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【退職の”通知”をしたかどうか、ちゃんと書面で残しましょう】

【退職の”通知”をしたかどうか、ちゃんと書面で残しましょう】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

ご存知の方も多いと思いますが、ベトナム労働法では、従業員側から退職を願う場合や逆に会社側から雇用契約を解除する場合に、「事前通知」をせねばなりません。(一部ケースは適用外)

ちなみに無期限労働契約については雇用契約解除の少なくとも 45 日前、
12か月から36 か月の期間の有期限労働契約については少なくとも 30
日前、それ以下については少なくとも 3 営業日前、となっています。

ところが最近、この「通知をした、していない」で揉めているケースのご相談が増えています。

一番多いのは、従業員が急に「私は来週で退職します」と言い出して、「え、30日後(もしくは45日後)にしか退職できないよ」というと「いいえ、先月、私は社長に退職すると言いましたよ」と言われるようなケースです。

そして、稀なケースですが、先日あったのが、会社側があまりにも仕事ができない、ということで本人と話し合い合意して退職をすることになったのですが、口頭で話し合っただけで特に何もせず、退職予定日に「はい、じゃあ、退職届にサインしてね」といったところ、当日になって、「いいえ、私は退職することに合意していません」と言い出したそうです。

日本人社長は「え、先月の面談で合祀したじゃん」といったそうなんですが、「いいえ、そんな話はしてません」と従業員は完全否認したそうです。

そこで会社が雇用契約解除を強行したところ、弁護士事務所から「事前通知もなく、さらに強制解雇をしようとした」ということで賠償金の支払いを求める手紙が会社に来たそうで、現在も係争中です。

日本人が「口約束」に頼って、契約書や合意書をあまり重視しない、とはよく言われますが、やはり、こういう実際の例を見ると、非常に痛感いたします。

御社の中で「退職にまつわる通知」というのは、必ず書面を持ってなされ、口頭のものは認められないということをぜひルール化するようにされることをお勧めします。

特に昨今、不景気による求人不足で「退職する」とはいったものの、結局、仕事が見つからず、それが原因で「いや、辞めるなんて言ってない」と言い出すケースも散見されます。

十分、ご注意ください。

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(アジアゲートベトナム代表 豊田英司 )



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