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地球外生命体VS地球内生命体(ナンセンス小説 2023/11/14)

それは突然やってきた。

地球外生命体プリテアンによる艦隊は、瞬く間に人類を侵略し文明を崩壊させた。
それと同時期に海嶺の深部から大量に湧き出した地球内生命体デスドリラーは同じく人類を侵略し駆逐し続けた。

そして今、プリテアンとデスドリラーによる地球周辺生命体の頂点をかけた戦いが幕を開ける。
地球表面生命体である人類は、ただ蚊帳の外から眺めることしか許されなかった。

まずはプリテアン軍の飛行艇がぶっといぶっといレーザーをデスドリラーの隊列に向かって放った。
しかし、デスドリラーたちは大量の唾液を空気中に飛散させることでこのレーザーを相殺し完全に防ぎ切った。

続いてデスドリラー軍の反撃。
背中から濃い緑色のガスを大量に噴射し、プリテアンの艦隊を死の霧で覆った。
これにより前衛にいたプリテアンのほとんどが生気を吸われミイラ化したが、その合間をぬってレインボープリテアンがデスドリラー軍に切り込み、800体ほどのデスドリラーを細切れに切り刻んだ。

しかしデスドリラーが真の恐ろしさを見せるのはここからだった。
細切れになったデスドリラーの破片がレインボープリテアンの心の奥底にある闇の感情と共鳴し、ブラックレインプリテアンとなって再臨したのだ。
800体のブラックレインプリテアン相手に手も足も出ないレインボープリテアン。

その傍らで、プリテアン軍は秘策を実行した。
プリテアン軍の使役する大型地球外生命体ドラグーニャが持つ天空を支配する力を利用して、デスドリラー軍の滞在するサハラ砂漠一帯を極寒かつ真空の世界へと変貌させたのだ。
これにより、デスドリラー軍の4割ほどが絶命したとみられている。
また、ブラックレインプリテアンも2割ほど絶命している。

極限環境により危機に陥ったデスドリラー軍だったが、隊列の中心付近にいた5000体ほどが一斉に自爆し、その爆風によって生存しているほとんどの個体がアフリカ大陸の外へ退避していった。
レインボープリテアンはこの爆発に巻き込まれて絶命している。

これと時を同じくして、プリテアン軍に異変が起こった。
プリテアン四天王の一角、キエロローが暗殺されたのだ。
実はこの時点でプリテアン四天王のうちの二人、アレッドレとミミリーンはデスドリラーに脳を支配され洗脳状態にあった。

異変に気付いたプリテアン四天王のオブルルーアが二人を静止しようとしたものの敗北し絶命、パニックに陥ったプリテアン軍はアレッドレとミミリーンによって次々とデスドリラーの苗床へと変えられていった。

そしてトドメとばかりに、ギガンティックデスドリラーがギガンティックライジングギガンティックアッパーをプリテアン軍の母艦にクリーンヒットさせる。

これをみたプリテアン軍の補給艇は地表に向かってギャラクシータオルを投下。
タオルを確認した人類代表の司令官がプラネットゴングを鳴らし、戦いは終結した。
デスドリラーの勝利である。

なお、4か月後にプリテアンのリベンジマッチが企画されており、最新の統計調査によると人類の87%がこの試合に注目している。



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