シリーズ解説「ワイルドピーチ」(前編)(ナンセンス小説 2023/12/9)
この企画では、大人気アドベンチャーゲーム「ワイルドピーチ」シリーズ40年の歴史を振り返っていきます。
◆ワイルドピーチ(1988年)
記念すべき初代ワイルドピーチは、横スクロール型のアクションゲームでした。
桃から生まれた主人公ワイルドピーチを操作してオーガアイランドの頭領である魔王オニックスを倒すというシンプルなストーリーで、今ではシリーズ恒例のアイテムであるキビドラッグも未登場です。
ですが、ドットでありながら昔話を基調とした世界を美麗に表現しているビジュアルやドグ、モンキ、キジーといった個性的な仲間たちなどシリーズの魅力の根幹はこの作品で既に形作られていました。
◆ワイルドピーチ2 消えた宝箱(1993年)
初代から5年後に発売された第2作は、様々な面で大幅なパワーアップをとげ、今でもシリーズの代表作として語られている名作です。
今作から探索型の2Dアクションゲームとなっており、前作でやっつけた魔王オニックスの隠し財宝の調査のためにオーガアイランドに再度訪れるというストーリーです。
主人公のワイルドピーチには、新たにキビドラッグを投げるアクションが追加されました。敵にキビドラッグを投げることでワイルドピーチに対して協力的になり、戦闘時のおとりにしたり儀式の生贄にしたりと様々な形で活用することができます。
また、前作ではイベントシーンのみの登場であった3匹の仲間を操作することができるようになりました。地上を走るのが速いドグ、木を登ることができるモンキ、空を飛べるキジーとそれぞれ得意なことがあり、場面によって使い分ける楽しみが生まれました。
◆ワイルドピーチ3 ワイルドゴールドの野望(1996年)
第3作は2作目の流れを継承した作品ですが、新たなストーリーやキャラクター、そしてシリーズ初登場となるエクストラモードなど前作を遊びつくした方でもまったく新しい冒険が楽しめる歯ごたえのある内容になっています。
突如ワイルドピーチの前に立ちはだかった謎のアックス使いワイルドゴールドの手により戦場と化したマウンテン・アシガラが本作の舞台です。
また、物語の後半では謎の老人ワイルドコーストを追いマリンドーム・リュウグーへ足を踏み入れます。
アクションの面では、ワイルドピーチの仲間として新たに破壊力が自慢のツキリング、海中を泳げるシタトルが追加され冒険の幅が広がりました。
なお、モンキは本作では未登場です。
◆ウルトラワイルドピーチ(2002年)
ハードが変わり、3Dアドベンチャーとしてリデザインされたシリーズの変革期にあたる作品です。
主人公のワイルドピーチはこれまでの3頭身のデザインからリニューアルされ、7頭身になりました。
仲間たちのデザインも大きく変わっており、柴犬のような見た目からダックスフントのような見た目へと変わったドグ、ダチョウのような地上を走る鳥となったキジー、12頭身のパンダになったツキリング、無限に伸びる手足を手に入れたシタトルと心機一転のビジュアルとなっています。
ストーリーは空からやってきた青年ジャック・ツタロウを故郷に返すために、天空の宮殿を目指してヨーロッパを冒険する内容です。
また、王女ハイ・カブリエルや防災専門家トリニティピッグズなどシリーズの中でも登場人物が多い作品です。
シリーズ初の3D作品である本作には、シリーズファンの間で語り継がれる特徴的なバグ技が多くあることで知られています。
タイムアタックで本作がプレイされる際には、ツキリングを画面内に大量増殖させた状態でスライディング中にキビドラッグを連射することで、ツキリングもろとも高速で上空に射出され海を越えることができる「ダイナミック条約違反」と呼ばれるテクニックが多用されることが恒例となっています。
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