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解明!!ピエングリフの謎に迫る(ナンセンス小説 2023/10/20)

「彼らの遺物はこの土地の様々な場所で見つかっていますが、その多くでピエングリフが見受けられます。彼らは我々と同じように、文字を用いて様々な出来事を巧みに表現することができる文明だったのです。」

そう話すのは歴史研究家のエモンプ教授。ピエングリフ研究の第一人者として知られています。
実際にピエングリフが使われた壁画を教授に案内していただきました。

「ほら、ここ。見えますか。記号のようなものが沢山ならんでいるでしょう。」

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「これがピエングリフです。この壁画には祭事の様子が記されています。『今日は皇帝に献上された家畜の行進を眺めていた。私の家からもシマウマを1頭献上したのだが、このシマウマは宮中で暴れて複数の役人に重症をを負わせたため、行進の前に殺害されたと後から知った。私は悲しい気持ちになった。』と、そのようなことが書かれています。」

「彼らにとってピエングリフはただの文字ではなく、それ自体が信仰の象徴となっていたのです。」

そう話す教授は、別の壁画の元へ案内してくれました。

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「人間の感情は神さまから賜ったものであると、そういう考え方が彼らの文明にはあったんですね。この壁画は『2人の若者が猛毒生物に襲われたと聞き、私は悲しい気持ちになった。』という内容が書かれているんですが……実はこの壁画に出てくる色んな顔を象った文字、これらのひとつひとつが神さまを表しているんですね。」

文字が神さまを表すとは、どういうことでしょうか。エモンプ教授は続けます。

「最後の行に悲しそうな顔(🥺)がありますよね。初めにお見せした壁画にも出てきたと思いますが、これはウッタ=エカ=ケルカオというこの文明の神さまを表象した文字です。ケルカオは人々に悲哀の感情を授けた神さまだと伝えられています。」

「他にはそうですね……下から4行目ですかね、頭上に輪っかのようなものの付いた微笑んでいる顔(😇)ですが、これはテン=シノワガツイ=タエガオという神さまで、潔さとかとか、諦観っていうんですかね……自分の身に降りかかりつつある不幸をありままに受け入れる、そのような清らかな感情をつかさどっています。」

「この他にも沢山の神さまがいますね。シ=コウチュ=ウノカオとか、トケ=ルカオとか……挙げればキリがないです。」

最後に教授は、特別だという壁画を見せてくれました。

「これ、見てください。表面に金がコーティングされているんですよ。これ実は王族の、それもかなり位の高いものが直筆したものなんです。このような豪華な装飾の壁画は遺跡荒らしに遭ってしまっていることも多くて、ここまでよい状態で現存するのは奇跡だと言ってよいでしょう。」

とてもとても貴重な王族の壁画。一体何が書かれているのでしょうか。

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「これはいわゆる逢引ですね。しかも不倫で、相手は平民の女性のようです。他の文献の記録によると、この王族は頻繁に若い女性に同様のやり方で文章を送り付けていたようですが実際に誘いに乗って宮殿へ赴いた方はほんの僅かだったとか。しかもそのほんのその僅かも実は他国の貴族とつながっていて、文章の送り主の王族の顎を出会いがしらに破壊した挙句、宮殿に保管された財宝をありったけかっぱらっていったそうです。こういう王族の愚行が積み重なって、ピエングリフは文明もろとも消え去っていたと考えられています。」

ピエングリフを通じて見える、遥か過去の文明の景色。次回、シリーズ2回は王族の愚行スペシャルとして、ピエングリフから読み取った更なるしょーもない王族の愚行をじっくりとお伝えしていきます。


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