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恐怖!現代シャークの海域(ナンセンス小説 2024/2/2)

3人の男女が、海上で窮地に陥っていた。

トニー「くそ、なんだこの海は!見たことのない奇妙なサメばかりじゃないか!」
ロッキー「調査書にある通りだ。なんてクレイジーな海域!」
ベラ「エンジンを見てみるけど、動くかはわからないわ。救難信号の発進もできなさそう……」

トニー「おい、なんだあれは!?水面でなんか光っているぞ!」
ベラ「まさか、サメじゃないわよね!?」
ロッキー「いや、そのまさかだ。調査書によるとあの7色に光る背びれは……プリズムシャーク!!!」
トニー「プリズムシャーク!?」
ロッキー「太陽光を浴びることで7色に発光し、その光におびき寄せられて大量のプランクトンが集まることで海がひらすら濁っていく厄介なサメだ。光合成で栄養を補給するため人間を襲うことはない。」
ベラ「人は襲わないのね。よかったわ。」

トニー「ベラ、エンジンは動きそうか?」
ベラ「もう少し時間をちょうだい。動かすことはできそうだけど、補強しとかないとまたすぐ止まっちゃうわ。」
トニー「そうか。引き続き頼……おい、また背びれだ!しかも一気に3つ!」
ロッキー「3つだと!?どっちにいる!?」
ベラ「あそこよ!ロッキー、どんなサメがわかる?」
ロッキー「ああ、すぐに調査書を調べる!」

ロッキー「……わかったぞ!まず一番右の背びれは……バーニングシャーク!!!海中だろうがなんだろうが全身に炎を纏い高速で海中を突き進む暴走野郎だ!高熱で歯が熱で溶けているので人間を食べることはできない!」
トニー「なんて恐ろしい生態なんだ……」

ロッキー「続いて真ん中の背びれは……サウザンドアイシャーク!!!全身のいたるところに高い視力の目がついていて周囲50km圏内の全方向を視認できるという!代わりに口がないので人間には無害だ!」
ベラ「どうやって生きてるのそれ?」

ロッキー「最後に左の背びれは……デーデンシャーク!船舶の周囲を回遊しながら映画『ジョーズ』のテーマ曲を口ずさんでくる非常に狡猾なサメだ!脅かしてくるだけで人間を襲うことはないぞ!」
デーデンシャーク「デーデン♪デーデン♪デーデン♪デーデン……」
トニー「さっきからずっと緊迫した空気なのはこいつの仕業か!」

ベラ「……エンジンが直ったわ!」
トニー「よし、すぐにこの海域を出るぞ!」
ベラ「発進!」

しばらくボートを走らせていると、突然ボートが跳ね上がり3人は海に投げ出されてしまった。海中の何かに衝突してしまったようだ。

ベラ「一体何!?」
ロッキー「うおお、足からめっちゃ出血してる!」
トニー「まずい予感がする……おい、何かいるぞ!こいつに衝突したのか!」
ベラ「あれもサメ?なんの種類かわかるかしら……」
ロッキー「あれは……調査書を見るまでもねえ……フツウシャークだ!!!」
トニー「フツウシャーク??」
ロッキー「つまり、ただのホホジロザメだ。人間を襲うぞ!」
ベラ「襲うの!?」

3人は全滅した。


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