第887回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ハロン湾の違法開発業者が罰金とプロジェクト中止
本日の記事：
「ベトナムのハロン湾を脅かしたとして、住宅・ホテルプロジェクトが中断、投資家に5,000ドル以上の罰金」
原題：
" Residential, hotel project suspended, investor fined over $5,000 for threatening Vietnam’s Ha Long Bay "
【本日のポイント】
（１）ユネスコの世界遺産に認定されているハロン湾の周辺に建設されている住宅・ホテル複合プロジェクトが「世界遺産を脅かす」とされ、世論の反発を招き、当局はプロジェクトの中断を指示し、同プロジェクトの出資者には1億2,500万ドン（5,114米ドル）の罰金も科された。
（２）開発に伴って排出される泥を堤防も気づかず、泥の浚渫（海底の泥をすくい上げる）もしなかったため、泥が海の広範囲に拡散したとのこと。
（３）世界遺産としての美観の維持と、それを活用した観光や住宅資産としての活用の是非が問われる事件である
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【解説】
アジアゲートベトナム代表の豊田です。
さて、今日の記事について。
10年前くらいまでは、ベトナムの北部はあまり観光開発も進んでいなかったので、旅行といえば「とりあえずハロン湾」という感じだった気がします。
今年3月、すでに世界自然遺産となっているハロン湾の登録範囲をカットバー群島まで拡張し、「ハロン湾・カットバー群島」として改めて世界遺産登録されたことでも話題となりました。
私が12年前にハイフォンで起業した時には、結構、気軽にカットバ島に行ってましたが、敷居が高くなっていくんですかねー。
今回、問題になったプロジェクトは完成後、451のヴィラと住宅、7階建てのホテル、サービスエリアと貿易エリアから構成される大規模な計画だったそうですが、堤防を建設することなく、ハロン湾周辺の海に直接、開発に伴って算出される土を流し込み、環境汚染を起こしたと苦情が起きたことで中止措置になったそうです。
ただ、一方で世界遺産化したことで、あまりにも環境に配慮すべきエリアが広大になってなってしまって、非現実的である、という話も出ているようです。
世界遺産として、美しい海や島を保護するため厳しい開発規制が課される一方で、観光資源としても活用したい思いは当然強く、今後も同じような問題は起きるのかなぁ、、と思います。
以上 豊田英司
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