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怪盗トリニティ~未開の屋敷に挑む~(ナンセンス小説 2023/12/3)

いいか、最後にもう一度だけ計画を確認する。

ターゲットは屋敷の4階東側の隠し倉庫に保管されている純金のハンドクリーナーだ。
これを俺たち3人で屋敷に侵入して奪取する。

事前の調査によると、敷地を覆う壁には人間の接近を察知するセンサーが張り巡らされている。付近に近づくだけで警報が鳴り響いて警備隊が一斉にやってくるってわけだ。
なので、この警備システムを逆手にとって隙を作る。

まず、アレックスが西側の壁に近づいてセンサーを反応させる。
警報が鳴ったらアレックスはすぐに退避し、警備隊や人面半魚人が集まる頃合いでマリーお手製の巨大ドローンを飛ばす。
巨大ドローンは地上に煙幕をまき散らしながら壁伝いに北側の正門へ向かうが、このとき警備隊や人面半魚人は音を頼りにドローンを追いかけるはずだ。

ドローンが正門に着いたら、そのまま煙幕を撒きながら敷地内へ入っていく。このとき警備隊も人面半魚人も追いかけて敷地になだれ込んでいくので、それにこっそり紛れて3人全員が正門から敷地に侵入する。
煙幕があるので、バレることはないはずだ。

侵入後は再び西側に向かい、屋敷の裏手にある池に潜る。
この池は人面半魚人が屋敷の移動に使う水路の入り口になっているので、このまま水路を通って屋上にある噴水から屋上へと出る。

この屋上では、毎晩のように人面半魚人たちがDJフェスをしている。
俺たちは見つからないようにダンサーの控え用テントに侵入して、ダンサーの衣装を拝借する。布面積の多いボディスーツタイプの衣装に着替えれば、俺たちも人面半魚人の仲間にしか見えないってわけさ。

あとは人面半魚人のふりをして堂々と階段を下り、目的の倉庫がある4階の東側へ行く。4階の東側には全部で8つの扉があるが、そのうち1つだけが純金のハンドクリーナーのある隠し倉庫へつながっている。他の7つは全て罠で、開けたとたん闇ハンドに引きずり込まれ3階の迷宮フロアに幽閉されてしまう。そうなればもう終わり、迷宮に潜むといわれている人面ミノタウロスになぶり殺されるだけだ。

ただし、罠の扉はノックすると闇ハンドがノックし返してくることがあるので、ひたすらノックしまくって少しずつハズレの場所を確定させていけばいい。本物の扉をくぐれば、純金のハンドクリーナーは俺たちの手の中だ!移動スキルを使って最寄りの村のセーブポイントまでワープする。

計画は以上だ。皆、検討を祈る。

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