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第1028回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ハノイの伝統市場に広がるシャッター商店街

本日の記事:
「活気を失い低迷するハノイの伝統的な市場」
原題:
" Traditional markets in Hanoi sunk in gloom "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/gallery/20240710/traditional-markets-in-hanoi-sunk-in-gloom/80856.html

(写真:シャッターが閉じられるハンザ市場のドリンクスタンド)


【本日のポイント】

(1)ハノイの伝統的な市場は、近代的なショッピングモールや電子商取引の影響で売上が減少し、荒廃しています。

(2)ガー・トゥー・ソー市場などの伝統市場は、かつては活気あるマーケットでしたが、現在は多くの露店が閉店し、売却すらも困難な状況にあります。

(3)住民は清潔で便利なショッピングモールを好む傾向が強く、伝統市場は改装や商業センター化を余儀なくされています。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

まぁ、日本でも1980年代から郊外型のショッピングセンターが増え、地方部はおろか都市部でさえに「シャッター商店街」の状況であるのはご存知の通りかと思います。

日本の場合、都市の人口増加による住宅の郊外化とモータリゼーションの進歩で、商店街から郊外ショッピングセンターへの流れができた上にバブル崩壊後の不景気で、「近場で高いものより、遠くに行ってでも安いもの」「個性ある高級品より、みんなが行く店でほどほど品質の低価格品」の流れができたことで、商店街は瀕死状態になりました。

私は、これに関しては、別に良いも悪いもなく、シンプルに競争原理の話だと思います。

では、現在、ベトナムで伝統的な市場、日本的に言えば近所の商店街的なものが苦戦し、大型ショッピングモールが強くなっている、ということで、日本と比較すると、別にベトナムの場合は郊外化、モータリゼーションはそこまででもないですが、やはり、「品質保証」の問題が多いような気がします。

やはり、冷蔵・冷凍機能も全然レベルが違いますし、製品保証なども大型店はしっかりしてますから、市場で買うメリットがあまりないというか、デメリット側が相当目立つなぁ、、と。

先日のメコンデルタで伝統的な水上マーケットが衰退しているというニュース
もそうですが、消費者が自ら「行かない」選択肢をした結果、衰退して伝統的なものを懐かしんで、悲しむのは世界中、どこでもありますが、やはり、経済原理には逆らいきれないものがあるので、ベトナムの伝統的な市場も、このままでは衰退の一途なのかなぁ、、という気はします。

私がベトナムに来たばかりの2011年ごろは、結構、市場とかにも行っていて、まさかここまで急速に衰退するとは思わなかったですがねぇ、、、


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【記事の日本語訳】
ハノイの伝統的な市場は低迷に沈んでいます。

近代的な小売チャネルに押され、ハノイの多くの伝統的な市場は、売上の急落と客足の途絶えによって壁にぶつかってしまいました。

ドンダー地区にあるガー・トゥー・ソー市場は、かつてハノイで最も活気のある伝統的な市場の一つでしたが、今では荒廃し、ほとんど誰もいません。

衣類、靴、家電製品、食品などを主に扱うこの市場は、多くの露店が閉店しています。

この市場で20年以上商売をしているフオンさんは、20年ほど前、この市場で商品を販売することは、地元の人々の夢だったと語ります。

彼女は、昔ながらの市場は取引活動の主な場所であったと残念そうに語りました。

多くの露店商が露店や売店を売却に出しましたが、買い手が見つからず、売店の一連の放棄につながり、市場に暗い未来像を描いています。

ガトゥーソー市場から1キロ弱の距離にあるロイヤルシティショッピングモールは、2013年にオープンして以来、活気と賑わいを見せています。

このショッピングセンターは、多数のレストラン、ゲームセンター、娯楽スペースを擁しており、買い物だけでなく、さまざまなサービスも提供しています。

ハドン区在住のシュアンさんは、子供たちをショッピングモールの娯楽スペースに連れて行くと、利便性を考慮して、現代的な小売チャネルを優先すると話しました。

これらのショッピングセンターは、小売店やスーパーマーケットだけでなく、ファッション店や娯楽エリアも備えているため、住民のニーズに合っている、と彼女は言います。

「ショッピングモールは清潔で涼しく、モダンな空間なので、家族全員の満足のいく場所です」とスアンさんは言います。また、ショッピングモールで買い物をすると、過剰請求の心配がないとも付け加えています。

ガトゥーソー市場と同じような厳しい状況にあるタンズアン区のトゥオンディン市場とコーザイ市場では、営業を続ける露店がほとんどないため、経営維持に苦戦しています。

2つの市場のうち、いくつかのスペースはフィットネスセンターに改装されたり、放置されたりしています。


ハノイで最も古い市場の一つであるブオイ市場は、改装されたにもかかわらず例外ではありません。
多くの露店が空き屋になっている一方で、他の露店は倉庫に改装されています。

一部の商人は、この市場では必需品や家電製品を扱う露店が大多数を占めており、これらの商品は今でも顧客を引きつけていると語りました。

一方、衣料品の販売は、近代的な小売チャネルや電子商取引プラットフォームに取って代わられています。

市場を訪れる人の数は激減し、一部の伝統的な市場はハンザ市場のような商業センターへと発展せざるを得なくなりました。
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以上 豊田英司
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