演劇をより多くの方に届けるには・・・その2「ジャンル」

昨日に引き続き
より多くの方に演劇を届けるにはどうしたらいいかを考えていきたいと思います

昨日は演劇に関心を持ってもらう手段をいくつか紹介していきましたが
実際に「関心期」へと移行し、観劇の「準備期」に入ったお客様を
観劇「実行期」に移行させるにはどうしたら良いのかを考えてみたいと思います


「ユーザーに事前情報を渡し、不安材料を一つでも減らす」

多くの方が演劇に限らず、何かを始めてみようと考えた時に
「時間」と「お金」を犠牲にする「対価」があるかを考えるのではないかと思います
それを演劇で考えた時は、自分が観に行こうと思う演劇が
「自分にとって価値があるものなのかどうか?」
分かりやすく言えば
「面白いかどうか」「自分の期待に応えるものであるかどうか」でしょうか

「そんなもの観てみないと分からないよ!」
と言うのも事実ですが、それを言い始めると話が進まないので
まず大切なのは
「どんなお芝居なのか?」
が分かるようにすることでは無いでしょうか?

演劇関係者の皆さんも聞かれたことないですか?
舞台やっていると伝えた人に
「へぇ~!凄いですね。どんな芝居何ですか?」

「どんな芝居なんですか?」

「どんな芝居なんですか?」

「どんな芝居」

「どんな」

これ、難しくないですか?
演劇を知っている方にならそれなりの説明の仕方があるんでしょうけど
「ストリートプレイ」「新劇」「アングラ」「ミュージカル」などなど
でも、正直演劇を知らない方からしてみたら
「え?何それ?」
って感じです
せいぜい「ミュージカル」は分かってくれる程度ではないでしょうか?
そして更にミュージカルにも様々なジャンルがある

恐らく俺たちも今まで興味が無かった分野のジャンルを説明されても
すぐには理解できないのではないかと思います
失礼を承知ではありますが、例えとしてあげるとすれば
「バレエ」のジャンルを聞き
「ロマンティック・バレエ」「クラシック・バレエ」「モダン・バレエ」
これらの違いを分かる方がどれだけいるのか?
と同じことだと思います
やはり普段馴染みの無い物の種類は理解しづらい、伝わりづらい
と言うのがあるのではないでしょうか

「演劇以外の分野から借りてみる」

では演劇のジャンルをどうやって分かりやすくしたらいいのでしょう?
認知度を上げて、浸透させていくと言うのは、この元々の議題から堂々巡りになるので一度置いて考えていきましょう
俺が思いつくのは、演劇に馴染みの無い方でも、比較的分かりやすい分野のジャンルで例えていく、と言うのが一つあるかなと思います
いくつか考えられますが、「音楽」「映画」「漫画」が俺はお勧めです
音楽で例えるなら「クラシック」「ジャズ」「POP」「ロック」「演歌」など、様々な表現が出来ます
ただ、何となくのイメージは出来ても、それが演劇とどうつながるのかイメージしにくいと言う方も多いのかな
映画や漫画などは「物語」と言う点で共通しやすいので、伝わりやすいですね
「コメディ」「SF」「アクション」「時代劇」「ミステリー」「サスペンス」などなど
こういった演劇に馴染みの無い方にも伝わりやすい表現を前面に押し出していくことが大切になってくると思います

「ライトユーザー・ヘビーユーザー」

そしてもう一つ大切なのが
「ライトユーザー向け」なのか「ヘビーユーザー」向けなのかを提供側が意識して発信していくことでは無いでしょうか?
演劇の特性上、「ライトユーザー」が見た時に
「で?結局何だったの?」と言う感想を抱く作品も少なくありません
やはり芸術ですから、自分たちの表現を追究した物も多いです
しかし、そこから入ってしまうと
「演劇は分からないもの」
と言う印象を受けてしまう方も出てしまうと言うのも現実では無いでしょうか?
もし俺が観劇初心者の友人に薦めるとしたら
「野田MAP」より「キャラメルボックス」を薦めます
もちろん、野田さんの作品が初めて見る人に伝わらないと言うことではありません
ただ、どちらの方が入りやすいかと言うことです
俺達はジャンルと同時に
自分たちの創る演劇が「ライトユーザー向け」か「ヘビーユーザー向け」なのかをはっきりと伝えてみる必要があるのではないでしょうか?
インストラクターとしてフィットネスクラブで勤務していますが
同じエアロビクスでも「初心者向け」「中級者向け」「上級者向け」とレベルが分かれています
知らずに初めての方が「中級者向け」のレッスンに参加してしまい、二度とエアロビクスをやらなくなってしまった方を何名もお見かけしました
これはやはり勿体ない事だと思います
ですので、俺としては今後
「ライトユーザー向け」「ヘビーユーザー向け」と言うのも明確に伝えていけたらなと思っています
更に「映画」や「漫画」などのジャンルを例にだし
更にさらに「音楽」でも例えていく
少し情報過多な届け方が出来たらなと思います

例:劇団Z・A「隻眼の紅蓮丸」
  ライトユーザー向け(初心者の方も気軽に楽しめます)
  ジャンル「コメディ」「時代劇」「アクション」「人情もの」「ロック」
  補足 漫画の様な舞台作品

こんな感じでしょうか?
もっともっと改善は出来るのかなと思うので是非皆さんも考えてみてください
いいアイデアがあれば教えてくださいね


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