「言葉に出来る」は武器になる。
言葉はコミュニケーションの道具ではなく、思考の上澄みです。
「伝わる言葉」を生み出すにためには、自分の意見を育てるプロセスが重要であり、その役割をも言葉が担っています。
そんなことを教えてくれたのか、かの有名な梅田悟司著「「言葉にできる」は武器になる。」です。
思考の深化なくして、言葉だけを成長させることはできません。
考え抜き、整理し、さらけ出す。この一連のプロセスを経て、「人を動かす」ではなく「人が自然と動く」言葉を生み出していきましょう!
※下記より読んだ内容の個人的解釈のまとめになります。本が気になる方は、読まずにご購入をお勧めいたします。
1.「内なる言葉」と向き合う
伝わり方には、レベルがあります。
➀不理解・誤解
②理解
③納得
④共感・共鳴
理解までいけば合格点であるものの、納得と共感・共鳴こそがコミュニケーションの醍醐味ではないでしょうか?
ではどうしたらよいのでしょうか?
それには、
⒈内なる言葉で意見を育てる
⒉意見を外に向かう言葉に変換する
必要があります。
あらゆる局面で湧き上がってくる感情を漠然とした括りで受け流すのではなく、一つひとつを言葉として認識して把握する必要があります。
2.言葉が響けば、人は自然と動き出す。
船を造りたいのなら、男どもを森に集めたり、仕事を割り振って命令をしたり、する必要はない。代わりに、広大で無限な海の存在を説けばいい。(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)
人間は、一人ひとり、同じだけの感情を抱えて生きている。相手の気持ちが動かない限り、動いてもらうことはできない、そのために出来ることは、上辺ではなく、その人の立場になりきって言葉を投げかけることです。
こうした言葉を受けることで、はじめて人は情報に価値を感じ、興味を持つことになります。自分が行いたいことや、やらせたいことを命令するのではなく、人の心をワクワクさせたり、ときめかせるしかないのです。
志を持ち、共有する。それが人の心を動かしていく。
言葉に関しても、思いは細部に宿り、人の心を動かすのは、話している本人の本気度や使命感であり、生きる上で感じてきた気持ちが騒動員された体温のある言葉なのです。
3.正しく考えを深める「思考サイクル」
気持ちをはっきりと理解できた時、言葉は自然と強くなります。
人は考えているようで、思い出していることが多いです。そのため、頭に浮かんでくる内なる言葉をとにかく書き出すことが大事になります。そうすることで、思考と記憶が切り分けられ、考えを進めることに集中できるのです。
インストールすべき「思考サイクル」
➀思考を漠然としたものではなく、内なる言葉と捉える。
②内なる言葉を、俯瞰した目線で観察する
③そして、考えを進めることに集中し、内なる言葉の解像度を上げる
思考サイクルを行うための7つの手順
➀頭にあることを書き出す(紙1枚に1つ))(アウトプット)
②「なぜ?」「それで?」「本当に?」を繰り返し考えを進める(連想と進化)
※抽象度(自分が具体的なことを考えているのか、抽象的なことを考えているのかを図る尺度)を大切にし、自分が今なにを考えているのかを見失わないようにしよう!
③同じ仲間を分類する(方向性の幅を横ライン。深さを縦ライン。にすると見やすい)(グルーピング)
④足りない箇所に気づき、埋める(視点の拡張)
⑤時間をおいてきちんと寝かせる(客観性の確保)
⑥真逆を考える(逆転の発想)
⑦違う人の視点から考える(複眼思考)
4.思いをさらけ出す2つの戦略
➀日本語の型を知る
ⅰ.たとえる(比喩・擬人)
ⅱ.繰り返す(反復)
ⅲ.ギャップを作る(対句)
ⅳ.言い切る(断定)
ⅴ.感じる言葉を使う(呼びかけ・誇張・擬態)
②言葉を生み出す「心構え」を持つ
ⅰ.たった一人に伝わればいい(ターゲッティング)
ⅱ.常套句を排除する(自分の言葉を豊かにする)
ⅲ.一文字でも減らす(先鋭化)
ⅳ.きちんと書いて口にする(リズムの重要性)
ⅴ.動詞にこだわる(文章に躍動感を持たせる)
ⅵ.新しい文脈をつくる(意味の発明)
ⅶ.似て非なる言葉を区別する(意味の解像度を上げる)
まとめ
言葉にできないということは、言葉にできるだけ考えられていないことと同じです。思考を深めることの重要性が心に刺さる1冊でした。
本気でものを言うつもりなら、飾る必要はあろうか。(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)
人間は、その人の思考の産物にすぎない。(マハトマ・ガンディー)
そしてページの随所に上記のような偉人達の名言が記載されています。読めば読むほど、この名言も自分事に出来ていきます。
言わずもがな、お勧めの一冊です!ぜひご一読を!
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