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(人事note)ベトナムでの転職先、起業時の情報持ち出し問題



転職に伴う「おみやげ問題」といえば、やっぱり、最近では、これが有名になりましたよね。

いろんな意見があるでしょうが、これ系の問題は日本でもベトナムでも

「どこまでが”個人の知識・知恵”で、どこまでが”会社の機密情報”か」

これに尽きると思います。

ベトナムの場合、転職よりも、従業員が「起業」する際に前職での顧客に当然のようにアプローチする問題が一番、よく聞かれると思います。

特に多い業界は不動産仲介と人材紹介業界です。

どちらも、「仲介」や「紹介」なので、自社で保有しているのは「資産」ではなく、以下のような「情報」なので、

不動産仲介・・・顧客情報と物件(物件オーナー)情報

人材紹介・・・企業側と人材側の情報

顧客とのコンタクトさえ取れれば、変な話、お客さんはその人が転職したり、起業したりしたことすら気づかないまま、付き合い続けているケースもよく聞きます。

企業側としては

「転職先に機密情報を持ち出さない」

という誓約書を結んで抑制したいところですが、ベトナムの場合、日本よりも難しい面があります。

営業担当とお客さまがプライベートのSNSでやり取りするのが普通で、また、日本に比べると「公私の区別」という概念が薄いので、仕事で知り合った後、どんどん「顧客」と「友達」の違いがなくなっていく、という傾向があります。

「出会うきっかけがうちの会社の仕事だったら、以後、どれほど個人的に仲良くなっても、”友達”とは見なさない」

というのを誓約書に書いてもいいのでしょうが、ちょっと常識的に無理のある内容だと思いますし、結局、転職先、起業先への顧客情報漏えいは、野放し状態、と言って良いと思います。

この辺り、ベトナムでビジネスを行うなら、

「どこまでの情報を従業員に開示するか」、は非常にセンシティブな問題で、「我が社は従業員を心から信頼し、全てをオープンにする」という綺麗事では済まないと思います。

ケンタッキーフライドチキンがレシピ情報を本部のほんの数人にしか教えていない、という有名な話でもわかるように、

「ばか正直に、どんな情報も従業員に共有すればいい」

という話はではないのかな、、と思ってます。


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