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第947回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ベトナムの飲酒運転抑制には厳しい飲酒運転基準が必要:専門家、政策立案者ら

本日の記事:
「ベトナムの飲酒運転抑制には容赦ないゼロ容認が必要:専門家、政策立案者ら」
原題:
" Zero-tolerance needed to curb alcohol-impaired driving in Vietnam: experts, policymakers "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/society/20240228/zerotolerance-needed-to-curb-alcoholimpaired-driving-in-vietnam-experts-policymakers/78487.html


(写真:ホーチミン市で呼気中アルコール濃度検査を行う交通警察官(右))


【本日のポイント】

(1)ベトナムでは、飲酒運転に対して、国会議員や専門家が「運転者は完全にしらふであるべき」とし、少しでも血中アルコール濃度や呼気中アルコール濃度アルコール濃度が検出されれば飲酒運転とする現在の法律を支持している。

(2)ベトナムでは飲酒運転は交通事故の主要な原因の一つであることが指摘され、毎日約700人のドライバーがアルコール規制に違反している。しかし、近年の厳罰化により違反は減少傾向にある。

(3)飲酒運転の撲滅のため、アルコールの販売、宣伝、消費に関する規制の厳格化についても議論されている。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

昨年の12月にホーチミン市で年末の徹底飲酒運転摘発キャンペーンが行われている、という記事を書かせていただきました。

(参考)
第900回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ホーチミンの血中アルコール濃度検査について外国人はどう思うか?


この時、ベトナムで2020年1月1日から施行された「アルコール飲料被害予防管理法」では、含有量にかかわらず少しでもアルコールが検出されたら、「飲酒運転」とされ、アルコール含有量によって、罰金と運転免許停止の期間は異なりますが、最長で24ヶ月の運転免許証一時停止処分も科されます、というお話もしました。

この時、「一部には、あまりにも厳しい基準に異論もある」みたいなことを書きましたが、最近、国会で、これについて議論され、そんな異論はものともせず、大方の国会議員は今まで通り、厳しい基準で飲酒運転を撲滅するべき、という意見だったそうです。

ちなみに日本の道路交通法においては、「酒気帯び運転」の基準値となる呼気中アルコール濃度は0.15mg/L。 血中アルコール濃度に換算すると、0.3mg/mL(0.03%)と、一応、これ以下なら、酒気帯び運転にはなりませんよ、という「基準」というか「バッファー」があります。

ただ、まぁ、ある議員が示唆しているように、ベトナムでこの「一定基準」を設けたら

「俺が家で測った時は、これ以下だった!この計測器がおかしい!」

と文句をつけだしたり、

「基準以下だったことにしてくれよー」

と交通警察に対して「交渉」し出す人が後を立たなくなるのは、目に見えているので、まぁ、厳格な基準もやむなしなのかなぁ、、という気はします。

確かに、最近、夜中に酒の匂いをプンプンさせてるドライバーには会ったことがないので、これは配車アプリなので通報される恐れがあることもあるでしょうが、飲酒基準の厳格化の効果も多少は出ているのかなぁ、、という気もします。

私の知人でも飲酒運転のドライバーに突っ込まれたり、逆に飲酒運転で事故をした人が、冗談ではなく「何人も」いるので、ベトナムの飲酒運転文化が改善されることを強く望んでおります。



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(日本語訳)
ベトナムの飲酒運転抑制には容赦ないゼロ容認が必要:専門家、政策立案者ら

ベトナムの法律を制定する国会(NA)の多くの議員や専門家は、法律の厳格さと通勤者の安全を確保するため、運転手は完全にシラフでなければならないという規制を支持している。

最近、ベトナムの飲酒運転ゼロ容認政策をめぐって論争が起きている。

ベトナムの法律では、自転車、バイク、自動車、その他の乗り物を運転する際、ドライバーはアルコール飲料を一切摂取せず、完全にしらふでなければならないと定められている。

ドライバーの血中アルコール濃度や呼気中アルコール濃度の制限を提案する人もいる。

ベトナムの文化教育委員会のブイ・ホアイ・ソン常任委員は、国家交通安全委員会の2022年のデータを引用し、飲酒運転がベトナムの交通事故の3大原因のひとつであると述べた。

飲酒運転は東南アジア諸国における交通事故の約40%、事故死者の11%を引き起こしている。

1日あたり約700人のドライバーがアルコール規制に違反している。

その数は減少しているが、懲役刑、重い罰金、運転免許取り消しなどの厳しい罰則にもかかわらず、違反は依然として横行しているとソン氏は述べた。

ここ数ヶ月の飲酒運転に対する厳罰化にもかかわらず、運転前にアルコール飲料を飲まないようにするのはドライバーの意識にかかっている。

道路交通の秩序と安全に関する法律案に規定されている血中アルコール濃度を問わず運転者の絶対禁止は、飲酒後に運転しない習慣を身につけるための解決策である。

ソン氏によれば、血中アルコール濃度や呼気中アルコール濃度の制限を設ける必要はないという。

もし制限値を設ければ、住民は血中アルコール濃度を制限値以下にするためにどれだけ飲酒できるかを判断できなくなり、さらに国家機関が制裁を科すことが難しくなると同氏は説明した。

ベトナムの「飲酒文化」を変えるには、アルコール飲料の販売、宣伝、消費に関する規制を厳格に採用する必要があり、時間がかかり、困難であることは間違いない。

運転前のアルコール飲料の摂取に伴うリスクと結果に関する国民の意識を高めることも同様に極めて重要である。

北部ホアビン省のダン・ビック・ゴックNA副代表によると、公安省は特に2024年の旧正月(通称テト)の前後、期間中にアルコールレベルの違反に徹底的に対処してきた。

これは、交通安全と社会秩序の確保、事故防止、飲酒後に運転しない習慣の育成に大きく貢献している。

警察は関係者であっても例外なく違反者に対処してきた。これは住民の模範となり、血中アルコール濃度規制違反者に課される罰金による収入増にも貢献している。

結果として、飲酒運転に対するゼロ容認政策は、住民の命を守り、交通安全を確保する上で合理的である。

保健省法務局の前局長であるグエン・フイ・クアン博士によると、アルコール飲料の有害な影響の予防と管理に関する法律を策定する際、ベトナムの省庁は他国の法律を参考にし、20カ国ほどが人が自動車を運転する際の血中アルコール濃度をゼロにすることを義務付けていることがわかったという。

先進国では規制が異なるかもしれないが、これらの国の住民はベトナムのように多くのバイクを利用しているわけではない。

現実には、厳しい規制があるにもかかわらず、飲酒後に運転し、交通事故を起こす人さえ少なくない。

したがって、血中または呼気アルコール濃度ゼロという規制は完全に適切であり、これ以上議論する必要はない、とクアン氏は指摘する。

厳しい規制がなければ、ベトナムは飲酒運転に取り組むことができない。

過去数年間、飲酒運転撲滅キャンペーンは社会秩序と交通安全の向上に役立ってきた、と元政府高官は付け加えた。



以上 豊田英司
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