原題：
" Heineken to cease operation of central Vietnam brewery due to weak market demand "
【本日のポイント】
（１）ハイネケンのベトナム工場操業停止；
ハイネケンはビール販売の低迷を受け、ベトナム中部クアンナム省のビール工場の操業を一時停止する計画を発表しました。
（２）コロナの影響と需要減少；
新型コロナウイルスのパンデミックによりビール需要が減少し、飲酒運転に対する規制強化も市場に影響を与えました。
（３）従業員の再配置と経済貢献；
ハイネケンはベトナム国内で3,000人を雇用し、サプライチェーン全体で25万人の雇用を創出し、GDPの1.04%を占める経済的貢献をしています。
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【解説】
アジアゲートベトナム代表の豊田です。
さて、今日の記事について。
日本のビール市場は４大グループ（アサヒ、キリン、サントリー、サッポロ）が大半のシェアを占め、ハイネケンは、まぁ、それほどではないと思います。
ここ、ベトナムではハイネケンの存在感は非常に大きいものがあります。
ハイネケンは、1991年にベトナム市場に参入し現在では全国に6つの醸造所を持ち、3,000人以上の従業員を抱えるまでに成長しています。
(Heineken Vietnam ウェブサイトより)
ハイネケンベトナムは、タイガーブランドのベトナムでの販売権も有しているので、これが大きいかな、と思います。
（ハイネケンベトナムのブランド一覧）
そのハイネケンも売り上げ低迷に苦しんで、６つある工場の１つを一時的に生産停止にするそうです。
コロナ後の外食需要の低迷と、コロナ前から継続的に厳格化されている飲酒運転への厳罰化が大きな影響を与えていると思われます。
前者に関してはコロナで飲食のデリバリー化や持ち帰り対応店舗の増加が一気に進み、「家飲み」が非常にしやすくなったので、なかなか、以前のような状態には戻りがたいかな、と思います。
後者に関しても、現在の交通量の増加に伴う交通事故の増加ペースから考えて飲酒運転取り締まりの厳格化はより一層進むことはあっても逆はないでしょう。
と、いうことで、おそらく、ベトナムのビール会社でも日本同様、ノンアルコールビールやソフトドリンク市場への参入などをせざるを得ないのだと思います。
世界の中でも特にビール市場が急成長していたベトナムですが大きな転換点を迎えているようです。
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【記事の日本語訳】
ハイネケン、市場需要低迷によりベトナム中部のビール工場の操業を停止
世界第2位のビールメーカーであるハイネケンは、ビール販売の低迷を理由に、ベトナム中部クアンナム省のビール工場を閉鎖する計画を発表した。
オランダに本社を置くこのビールメーカーは、クアンナム当局に対し、一時的な操業停止を正式に通知したと、ハイネケン・ベトナムの広報担当責任者、グエン・タン・フック氏が月曜日にトゥオイチェー（Youth）紙に語った。
ハイネケン・ベトナムは、この操業停止がいつまで続くかについては言及しなかった。
この工場は、ディエンバン市のディエンナム・ディエンゴック工業団地に2007年に操業を開始した。
ベトナム国内にあるハイネケンの6つの工場の中で、この工場は最も生産能力が低い。
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミック発生前、ハイネケン・ベトナムは毎年1兆ドン（3,930万米ドル）から1兆2,000万ドン（4,720万米ドル）の税金を地方自治体に納めていた。
しかし、この数字は近年減少傾向にある。
オランダのビールメーカーは、2024年第1四半期に約200億ドン（78万7200ドル）を地方予算に納税した。
ベトナムでは、ハイネケンは公式に約3,000人を雇用しており、サプライチェーン全体で25万人の雇用を創出しています。同社の業績はベトナムのGDPの1.04%を占めています。
また、ベトナムでもトップクラスの納税者でもある。
しかし、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックにより経済が低迷し、ビールを含む多くの製品やサービスに対する需要が減少した。
また、飲酒運転に対する罰則を強化し、飲酒運転に対する規制を厳格化する政令100号が施行されたことも、現地のビール市場に悪影響を及ぼしている。
そのため、ハイネケンは事業運営の最適化を図るため、クアンナムにある醸造所を閉鎖することを決定したと、ハイネケン・ベトナムはクアンナム当局に宛てた発表で述べた。
同社は、操業停止により影響を受ける従業員を他の工場に異動させることも付け加えた。
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以上 豊田英司
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