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VOGUE BUSINESS 「ゲーム内のファッションで何億円も稼ぐデジタル・デザイナーたち。」

https://www.voguebusiness.com/technology/the-digital-designers-making-millions-from-in-game-fashion

Japanese translation of "The digital designers making millions from in-game fashion" (the first half) 執筆 LUCY MAGUIRE (2022年5月22日)
(※ 翻訳の正確さについては上記のオリジナル記事を参照してください。今回は前半部分となります。)
タイトル写真:  Republiqe

22歳のフロリダ出身のサミュエル・ジョーダン(Samuel Jordan)は、3年前にロブロックスのためのヴァーチャル・アクセサリーのデザインを始めた。それは単純に趣味だった。ゲームやキャラクターをデザインすることを、彼は10代の頃からいつも楽しんでいたのである。しかし手の込んだヴァーチャルなイアリング、ヘッドドレス、あるいは帽子や衣類への需要が大きくなるにつれて、ジョーダンのデジタル・デザインはヴァーチャルなファッション・ビジネスへと昇華したのである。2022年に至るまで、彼はロブロックスのトップ・セラーの一人であり、今日まで2400万ユニットを売り上げている。2021年の売上は100万ドルにも達し、ステラ・マッカートニーやフォーエバー21といったブランドがWeb3領域に進出するのを助けているのである。

同じような成功は合衆国ベースのデジタルファッションのデザイナー、ミシ・マクダフ(Mishi McDuff)にも当てはまる。彼女はヴァーチャル・ファッション・ハウスのブルーベリー(Blueberry)を8年前に設立した。彼女自身のために作成したセカンド・ライフ(メタバース)用のバーチャル・アウトフィットをオンラインのユーザー達が記録していたことに端を発する。マクダフはそれに応えるようにして、ロブロックスを含む様々なプラットフォームのためにピースを作成し始めた。「最初の年は、趣味で始めたものの6万ドルの稼ぎになりました。そこでブルーベリーをフルタイムにしたら、次の年に100万ドルになりました。」ミシは彼女自身のデザインにフォーカスしているが、ルクジュアリー・ブランドのJonathan Simkhai のメタバース・ファッション・ウィーク(訳注: 上記のリンク参照)でのコレクションの為に、コラボレーションを行っている。

ブルーベリーの売上はそのローンチから何年も、毎年100万ドルあたりで安定している、とマクダフが言う。ロブロックスのようにユーザがコンテントを作成するプラットフォームがよりメインストリームになって来ている理由は、デジタル・ファッションのマネタイズがより容易になったからである。ブルーベリーは今年180万ドルの売上に達成することが予測されている。会社のデザインするゲーム内ファッションは複数のタイトルに及ぶ。その中にはロブロックス、フォートナイト、そしてSpatialが含まれている。

2022年にはゲーマーの人口は世界で30億人を超えると予想されている。市場調査のファーム Emarketer によるとの世界人口の3分の1以上である(訳注: 上記のリンク参照)。ファッションへの興味がゲーム上で盛り上がるにつれて、人々がアバターにユニークな外見を作り出そうとしているのを背景に、デジタルファッションのハウスは成長する段階に来ている。

サミュエル・ジョーダンの仕事は、ステラ・マッカートニーのようなルグジュアリーのブランドが彼らのデザインをメタバースへ変換するのを手助けしている。

UKをベースにしたデジタルファッション・ハウスのRepubliqeはそんなスタートアップの一つである。彼ら自身でバーチャル・コレクションを、コーチ(Coach)、アディダス(Adidas)、 アクセル・アリガト(Axel Arigato) や エスター・マナス(Ester Manas)といったブランドにデザインし、ブランドがゲーム、NFTやWeb3に参入する手助けをしている。Republiqeの設立者、ジェームス・ゴベルト(James Gaubert)はスタイリストとデザイナーとして、ブルガリ(Bulgar)やルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)といったブランドと仕事をするキャリアを歩んできた。東南アジアに滞在しフィジカルなファッションの製造業が環境と社会に及ぼす影響を目の当たりにする一方で、彼の10代の息子がフォートナイトのようなゲームに夢中になるのを同時に見た後で、バーチャル・デザインの世界へスイッチした。

Republiqeはブランドのフィジカルな製品をNFTあるいはゲームや様々なメタバース内で着られるアイテムに変換することを専門としている。ブランドがどんなオーディエンスをターゲットにしているかに応じて、Ready Player Me, Decentraland, Zepeto, Sandbox, フォートナイト や ロブロックスなどのメタバースが含まれる。Gaubertは「例えばAsosの購買層は非常に若く、ロブロックスやフォートナイトを利用する」のだと言う。「コーチ(Coach)に関しては、小売価格から高級な贅沢品と考えられますので、例えばDecentralandのような多少年齢層の高いマーケットにむいているでしょう。」彼の説明によると、クライアントがデジタルのアセット、NFTあるいはゲーム内で着られるアイテムでうまくマネタイズできるようにすると言う。彼の会社は、ブランドのためにバーチャル・フィッティングの作成も行う。ヴァーチャル空間でインフルエンサーに着てもらったり、eコマースのための画像を作成したりすることが出来るようになる。

マス・マーケットのブランドに対しては、低価格で大量のデジタル・ファッションを作成するのは意味がある。その場合、何千何百と言ったスキンをフォートナイトのようなゲームで1ドルから3ドルぐらいで売ることが出来る可能性があると、Gaubertは言う。ルクジュアリー・ブランドにとっては、Decentraland がデジタル・ファッションをNFTとして200ドルから2000ドルといったプレミアム価格で売ることができるが、しかし販売量は限られたものになる。

Gaubertは、Republiqe は2022年には売上が、昨年の250%に及ぶ50万ドルぐらいに上ると予想している。The Fabricant や DressXといった他のバーチャル・ファッション・ハウスと、彼自身が直接の競合であることを、今の段階ではまだ想定していない。彼が言うにはどれもこの産業の秘めた可能性に注目を寄せていると言う。

その秘められた可能性はメインストリームに向かっていくこともあり得る。イングランドの南、Creative Arts 大学(UCA)は、デジタル・ファッションのデザインコースを、世界的に見て最初に設立した教育期間の一つである。ファッションとテクスタイルのプログラム・ディレクターである Neil Bottle は、UCAにてコースを2021年にローンチするのを助けたが、コースは学生からの要望が先導しているのだと言う。「我々の学生は未来に対する備えがしっかり出来ています。彼らが仕事の採用面接に行く場合、インタビュアーよりも知識があることも十分あり得ますね。」と彼は言う。設立の初年度、バーチャル・デザインのプロジェクトはFarfetchとのコラボレーションで出来たコースだった。Farfetchは今年の夏に卒業する生徒のうち二人を既に採用したという。

(今回の翻訳はここまで。反響があれば同記事の後半部分も訳してみたいと思います。ぜひ「スキ」をお願いいたします。)

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