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メタバースとWeb3(著者:國光 宏尚)

2022年のいま、世界のマーケットで既存のサービスにとってかわる「ゲームチェンジ」が起きています。このムーブメントに乗り遅れないために知っておかなければならないのが「メタバース」と「Web3」です。驚異的な勢いでビジネス化が進むメタバース、話題のNFTや今後注目されるDAOにWeb3がどう絡んでいるのか? グローバル化、デジタル化という世界の変化に乗り遅れてきた日本企業、そして一個人がチャンスを掴める時代がいよいよやってきます。今後、世界で起きる大きな変化である「バーチャルファースト」への移行。本書ではいま知るべきことは何か、これから世界はどこに向かっていくのか、そして時代の波に乗るためのビジネスチャンスのヒントを、長年VRとブロックチェーンの領域でビジネスを手がけてきた著者が解説する、メタバースとWeb3の決定版。(Amazon内容紹介)

2021年の10月28日、Facebook社が「meta」へ社名変更したが、それ以来、Web3、NFT、DAOといったIT用語をメディアでよく耳にするようになった。そんな事もあり、今回紹介する「メタバースとWeb3」という本を読んでみたのだが、この”メタバース”と呼ばれるバズワードが単なる一過性のムーブメントではない事について詳しく述べている。

まず、筆者はメタバースを「VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、XR、ミラー・ワールドのリブランディング」のリブランディングと定義しているが、これらの各用語を下記のように説明している。

・VR(Virtual Reality):仮想現実
日本語で「仮想現実」と翻訳されているように、コンピューターグラフィックスなどのテクノロジーによってメタバースを作り出せるのが特徴。VRの世界に入るには、Oculusをはじめとするヘッドマウントディスプレイや専用ゴーグルを装着する必要がある。装着後、目の前に映像が映し出されることに加え、その中でユーザーは自由に動き回り、没入感を体験しながら別世界で活動することができる。

・AR(Augmented Reality):拡張現実
VRがメタバースを作り出すのに対し、ARは現実を拡張させる(拡張現実)のが特徴。具体的には、現実世界のさまざまな情報に対し、コンピューターで作り上げた画像や情報を重ねるようにして、目の前の世界を拡張させていく。わかりやすい例でいえば、特定の紙や画像にスマートフォンをかざすと、追加の情報(キャラクターやテキストなど)が浮き上がって見えるような技術が挙げられる。

・MR(Mixed Reality):複合現実
ARの技術をさらに発展させたのがMR(複合現実)。ARが現実世界を拡張しているのに対し、MRでは、あたかも現実世界にデジタル映像が存在するかのように投影することができる。代表的な事例としては、マイクロソフト社の「Microsoft HoloLens」が挙げられる。これは、現実空間に現れたホログラムの3D映像を見ることができるのに加えて、手や体の動きを通じて実際に操作できるのが特徴。

こうした技術は、まだ私たちの生活に深く浸透してきているとまでは言えない。だが、2020年にOculusQuest2(バーチャル・リアリティヘッドセット)だけでも1000万台程度販売されており、アップル社もVRもARも対応したヘッドセットの発売を予定している。中国ではTikTokの親会社バイトダンスが、Pico(ピコ)というVRヘッドセットメーカーを800億円で買収したり、中国の映像配信企業アイチーイーが、4K解像度の新型一体型VRヘッドセット「Qiyu 2S」をリリースするといった動きが取られている。

また、語学、化学、歴史、数学といった教育の分野では、紙で見せるよりもVRで見せた方が圧倒的にわかりやすくなると考えられる。教育現場でタブレットはマストハブになってきているが、同じくVRがそうなっていけばユーザー側もVRに慣れていく可能性が高い。さらに、ポストスマホとしては、ARグラスの分野になると考えられている。ARグラスの現在地としては、アップル社が2022年後半から23年前半に初期型のARグラスをリリースする計画があり、メタ社も現在開発中で同じく2022年後半、グーグル社も2024年にリリースを予定している。これらは日常的に着用できるモデルになると予想され、通話やバーチャル会議ができたり、スマホを触らずに情報を引き出せたりできるという機能が期待されている。

以上がメターバースが今後広がりをみせるとされる予測だが、メターバース以外にも
NFT(Non-Fungible Token)):代替不可能なトークン)
DAO(Decentralized Autonomous Organization):自律分散型組織)
といったWeb3(仮想通貨、暗号資産、ブロックチェーン、クリプトなどをリブランディングしたもの)がインターネットの次の大きなムーブメントになるであろう理由についても詳しく解説されている。メタバース、Web3について興味のある方は是非一読してみるといいだろう。


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