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乳をとりもどす話(5)

(これは私が脂肪注入による乳房再建を行うまでの話である。)
初回の脂肪注入から早2年。6回の再建手術を実施したところだ。
今回は術後の生活について書きたいと思う。


・脂肪吸引・脂肪注入実施後の生活

手術は日帰りで行われる。後処置も含めてだいたい所要3時間。
手術直後は麻酔が効いている&痛み止めを飲んでいる&興奮状態でさほど痛くもないのだが、体は熱を帯びて重い。
部分麻酔による意識のある状態での手術ゆえ、妙に手足に力が入ってしまい、猛烈な筋トレをした後のようにヨレヨレとしか歩けない。
帰り道、ジュースを買うためコンビニに寄る程度の余裕はあるけれど、帰宅後はベッドに横になってぐったり。
当日はまぁそんな感じ。大変なのは翌日からだった。

まずは痛み。
これがかなりの激痛。主に脂肪吸引をした箇所が、広範囲で痛む。
最高レベルの筋肉痛……いや、筋肉痛のその向こう、と言ったところか。
立ち上がるのもやっとで、太ももの裏を施術した際は、トイレに座るたび便座に圧迫されて本当に地獄の苦しみだった。
歩こうにも「筋肉痛のその向こう」ゆえ、平安貴族よろしくソロリソロリと雅な歩みである。

そして浮腫。
「日帰り手術」という言葉にたかをくくって、初回の手術では翌々日から出社することにしてしまったのだけど、デスクワークとはいえ大後悔。
術後の痛みに加えて、ひどい浮腫に苛まれたのだ。
しかもなぜか手術していないふくらはぎが浮腫む。
エコノミー症候群よろしくパンパンになってしまい、重い、痛い、かなりしんどい。放って置いたら危険なんじゃないかと思うレベル。
この状態、言わば脂肪吸引した箇所=交通事故の状態、で、浮腫みまくっているふくらはぎ=事故をきっかけに渋滞が発生している状態、なのだそうだ。
おそらくここまで痛くなるのには理由があって、そもそもデスクワークという浮腫みやすい縦の体勢で1日を過ごしたことと、適切な着圧スパッツを履かなかったことが原因であろうと思われる。
脂肪吸引する場合、術後に3ヶ月程度「着圧スパッツ」を履くよう言われ、私も一応ネットで買って履いてはいたものの、用意していたのが"ふくらはぎまで"の7分丈タイプだった。
これが10分丈、ないしは足裏まで覆うタイプのものであったならもっと足の血液を押し上げることができて楽だったと思う。
(実際に2回目以降は、傾向と対策によりずいぶん楽になった。

こういうのがオススメ。

術後の痛みは1〜2ヶ月、浮腫はまぁ1週間程度で落ち着いた。
(フォームローラーにはめちゃくちゃ助けられた)
人によって経過や状態はそれぞれ違うと思うけれど、とりあえずしばらくはできるだけ横になって安静にしておくのが吉だと思う。
脂肪の定着のためにも、体に熱をためない、代謝をあげないことが大切。

・仕事の調整

私が所属しているのは一般的な日本の企業であり、勤務時間は9−17時+残業、土日祝が休み。基本出社メインのデスクワークで、在宅勤務は通常月に1〜2回程度のみ許容されている。
通勤は片道30分程度。(電車10分、徒歩15分)

仕事の調整を序盤からミスった私であったが、経験を重ねるうち、現在はこんなスケジュール設定でやりくりしている。
 ・手術日は木曜に設定(万が一の場合も翌日病院が営業していて安心)
 ・術後翌日の金曜は有給休暇取得+土日の休みでしっかり安静に
 ・翌週の月〜金は在宅ワーク。(足を伸ばせるよう座椅子スタイル)
 ・翌々週から通常出社(残業なし)
本当なら1ヶ月くらい、せめて2週間ぐらいは在宅ワークしたいところだけれど、「それならいっそ有給休暇にしてしっかり休みな」などと言われてしまうので、やむなく上記のスケジュール感に落ち着いた。(有給は遊びに使いたい派の私である)

脂肪というやつはワガママで、ダイエットしたいときには落ちないくせに、付けたいときにはちょっとずつしか付かない。
代謝をあげると脂肪がおちてしまうので、とにかく安静に、動かず温めずをキープしたいところだ。
私の場合、このような働き方をするには周囲の理解が必要。
なので、まずは上司に手術のことを伝えてしっかり根回し。
同僚にもそれとなく「ボディのメンテナンスをするもんで、休暇明けうまく歩けないかも」くらいの話を盛って準備している。

環境にもよるとは思うが、何よりも大切な自分の体を優先すること、
定着のためにも「安静に」を心がけるべし、である。


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