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わかりやすい「何か」になる必要はない

こんにちは。
前回は「で、VIVICROWNって何なの?って話」というタイトルで話しました。
タイトルをきっちりと話すというよりは、VIVICROWNというバンドが展示を開催した理由について話しました。

今回は、その続きです。
ちょっと面食らう、どことなく意識高い系の匂いもするタイトルにしてしまいましたが、どうかお付き合いください。


VIVICROWNはバンドです。と普段は言っていますが、正直に言うと「何者でもない」と思っています。

投げやりになっているわけでもなく、ただ無計画にやっているわけでもなく、僕はあえて「何者でもない」と思っています。

もちろん、「VIVICROWNはバンドです。」と言っていれば便利です。
「あ、バンドね、音楽ね、了解。」で済むわけですから。

じゃあ、バンドって何なのか。
「音楽だけ」というのは、間違っていると思います。
例として、VIVICROWNが予定通り「REFLECTION」というライブを開催するとしましょう。

「REFLECTION」を開催するには、演奏をする人、演出を考える人、写真や動画を撮る人、ポスターやチラシを作る人、SNSを管理する人、事務処理をする人、道具を作る人、ステージの設計や施工をする人、照明の人、音響の人…
ざっと思いつくだけでもこれだけの役割があって、そのどれもが一筋縄の仕事ではありません。
音楽を中心に回っていることは間違いないのですが、結果として我々が目にしている「バンド」というのは、音楽以外の要素が非常に大きいわけです。

演奏者以外の方々の分も含めた全ての時間と苦労と、VIVICROWNの活動を応援して下さる方々。
その上で成り立っているのが「VIVICROWN」ですから、「バンドだから音楽をやっています」と一言で済ませるのは、非常に傲慢なことだと思います。

では、「何者でもない」というのはどういうことか。

またREFLECTIONを例にしましょう。
我々は何でもかんでも自分たちの中で検討しなければ気が済まないのですが、この手の催しは普通であれば、必要な役割に応じて所属の異なる人々が一時的に召集され、良くも悪くも「当たり障りのない仕事」をして終わりとなります。

正直に言ってその方が楽です。
最低限の調整をするだけで済むし、責任も分散されるし、人手が多いので準備段階からお祭り状態。
多くの人が「当たり障りのない仕事」をする結果、より多くの人が理解できて支持できる、無難で優等生的な仕上がりになります。

もちろん、それが悪いことだとは思いません。
理解不能で尖り散らしたものが溢れ返っても困りますからね。
ただし、1つ疑問があります。
それは、「みんなが褒めているものに、本当の価値があるのか?」という疑問です。

人類の大部分は優しいので、とりあえず何だって褒めます。
たとえそれが「みんながやっていることをちょっと頑張った」とか「別にやれば誰でもできる」といったレベルの物であっても、とにかく褒めます。

となると、「褒める」という行動の正体は、「理解できたことを示すサイン」なのではないでしょうか。もちろん、誰だって褒められると嬉しいからどんどん褒め合うのは良いことでしょう。

「みんなが褒めているもの(理解できたもの)」は、「一時的な楽しみ」を与えてくれるでしょう。それもそれでいいことです。
ただし、本当の価値があるのかとなると、僕は違うと思います。

「本当の価値」というのも難しいですが、もし、人生のどこかで本当にどうしようもない絶望を感じ、これ以上生きているのが嫌だと思ったとしましょう。
そんな時、「みんなが褒めているもの(理解できたもの)」がそんな状況からあなたを救ってくれるでしょうか?

僕は、無理だと思います。
きっと最後に手を差し伸べてくれるのは、「自分の価値観のみに従って、本当に価値があると信じたもの」だと思います。

そして僕は、VIVICROWNが誰かにとっての、そんな存在になってほしいと思っています。

そうとなれば、「バンド」という多くの人が理解しやすいものを名乗って「バンドらしいことだけをする」というのは、どこか間違っているのではないかと思います。

まずは僕ら自身が僕ら自身の価値観のみに従って、本当に価値があると信じられることをやっていかないといけないのでね。

ところで、「バンド」じゃなけりゃ何なのか?
ここで別の肩書を名乗れば、それもまた同じことでしょう。
だったら、「何者でもない」というのもアリでしょう。

いつの日か「VIVICROWNは『VIVICROWN』としか言いようがない」なんて言える日が来るのもいいですね。

ではまた次回にお会いしましょう。

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