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2023/7/6 スペースまとめ

面会のときに、同居親さんから子どもが離れられない、泣いてしまう

今回ご質問頂いたケースでは、お子さんは4歳。
面会交流支援の現場では、良くあることです。
また、保育園や幼稚園でも、ママと離れられないお子さんもたくさんいます。
子どもの成長とともに、また、面会を重ねるごとに、少しずつ子どもの不安は軽減されます。

ここで注意すべきなのが、同居親さんは「子どもが嫌がっているから」と簡単に判断しないこと。
また、別居親さんも「同居親が悪口を言っているのではないか」と疑心暗鬼になってしまうこと。
子どもって、そういうものです。

また、子どもが泣いたり愚図ったりするのは、普通のこと。
泣くのも愚図って親が困るのも、子育て=面会交流の一環です。
親の前で泣けるのは、子どもが安心している証拠。
自信もって、受け止めて欲しいです。

離婚のこと、子どもはどう思ってる?

親の離婚を経験した、たくさんの子どもの立場の人の意見を聞きましたが、おおむね二つ。

①自分のせいで親が離婚になったんじゃないか
年齢によりますが、ほとんどのお子さんはこう思っています。
自分が悪い子だったから、親が離婚したんじゃないか。
もっと、自分が努力していたら、離婚を止められたんじゃないか。

これは、子どもの自己中心性(わがままとは違うもの)によるものです。
赤ちゃんは、自分が泣くことで、おむつを替えてもらったり、ミルクを飲ませてもらったりし、自分の行動で状況が良くなることを知り、自分にどんどん自信をつけます。
この自信からくるのが「自己中心性」で、スイスの著名な発達心理学者ピアジェの提唱する考え方です。

この子どもが離婚に直面すると、自分が原因だと思うのは、自然なこと。
親は、何度も「大人の問題は大人の問題」「子どもには関係がない」「子どもにどうにかできることではない」ということを、わかるように伝えていく必要があります。

②絶対になくならない完全だった家から、一人の親がいなくなったのだったら、次にもう一人の親がいなくなるんじゃないか

例え、家の中が険悪な状況でも、子どもにとっては自分の家庭はパーフェクト・ワールドです。
子どもにとっては、知らないことは恐怖です。
絶対に崩れないと思っていたものが崩れた衝撃は相当なもので、「絶対に大丈夫」がないことを、子どもは知ります。
この心理を、離婚をする大人には知っておいて欲しいです。

子どもが不安定になったり、イライラしたりすることは、想定しておいてください。
それを親が知っているだけで、過剰反応せずに済みます。
また、ここでも、子どもが泣いたりイライラしたりするのを親に見せられるのは、親への信頼の証です。

子どもが離婚で悲しむからと、自分を責めるのは、あまり良い方法ではありません。
親が自分を責めるほど、子どもは「自分ががんばっていれば」と思ってしまうこともあります。
離婚を、子どもにとってもポジティブな形にできるかどうかは、親の力にかかっています。

さよならのない別れ

親との死別と離別の違いのお話。
死別の場合、通常お葬式などがあり、泣いたり、慰め合ったり、お葬式の儀式があったり、写真を飾って故人の思い出話をしたりする悼むプロセスがあります。
そうやって、プロセスを踏んで、人は「家族の死」を受け入れます。

離別の場合、そういうプロセスのないまま、離れてしまうことになります。
そうすると、子どもは喪失を受容することができず、いつまでも苦しむことになりかねません。

面会交流は、ある意味、喪失を受け入れるプロセスになります。
一緒に住むことはできないけれど、家族という新しい形を、両親で子どものために作っていって欲しい。

元パートナーを許したり、仲良くしたりする必要は、必ずしもありません。
子どもが自分で親と直接連絡できるようになるまで、子どもの代わりに連絡する。
それだけでも負担が大きい方は、ぜひびじっとにご相談ください。

https://twitter.com/gyokuro666/status/1676733587348152320?s=53&t=1OSeJ5LD1gW5CXdM-DLlew

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