開院からあっという間に一か月が経ちました。VISION PARTNER メンタルクリニック四谷の林です。
新型コロナウイルス感染症の影響で、仕事や学校といった社会生活は勿論のこと、家庭生活すらもこれまで通りにいかなくなった方が大多数かと思います。
緊急事態宣言、東京アラートが解除されたとはいえ、すぐさま元の生活に戻れるわけではなく、またいつ生活や行動の制限がなされるのか、不安が頭をよぎります。
ありふれた日常が崩れていくということ。これは多くの人にとって苦痛であり、恐怖すら感じることです。反面、それまでご自分で作り上げ、慣れ親しんできた”普通”がいかに流動的なものかを実感された方も多いことでしょう。
“病気”というものは、多かれ少なかれその方の生活に影響を与えます。
例えば視力低下。見えづらさでの支障がなくとも、免許の更新などで視力矯正をすすめられることがあるでしょう。
例えば高血圧。目立った自覚症状がなかったとしても、出血のリスクを指摘され、塩分制限や内服治療をすすめられることがあるでしょう。
例えば悪性腫瘍。手術でとりきれたとしても、化学療法や放射線治療でその後の定期通院や副作用での体調不良をご自覚されることがあるでしょう。
今回の新型コロナウイルス感染症のように、他者に感染する病気は、直接罹患しなくとも社会や経済を停止させます。
これらの病気と同じように、見た目での分かりづらさこそあるものの、心の不調はその人の生活に大きな変化をもたらします。
ある方は、家事どころか起きることすらできなくなったご自分に傷つき「”普通”の主婦になりたい」と話されました。
ある方は、会社に行こうとすると足が竦むご自分を恥じて「”普通”の会社員になりたい」と話されました。
ある方は、お子さんを異常なまでに怒り続けてしまうご自分に恐怖し「”普通”の親になりたい」と話されました。
ある方は、それまではできていた仕事が手につかなくなったことに困惑して「”普通”の自分に戻りたい」と話されました。
”普通”とは何なのでしょうか。
いま”普通”だと感じてらっしゃることであっても、実は数年前にはなかった習慣かもしれません。あたりまえであると思い込んでいる事柄も、実は少しずつ変化が加えられています。
大きな環境の変化が生じたときは、良いことであれ悪いことであれ、思った以上に身体も心もダメージを負います。
心の不調の治療開始のタイミングは難しく感じる方が多く、限界まで我慢をされる方が多くいらっしゃいます。
ご本人が、今の生活がつらい、と思われた時が治療開始のタイミングです。
いまの体力や気力にあわせた、新しい”普通”を作り上げていくお手伝いをさせていただきます。
お一人で抱え込むのではなく、是非ご相談にいらしてください。
クリニックで、お待ちしております。
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