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役員のジレンマ

生徒会員にはメリットとデメリットがある。

メリットは簡単で、内申点が上がったり、教師からの覚えがよくなったり、他の生徒に頼られる代わりに多少の融通も聞くようになったりすること。
個人的なメリットは、自分が人前に立つことが好きだから人前に立つ機会が増えること。イベントや集会のたびに全校生徒の前に立つだけで快感を覚える。

一方のデメリット。こっちは模範的かつ一般的な役員であれば関係ないのだが生憎と自分には関係があった。教師に顔を覚えられたり、補習の条件が厳しくなったり、服装のチェックが入ったり、ふざけすぎた時の処分が他より重くなったり、副会長ならなんでもわかるという誤解からか関係ない書類まで押し付けられたり、なぜか雑用まで押し付けられたりする。

「お前が生徒を3%程しか覚えてなくても生徒の80%以上はお前を知っている」
と言われる程度には問題児として名前が一人歩きしていた自分だが、ついに名前と顔が一致したことで廊下を歩いているだけで視線が集まるようになった。人から見られている状況は嫌いじゃないけれど、この視線は快感じゃない。