見出し画像

【初挑戦!】 英語を話せないUXリサーチャーが“海外ユーザーインタビュー”するためにやったこと

こんにちは!viviONのUXリサーチャー及川です。
今回は英語をネイティブレベルで話せないUXリサーチャーが、どのように海外ユーザーへインタビューしたのかについて書いていきます!
(ネイティブレベルで英語が話せる人生は何処へ…😫)

海外ユーザーインタビューの背景

今回は海外事業部と連携して、英語圏と中華圏ユーザーへのインタビューを行う必要がありました。海外事業部には、様々な国籍の社員が在籍していますが、UXリサーチ経験がある人は一人もいませんでした。

一方で、UXリサーチチームも海外ユーザーへのインタビュー経験はなく、どのように言語の壁を乗り越えユーザーインタビューすれば良いかについて知見を持ち合わせていない中での挑戦でした。

やり方を模索する中で、問題なくインタビューが成立しそうな3種類を考え出し、それぞれのメリット、デメリットを確認することで、最適なインタビュー体制の構築を目指しました。
ここからは、検討した3種類のインタビュー体制を記していきます!

(1) インタビュアーはUXリサーチャーで、通訳が入る体制

「通訳」と「速記」は、英語に堪能な海外事業メンバーが担当

やり方

  1. UXリサーチャーがユーザーに日本語でインタビューをする

  2. 通訳担当が英語に翻訳してユーザーに伝える

  3. ユーザーは翻訳された質問を聞いて、英語で回答する

  4. 通訳担当が英語を日本語に通訳して、UXリサーチャーに伝える

  5. そのやり取りを速記担当が議事録に書き起こす

メリット
インタビュー経験豊富なUXリサーチャーが、UXリサーチの観点で深掘る質問ができる。

デメリット
通訳することに時間がかかり、90分という限られた時間の中で質問できる項目が大きく制限される。

(2) インタビュアーはネイティブで、UXリサーチャーは同席して追加質問でサポートする体制

「インタビュアー」と「速記」は、英語に堪能な海外事業メンバーが担当

やり方

  1. インタビュアーが、スクリプトを見ながら英語でインタビューをする

  2. ユーザーは英語の質問を聞いて、英語で回答する

  3. インタビュアーが、翻訳してUXリサーチャーに伝える

  4. UXリサーチャーが追加質問を日本語でインタビュアーに伝える

  5. インタビュアーは、UXリサーチャーからの追加質問を英語に翻訳して、ユーザーに伝える

  6. そのやり取りを速記担当が議事録に書き起こす

メリット
ネイティブのインタビュアーが質問することで通訳時間を削減でき、(1)より多くの質問ができる。深堀りたいポイントはUXリサーチャーが追加質問できるので、調査の質も一定担保される。

デメリット
ネイティブのインタビュアーが「インタビュー」と「翻訳」を同時で行うため、適任な人材を用意する必要がある。

(3) インタビュアーはネイティブで、UXリサーチャーは遠隔から追加質問でサポートする体制

「インタビュアー」と「速記」は、英語に堪能な海外事業メンバーが担当

やり方

  1. インタビュアーが、スクリプトを見ながら英語でインタビューをする

  2. ユーザーは英語の質問を聞いて、英語で回答する

  3. 速記担当が、英語を日本語に翻訳しながらスクリプトに速記を書き込む

  4. UXリサーチャーは書き込まれた日本語の速記を見ながら、スクリプトに日本語で追加質問を書き込む

  5. インタビュアーは、スクリプトを見ながら、UXリサーチャーによって書かれた追加質問を英語でユーザーに伝える

メリット
口頭での翻訳作業がなくなり、(1)(2)よりも多くの質問ができる。UXリサーチャーが深堀りたいポイントは追加質問できるので、調査の質も一定担保される。

デメリット
速記が書き起こすスピードがインタビュースピードよりも遅いため、UXリサーチャーからの深堀り追加質問が遅れてしまう。そのためインタビュアーが一定は自分で考えて深堀り質問をしなければならない。

最終的に見つけた最適なインタビュー体制

上記で検討した3種類のインタビュー体制は、それぞれ一長一短があるインタビュー体制だったので、事前に練習会を設定しインタビューを実行するメンバーで運用しやすいものを採用することにしました。
英語圏チームは、深堀り質問ができる担当者がいたため(3)で行い、中華圏チームは通訳が上手な担当者がいたため(2)で行うことになりました。

(1)は通訳に時間がかかり、質問できる数が大きく減少してしまうため、今回は採用しませんでした。予め用意した質問数が少ない場合や、UXリサーチャーによる深い深堀り質問が必要な場合に(1)は利用できると良いと感じました。

結果的に海外ユーザーインタビューは、スクリプトに予め記載された質問以外にも、その場でUXリサーチャーの追加質問をはさみながら行うことができ、深くユーザー理解をするインタビューを実施することができました。

◯ 予め記載された質問:ネイティブインタビュアー
英語ではなく、日本語で漫画を読むのはどうしてですか?

◯ 回答:インタビュイー
英語に翻訳されると、日本語独特の表現を楽しめなくなるからです

◯ 追加質問:UXリサーチャー
楽しみたい日本語独特の表現とは、具体的にどのようなものですか?

追加質問の例

まとめ

今回は、海外ユーザーインタビューの体制について3パターンご紹介しました。この記事が海外ユーザーインタビューの実施を検討している、ネイティブレベルの外国語力を持ち合わせていないUXリサーチャーのお役に立てば幸いです。

viviONで一緒にオタク研究をしませんか?

株式会社viviONでは、秋葉原から世界へ二次元コンテンツを共に盛り上げていく仲間を募集しています。
「オタクってどんな人々か研究したい!」「オタクを幸せにするサービスを考えて提案したい!」などUXリサーチチームの仕事やviviONの社風に興味をお持ちいただけましたら是非お気軽にご応募くださいませ。