天変地異世代(ナンセンス小説 2023/10/21)

そのとき天は荒れ、大地は沈み、草木は枯れ、海は割れ、山は裂け、人々は逃げまどい、街は光を無くし、景気が悪化し、世論は政府の天変地異への対応は不十分だという意見が多数を占め、球団が解散し、ライブは中止となり、チケットは返金されず、推しが引退し、南極の氷が解け、オゾン層が破壊され、温室効果ガスが爆増し、太陽活動が活発化し、変な健康法が流行り、人々が「これも一種のニューノーマルだね」と言い始める頃合いで更に天は荒れ、大地は火を吹き、草木は逆に大増殖し、海は更に割れ、特に地中海はきれいに6つに割れ、その映像がSNSでバズり、動画配信者が味を占めたところで地球上の全てのデータセンターが同時に粉微塵になり、モヤイの目が光り始め、ピラミッドが浮遊し、ピサの斜塔が伸び、マーライオンが念仏を唱え始め、スカイツリーが全体的にトゲトゲになり、この新しいスカイツリーの是非で世論は真っ二つに割れ、天が割れ、大地が割れ、海は割れがちょっと衰え、山も割れるかと思ったら割れず、代わり谷が割れ、それによって空間が裂け、裂け目から機械仕掛けの神が現れ、機械仕掛けの神は人々の願いを何でも1つ叶えようと言い始め、世論は機械仕掛けの神に天変地異を収めるようお願いするべきだという意見が多数を占めたが、うっかり誰かがドラゴンボール全巻をお願いしてしまったため機械仕掛けの神は消え、世界はずっとこのままだったという。